パーティーの計画
「うーん、何をプレゼントしたらいいかなあ」
「どうしたん? 亜美」
「そうですわよ、凄く真顔ですわよ?」
2人へのプレゼントに悩んでいたら、蓮とのばらが気にして話しかけてくれた。
京平のお陰で息切れもしてないし、こういう時間も取れたのはありがたいね。
当の京平は、机にべたーんってなってるけど。
個人的にはこれで貸し借り無しでもいいんだけどな。
「もうすぐクリスマスでしょ? 京平と信次へのプレゼントどうしようかな、って」
「あ、毎年家族でプレゼントし合ってるのですの? 素敵ですわね」
「うん、私のは要らないよって言ってるのに、2人とも毎回用意してくれるんだよね」
「仲良いよな、亜美んち」
毎年のことだけど、毎回悩むんだよなあ。
私のセンスの無さもあるから、そういうものは避けなきゃだから余計に。
「な、俺達もプレゼント交換とかしね? 朱音と友も誘ってさ」
「えええ?! また迷うじゃん!」
「大丈夫、互いに一個準備するだけ。しかも誰にそのプレゼントがいくか解らんやつ」
「それなら何でもいいですものね。のばらも乗りますわ」
「それならいっか!」
「プレゼント交換がなんだって?」
あ、さっきまで机でべたーんとなってた京平が起きてきた。大丈夫なのかな?
「あ、深川先生も入ります? クリスマスに皆でプレゼント交換しようって話してたんですの」
「いいけど、皆の出勤合うのか? 俺と亜美は、クリスマス休みだぞ」
「俺は逆にクリスマスイブが休みだわ」
「のばらもイブが休みですし、朱音と日比野くんはどうなのかしら?」
あら、皆クリスマス近辺で休みなんだね。
更にここに、友くんと朱音も加わったらどうなるんだろ?
「グループライム作ればいいんじゃね?」
「それだ! 俺皆のライム知ってるから、俺がグループ作るぜ」
「出勤が合う日があれば良いですわね」
「あ、信次くんも誘うのですわ」
「俺だけおっさんなの心細いから、麻生と愛さん誘お」
「ますます出勤合う日が無くなるやつ!」
うわあ、かなり大人数なプレゼント交換になりそう。
やるとしたら休憩室かなあ?
そう思っていたら、京平が良い提案をしてくれた。
「皆早番だったら、家でもいいよな? 亜美」
「そうだね、広さはそれなりにあるもんね」
「これで料理ができるぜ!」
あ、やっぱ京平、料理したかったんだね。
京平のお弁当作り無くなっちゃったし、かなり残念がってたもんね。
「なんかプチパーティーって感じだな」
「楽しみになってきましたわ」
こういう友達とのパーティーって、私初めてなんだよな。あああ緊張してきた。
「皆さん、看護師ミーティングを行います」
「あ、もうそんな時間か!」
◇
そんなこんなで、休憩時間になった。
京平とは、休憩室で待ち合わせをしている。
すると、のばらが私に話し掛けてきた。
「亜美、日曜日空いてまして?」
「うん、休みだよ? どうしたの?」
「一緒にクリスマスプレゼント買いに行きましょ。深川先生のと信次くんのも見繕って差し上げますわ」
「本当?! それはありがたい」
「じゃあ、12時くらいに亜美の家に行きますわね」
と、ここまで話した所で、京平もやって来た。
「深川先生、お疲れ様ですわ」
「お疲れ、京平」
「2人ともお疲れ。あー。肩凝った」
「今日は診察の日だもんね」
朝は、京平にとっては嫌な事もあったし、余計に疲れちゃったのかもね。
まあ、私も京平の面倒臭さによって、若干疲れてはいるけども。心が。
「お弁当食べたら、肩揉んであげるね」
「や、今日はいいよ。亜美疲れてるじゃん。俺のせいだな……」
「あら、深川先生、亜美に何したの?」
「や、俺が不機嫌すぎて、亜美に八つ当たりしちゃって」
あ、のばらの顔が段々と怖くなってきた。
「きー! 許せませんわ! よくも可愛い亜美に! のばらパンチですわ!!!」
「正直全然痛くないけど、全面的に俺が悪いから罰は受けるよ」
「疲れた理由はそうなんだけど、誰だってそう言う日はあるよ。私、怒ってないし、のばらも許してあげて。京平も気にしないで。ね?」
寧ろ八つ当たりで良かった、って言うのが本音。
本心だと思ったから、泣いちゃったくらいだもん。
ちゃんと冷静になって、いつものありがとうもくれたし、ね。
「全く、35歳の癖に子供ですわね。深川先生」
「深く反省しています。ガキ過ぎました」
「だからもう良いから。お弁当食べよ」
「亜美がそう言うなら、のばらからはもう何もいいませんわ」
「改めて、ごめんな。亜美」
「いいよ。はい、この話は終わり!」
私は話をぶった斬って、強引に終わらせた。
やっぱり京平が悪く言われちゃうのは良い気がしないしね。悪い事したにしても。
「「「いただきます」」」
「あ、この唐揚げ懐かしいな。亜美の運動会以来かも、食べるの」
「ふと思い出して作ったんだ」
「あら、何かまぶされてますのね」
今回作ったのは、唐揚げの梅味と抹茶味と卵焼きと野菜炒めとブロッコリーとうずらを茹でたの。
うずら、染めたかったなあ。時間無くて断念したんだけど。
ご飯には、たらこでハートを描いてみたり。
「なんか気になりますわ。亜美、のばらのパン一口と唐揚げ交換して欲しいのですわ!」
「え、のばらパンだけなの?! 交換と言わず、普通にあげるよ。はい、あーん」
「あーん。もしゃもしゃ。変わり種だけど、美味しいのですわ!」
「元々は俺が考案した唐揚げだけど、亜美のが美味しいかも。なんか悔しい」
「喜んで貰えて良かった」
良かったあ。信次はこれ、覚えてるかなあ。
実は京平が私の運動会で作ってくれてから、こっそり何度か作って練習してたんだよね。
遂にその成果を発揮出来て良かった。
ここまでくるのに10年掛かったのは内緒だけど。
「思い出の味なのですわね」
「運動会は嫌いだったけど、お弁当タイムは好きだったなあ。京平と信次に会えたから」
「とか言って、亜美はクラスに合流せず、ずっと俺達のところにいた気が」
「しー、それは内緒だったの!」
「ふふ、なんか亜美らしいですわね」
もー、友達が多いだろうのばらには、ぼっちだった過去はバレたくなかったのに!
「やっぱり、引いたよね?」
「いえ、寧ろ予想通りだったのですわ。亜美、コミュ障ですものね」
「うぐ、お見通しだったんだね」
「亜美の事ですもの」
うー、既に見抜かれてたみたい。
私、そんなに解り易いのかなあ?
うう。過去の話やらなんやらもしたから、余計に疲れた。もう寝ちゃお。
「あー、疲れちゃった。おやすみ」
「本当にごめんな亜美、おやすみ」
「帰ったら、亜美の思うがままにされろですわ。深川先生」
「亜美、何を望むんだろうな? そう言ったら」
「早めのクリスマスプレゼントですわね」
「に、なると良いけどな」
そうだなあ、色々あるけど、一緒に居てくれたら何だっていいよ。
だって私は、深川京平を、誰よりも愛してるんだもん。
あ、京平。ポンポンしてくれてありがとね。
甘えさせてくれてるよね。いつも。
おやすみ、京平、のばら。
◇
「亜美、時間だぞ。起きれるか?」
「んん。京平、私、邪魔じゃないよね? むにゃむにゃ」
「夢の中の俺を殴りたいとこだけど、その前に亜美が起きないな」
「深川先生が精神的に亜美を疲れさせたからですわ!」
「間違いねえな、俺のせいだな」
「落ち込まないことよ、深川先生。亜美には、これですわ。こちょこちょこちょーですわ」
んん、何かこそばゆい。と言うか、くすぐったい。あああああ、ダメ、寝てらんない!
「あひゃひゃひゃー!!」
「ほら、起きましたわよ」
「何で亜美の弱点知ってるんだ、のばらさん」
「カマかけたら当たりましたわ」
「大変運が良い事で」
はあはあはあ、誰だ? 私をくすぐったのは!
あ、のばらか。めちゃめちゃ笑われてる!
「ごめんなさい亜美、くすぐりに弱いとは知りませんでしたわ。うふふ」
「もー! あ、でも良い時間。起こしてくれてありがとね」
「どういたしましてですわ。後、グループライム大分進んでますから、見るのですわよ」
のばらはそう言って、ひと足先に休憩室を後にした。
「もう時間ないから、ライムは帰ってから確認しような」
「そうするー」
「今日は誰の担当なんだ?」
「鈴木先生。今日は内科に入るんだって」
「そっか。お互い頑張ろうな」
「うん、頑張ろうね!」
まだ疲れは残ってるけど、頑張らなきゃ。
もうひと踏ん張りだぞ! 私!!
亜美「賑やかなパーティーになりそうだね」
信次「亜美に友達が出来て、本当に良かった」
京平「料理何作ろっかな。わくわく」
信次「プレゼント何にしようかな?」




