信次の長い1日(信次目線)
「お腹いっぱいになりましたわ。また明日ですわ!」
「明日もお楽しみにね」
結局のばらさんは、炒飯を大盛り二杯おかわりして、我が家を後にしていった。
相変わらずの気持ち良い食べっぷりに、また僕はメロメロになるんだよな。
さーて、明日から学校も休みだけど、買い物に行きたいし、瀬尾家の看病もしたいし、学校にいって宿題貰ってこなきゃ。海里の分も。
意外と暇がないな、こりゃ。パーティーいけるかなあ?
まあ、いいや。今日はお風呂入ってすぐ寝よ。
兄貴からもあれから連絡あって、瀬尾家の看病はしてくれたみたいだしね。
本当にありがとね、兄貴。
あ、まだ湯船温かいや。兄貴か亜美が作ってくれたのかな。またまたありがたい。
僕はのんびり、お風呂に浸かる。ふー、気持ち良い。
今日は色々あったからなあ。九久平先生に殴られた傷も、まあまあ痛むし。
でも、のばらさんの美味しい顔を見れたのは、嬉しかったから良しとするか。
そうだね、もう愛しちゃってるね。僕。
片思いのくせに、こんなの重たすぎるよね。
でも、愛しちゃったもんは仕方ない。それをどう伝えるか、だよね。
正直に伝えたら重いかな、やっぱり。でも、ちゃんと伝えなきゃ。
君に嘘は吐きたくないから。
う、考え事しすぎたな。ちょいのぼせて来た。
軽く身体と頭を洗って、早く出なきゃ。
僕は身体と頭をサッと洗って、お風呂から出た。
のぼせちゃったから、リビングのソファにタオルを敷いてひと休み。
兄貴じゃないのに、のぼせるなんて久しぶりだなあ。
横になってると大分楽だね。兄貴がのぼせた時、布団で寝転がる気持ちがちょっと解ったよ。
すー、すー、あ、いけない。一瞬寝ちゃったよ。
すぐ着替えて、今日はもう寝ちゃお。パジャマ、パジャマっと。
よし、おやすみ、のばらさん。って、流石にこれはキモいな。もうやめよ。
◇
「んー、今日は起きれた」
今日は早めに寝たのもあって、いつも通りに起きれて良かった。
やる事もいつもよりあるし、頑張るぞ。
僕はリビングに向かうと、今日も亜美のが早く起きていた。
「おはよ、亜美」
「おはよ、信次! 洗濯機はもう回しといたからね」
「ありがとね。助かるよ」
よし。朝ご飯とお弁当作ろっと。昨日亜美は和食作ってたから、洋食にしようかな?
僕は片手で卵を数個割って、箸で溶いて味付けをする。
それを温めたフライパンに注いで形作れば、オムレツの完成だ。良い半熟具合だね。
「わあ、オムレツだ。美味しそう!」
「でしょ。朝ご飯をお楽しみに」
我ながら良いオムレツが出来たぞ。次はコールスロー作ろっと。
のばらさんのお弁当にもいれようかな。
後はコーンスープも作って、朝ご飯は完成だ。
お弁当は、何入れようかなあ?
よし、あれとこれを作ろっと。そんで、準備して焼いたり揚げたり茹でたりっと。
のばらさん、喜んでくれたらいいな。
ご飯関係がひと段落したとこで、ちょうど洗濯機が終わりだよって鳴いた。干しにいこう。
うーん、今日は天気が良くなさげだから、部屋干しにしよう。
寒いし雪になるかなあ。普通に雨かなあ。
なんにせよ、やる事いっぱいあるし、物事が滞らないといいな。
まあ、交通網が止まっても、飛べばいいんだけどね。
よし、洗濯物も完了。亜美は大丈夫かな?
「亜美、終わりそう?」
「うん、もう終わるよー」
「じゃあ、僕はご飯並べるから、兄貴起こして来て」
「オッケー!」
亜美が起こした方が兄貴も嬉しいだろうしね。
僕が朝ご飯を並べているうちに、亜美と兄貴が部屋から出て来た。
「おはよ、信次。朝ご飯と洗濯物ありがとな」
「おはよ、兄貴。どういたしまして」
「後はご飯の盛り付けだね。私やるね!」
「ありがとね、亜美」
「ありがとな、亜美」
亜美が盛り付けたご飯を僕が運ぶスタイルを取って、朝ご飯はいい感じに揃った。
「と、血糖値測って……120。インスリン注入して」
「「「いただきます」」」
「やっぱ信次のオムレツ美味しい! 柔らかくて卵の風味が格別で。コールスローともめちゃ合うし」
「喜んで貰えて良かった」
「信次も成長してるな。オムレツ美味いぞ!」
「ありがとね、兄貴」
おお、オムレツ好評で良かった。自信あったから尚更嬉しいな。
のばらさんのお弁当も、喜んで貰えたらいいなあ。ちょっと気合い入れたんだよね。
おっと、この後も予定あるし、早めにご飯食べなくちゃ。まずは学校へ宿題貰いに行かなきゃ。
「ごちそうさまでした」
「信次早」
「予定が色々あるからね」
「今日から学校休みなのに大変だな」
という訳で、早々に朝の支度も終えて、一番最初に家を出た。最初に行くのは学校だから、制服に着替えた。
「いってきまーす」
「「いってらっしゃーい」」
亜美達も居ないし、学校へは飛んでいってしまおう。
僕は羽根を広げて、大空へと舞う。
余りに高く飛ぶと、飛行機やらなんやら面倒臭くなるから、低空飛行ではあるんだけどね。
あー、今日は朝から雨かあ。どうせなら雪ならロマンチックだったのにね。
と、飛ぶと速いね。もう学校へ着いたや。
倉灘高校は進学校という事もあり、冬休みの日でも朝6時から校門は開いている。
自習する生徒が過半数を占める為だ。
先生からはライムで連絡をくれていて、僕と海里の机の上に宿題を置いてくれたらしいけど……お、あったあった。
これも今日海里に渡しとかなきゃな。
僕は宿題を持って、学校を後にした。
今は7時5分。亜美達ももう病院だろうし、飛んで家まで帰るか。で、着替えてっと。
次は瀬尾家の皆様の看病をしなきゃ。皆様、少しは元気になってるといいな。
「おはようございます。信次です」
と、一声かけて、合鍵で瀬尾家に入る。長い付き合いなのもあって、海里のお母さんからかなり前にもらったんだよね。
結構早いから、まだ皆寝てるかな?
それならそれで、海里の寝顔でも見物しとくかな。
海里は気持ち良さそうに熟睡していた。
って、氷枕微温いなあ。取り替えておこう。
おでこを触ってみると、まだ熱も高そうだ。
皆の様子を見終わったら、お粥作って、薬飲ませなきゃな。
そして海里の机の上に、宿題を置いといた。
次は海里のお母さんだ。
ドアをノックしたら、起きていらしたので、まずは朝の挨拶から。
「おはようございます。お加減いかがですか?」
「ああ、信ちゃん、朝からありがとね。少し熱もひいてきたよ。完治とは行かないけど」
「少しずつ治って来たなら良かったです。食欲はありますか?」
「信ちゃんの卵粥なら食べれそう」
「では、後で作って持っていきますね」
少し熱もひいたなら良かった。次は灯さんと縁ちゃんだね。
僕はドアをノックして、様子を確認する。
「信次です。入っても大丈夫ですか?」
「ああ、信ちゃんか。どうぞー」
灯さん、かなり元気になったみたいだな。声に昨日より張りがあるもん。
「お加減……って、もう会社行くんですか?」
「熱も36.5度なら問題ないでしょ?」
「元気になって良かったです」
「本当は皆の看病したいんだけど、ちょっとでも来いって上司がね。信ちゃんと京平さんには迷惑かけちゃってるね」
「いえいえ、僕学校休みなので大丈夫ですよ」
治ったとはいえ病み上がりなのに、もう会社に行かなきゃなのか。灯さんも大変だなあ。
スーツを身に纏う灯さん、なんか格好良いな。
「あ、夜はもう来なくて大丈夫だからね。私が看病するし」
「いえいえ、手伝いますよ。お気になさらず」
「そっか、それは嬉しいな。有難うね」
「あと、元気になったのなら、宜しければ夜、家に来ませんか? パーティーやるんです」
僕は灯さんを、パーティーに誘った。クリスマス出来ないかもって言ってたし、折角元気になったんなら、楽しんで貰いたかったから。
「え、いいの?」
「一応プレゼント交換会ですが、ご飯は兄貴が沢山作りますし」
「なるほど、私もなんかプレゼント持ってくよ」
「有難うございます。看病しながらだから僕はあんまり居られないかもですが、楽しんでくださいね」
何気今回、共通の知り合いってのばらさんと亜美と兄貴だけだしね。僕。今、灯さんが増えたけども。
「ありがとね。あと、縁も連れてっていい?」
「お、縁ちゃんも元気になったの? それなら是非!」
「うん、無事熱が引いたからさ。やっと保育園連れてけるよ」
「あれ、そう言えば、縁ちゃんはどこだ?」
「リビングで着替えてるよ。あ、着替え終わったみたいだね」
ドアを開けた縁ちゃんは、駆け足で灯さんの胸に飛び込んだ。
「おねえちゃん、はやくいこ!」
「そうだね、そろそろ行こっか。信ちゃん、ありがとね。また夜ね!」
灯さんは、縁ちゃんの手を繋いで、瀬尾家を後にした。
と、ラストは海里のお父さんだね。
僕はドアをノックしたけど、返事がなかったので、そっと部屋に入る。
海里のお父さんは、すやすや寝ていた。寝顔は海里そっくりだなあ。
熱はまだ少しあるみたいだなあ。簡易的な氷枕を作って、氷枕を取り替えた。
次はご飯を作らなきゃ。卵粥を3人前だね。
あ、ご飯がもうないや。炊くところからだね。
お米を研いで、洗って、炊飯器に入れて、と。
炊けるまで25分。うん。暇になったね!
今は、9時か。スーパーに買い物に行こうかな。
瀬尾家の買い物も、一緒に済ませちゃおう。
えっと、瀬尾家の冷蔵庫は、大分寂しい状態だなあ。色々買い足しておこう。いつもお世話になってるしね。
よし、スーパーまで、空を飛んでサラッといくぞ。
雨はいつの間にか雪に変わっていた。うう、ちょい寒いなあ。
羽根もちょっと震えるけど、スーパーにはすんなり着いた。
お金もおろしておこう。3万あればいけるかな?
兄貴のキャッシュカードを預かるようになってから、大分貯金も出来てきたしね。
兄貴、医学書や酒を買いまくってたからな、それまで。
僕はATMでお金を下ろしたんだけど、あれ? 大分少なくなってんな?
兄貴……クリスマスプレゼント、すげえの買ったな、これは。嫌な予感がするよ。
そこまでしなくていいのになあ。
よーし、あとは沢山買い物するぞ!
ローストチキンの材料に、チーズフォンデュの材料に、クリスマスはお金が掛かるね。
しかも兄貴が作るから拘りそうだし、色々揃えておかなきゃ。
なるべく安くて、かつ美味しそうな食材を、僕はカゴに入れていく。
瀬尾家の分も、吟味しながら入れてって。
亜美も確かシフォンケーキ焼くって言ってたな。その材料も、っと。
兄貴もケーキ焼くかな? 一般的なケーキの材料も入れておこう。
ふー、こんなもんかな。さ、レジに行こう。
朝からだと混んでるなあ。セルフレジも大分並んでる。
まだかな、まだかな、まだかな。よし、開いた!
うわあ、普段と比べたらやっぱり高くなるなあ。こればっかりは仕方ないね。
でもその分、楽しいパーティーになるといいな。
よし、2万円に抑えたぞ。頑張ったぞ!
僕は一旦我が家に帰って、パーティーの食材をしまった。冷蔵庫、パンパンだなあ。
さ、早く瀬尾家の皆さんに朝ご飯作らなきゃ。
僕は瀬尾家に戻った。
瀬尾家に戻ると、お腹を空かせた海里が、僕の帰りを待ち侘びている。
「信次ー。腹減った!!」
「ちょうど、ご飯炊けたところだから、すぐ作るね」
「早くしてよ。ゴホゴホ」
今は9時25分。僕、買い物早いからね。
卵を割って溶いて、ご飯を鍋に盛って、水を入れて、塩で味付けして、沸騰させて、卵をサーって入れて、ネギを散らして完成!
「海里ー。出来たよー」
「待ってました!」
まずはお腹を空かせた海里に、卵粥を持っていく。
卵粥を海里に渡すと、海里はハフハフしながら卵粥を食べるのであった。
「うおお、美味え。ゴホゴホ」
「ご飯食べたら薬飲むんだよ」
「おう! ゴホゴホ」
海里、まだ咳が辛そうだなあ。
まだ扁桃腺が腫れてるんだろうなあ。
薬でひいてくればいいんだけど……。
「後、机の上に宿題置いといたからね」
「おう、やらなきゃ」
「やるな、薬飲んで寝ろ!」
「ちぇー」
全く、隙あらば勉強しようとするからな。
僕はそんな海里に呆れながら、海里の部屋を後にした。
次は海里のお母さんに、卵粥を持っていく。
「海里のお母さん、卵粥ですよー」
「ああ、信ちゃんありがとね。調子悪くてもこれは食べられるんだよね」
「それなら良かったです」
今日も食欲はあるようで良かった。僕の卵粥が力になれたみたい。
「食べ終わったら、薬飲んでくださいね」
「うん、そうするよ。ありがとね」
少しずつだけど、元気になってきてるようでよかった。
次は、海里のお父さんだね。ドアをノックしても、また返事がなかったから、まだ寝てるみたいだね。
僕はそーっと入って、卵粥と薬を置いといた。
海里のお父さん病弱だし、悪化しないといいけど。
で、ここでやっと瀬尾家の分の買い物を冷蔵庫にしまう。
ふー、これくらいあれば瀬尾家も大丈夫だね。
灯さんと縁ちゃんは、今日から普通のご飯食べられるだろうしね。
ふー、やっとひと段落だね。
あ、兄貴に、灯さんと縁ちゃんをパーティーに招待した事、伝えなきゃ。
よし、ライム送ったぞ。一旦家に帰って、軽く昼寝でもしてから、勉強しようかなあ。
うー、立て続けに色々こなしたから疲れたなあ。
「じゃあ、僕一旦帰りますね。何かあったら、ライムで呼んでくださいね」
「はいよー、ありがとね。信ちゃん」
僕は家に帰って、手洗いうがいをしてすぐに、自分の部屋の布団にダイブした。
アラームかけて、11時には起きよう。
おやすみ、のば……ちょ、これはキモいから止めるって決めてたのに!
なんか言いたくなるんだよなあ。
◇
ーーライムラーイムララライムー♫
んん、ライムがめちゃくちゃ鳴ってるなあ。ふわあ、もうちょっと寝かせてよね。
って、もう14時?! ライムの主は、やっぱり海里か。
アラームに気づかないくらい熟睡しちゃってたよ。
ライム電話だったので、僕は眠たい目を擦りながら出る。
「信次、腹減ったよー!」
「ごめん海里、めちゃくちゃ寝てた。いまから行くね」
最近寝過ごす事が増えてきたなあ。
疲れが取りきれてないのかな。いよいよ僕も歳なのか。
や、兄貴は35歳でも頑張ってるし、言い訳にしちゃダメだぞ。
僕は駆け足で瀬尾家に向かった。
「すみません、寝ちゃってました。今からご飯つくりますね」
「俺、梅干し粥ー」
「私は卵粥」
「俺は鰹節粥だな」
「私、野菜炒めがいいな」
ん? なんか1人多い気がする。誰だ?!
「やっほー信ちゃん。私も手伝うよ」
「灯さん! 途中で帰れたんですね」
「家族を放っては置けないからね。帰らせて貰ったよ」
「じゃあ、お手伝い頼みますね」
「信ちゃん、いい加減私に敬語使わなくていいよ。灯って呼んで」
「確かに付き合いも長いしなあ。宜しくね」
という訳で、僕は灯と手分けして、昼ご飯を作り始める。
僕は卵粥と野菜炒めで、灯はそれ以外のお粥。
海里のお母さんは普段正社員でガッツリ働いてるから、ご飯は灯がほぼ作っている。
海里手伝えよ、って話なんだけど、ね。
よし、卵粥は出来たから、海里のお母さんに届いてこよう。
「信次ー、まだー?」
「海里のはまだー」
「腹減ったああああ」
でも食欲があるのは良い事だね。早めに治すんだぞー、海里。
僕は海里のお母さんに、卵粥を渡す。
「お待たせしました。卵粥です」
「寝てたのにすまないねえ信ちゃん。ありがたくいただくよ」
「いえ、寝坊してごめんなさい」
「それだけ疲れてたんだよ、仕方ないよ」
「すみません。薬、ここに置いときますね」
海里のお母さん優しいなあ。僕を気遣ってくれてるや。
ますます寝坊した自分が情けなくなるよ。
キッチンに戻ると、灯も海里のお父さんの鰹節粥を完成させていた。
「あ、信ちゃん。お父さんに持ってって」
「了解!」
僕は海里のお父さんの部屋に入って、鰹節粥をお届けした。
「お待たせしました」
「ありがとな、信ちゃん。起こしちまって悪かったな」
「いえいえ、寝坊してごめんなさい」
「ご飯作り終わったら、ちょっと休んでいけよ」
「お気遣いありがとうございます。薬置いときますね」
「いつもすまないね。ありがとな」
海里のお父さんも優しいや。本当に寝坊してすみません。
キッチンに再び戻ると、海里の梅干し粥も出来上がっていた。
「じゃあ、バ海里のは私が持ってくね。あいつ、空気読まない事言いそうだし」
「海里、お母さんもお父さんも優しいのに、あいつだけ空気読めないからなあ」
「瀬尾家の七不思議よ、うん」
そう言いながら、灯は海里の部屋へお粥を運んで行った。
後は野菜炒めだね。灯は病み上がりだから、ビタミン多めの野菜を使って、と。
で、切ったら一気に炒める。塩胡椒で味付けして完成っと!
「ふー、バ海里、ねえちゃん作かよって文句言ってきたわ。あんにゃろう」
「相変わらずだね、海里」
「あー、でもそんな事より、野菜炒め美味しそう!」
「遅くなったけど、お昼にしよ」
僕は野菜炒めとご飯を食卓に運ぶ。僕のお昼も亜美のお弁当があるしね。
「「いただきまーす」」
「うん、信ちゃんの野菜炒め美味しい!」
「それなら良かった。病み上がりだし、栄養しっかり摂ってね」
喜んで貰えて良かった。そんで、亜美のお弁当は今日も美味しいや。
「お弁当は京平さん作?」
「や、亜美……ねえちゃんが作ってくれたよ」
「亜美さん、病院で初めて会ったけど、優しそうな人だったよね」
「亜美、コミュ障で友達少ないから、仲良くしてくれると嬉しいな」
「今日話しかけてみよっと!」
灯と亜美は歳も近いし、良い友達になれたらいいな。
こうやって灯を見てると、亜美のが年上だとは思えないんだけどね。しっかりしてるもんなあ、灯。
「ごちそうさま。ごめんね、まだちょっと眠いからまた寝に帰るね」
「あ、それならうちで寝てきなよ。私起こすし」
「でも寝る場所が」
「私の布団使って。私、洗い物とか洗濯するし」
「じゃあ、お言葉に甘えよっかな」
そんな訳で僕は灯の部屋で寝る事にした。疲れてたし、1人で寝るとまた寝坊しちゃうから助かるなあ。
「ふわあ、おやすみ、灯」
「おやすみ、信ちゃん」
疲れていた僕は、緊張もなんのその。すぐにぐっすり眠るのであった。
「信ちゃんの寝顔、かわいいな」
信次「すやすや」
亜美「最近信次疲れてるよね。心配だなあ」
京平「それでも看病しにいくもんな。頑張るよな」
海里「ねえちゃんの梅干し粥普通ー。信次の食いたかった!」
灯「黙れ、空気読めないバ海里」




