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天然で鈍感な男と私の話  作者: 九條リ音
生理的に無理な人
235/242

夜のネモフィラ畑

「京平、ゲートのとこで写真撮ろうよ」

「誰かにシャッター頼めないかなあ」


 ゲートは並んでいたんだけど、いよいよ私達の番。なんだけど、自撮りだと折角のゲートが写らないもんね。自撮り棒も持ってないし、スマホスタンドも無いし、誰かに頼まなきゃだ。

 と、私がヤキモキしてる間に、京平が声を掛けてくれていて、写真撮影してくれる人を早くも見つけていた。


「お願いします」

「あ、私達も後で撮ってくださいね」

「綺麗なゲートですもんね」


 ふむふむ。カップルさんかあ。そりゃこんなロマンティックな場所、彼氏と行きたくなるよね。

 私と京平は2人並んで、ピースして写真を撮ってもらう。あ、京平いつの間に私の後ろで、私をハグしてるや。もう! 人前だというのに!


「仲良いですね」

「あ、ありがとうございます。私も撮影しますね」


 私は撮影してくれたカップルさんを撮影したんだけど、カップルさん達も負けじとハグし合ってる。うわ、仲良すぎる。私も京平をハグすれば良かったかなあ。


「俺はハグして欲しかったぞ」

「もう、京平ってば。あ、撮れましたよ!」

「ありがとうございます。あ、涼ちゃん、あっちでも写真撮ろう!」


 そういうとカップルさん達は、足早に消えていく。

 私達もライトアップされたネモフィラを撮影しながら、この後どうしようかって話をする。


「そうだなあ、写真撮り終わったらご飯にしようか。店も探しておいたんだ」

「へえ、この近く?」

「は、あんまり店が無かったから、見晴らしの丘近くのレストランにしようかなって。久々に亜美と夜景見たいしな」


 そういえばなんだかんだ、見晴らしの丘は初デート以来行けてなかったんだよね。久々に京平と見る夜景も楽しみだな。


「でも、夜のネモフィラも綺麗だな。亜美と見られて良かった」

「私も京平と見られて幸せだよ。光に包まれてるみたい」

「前に、亜美と花畑で過ごす夢を見たんだけど、その時より楽しいよ」

「本物のが楽しいよね!」


 そっか、そんな夢を見たことがあったんだね。最近は京平も幸せな夢を見られてるみたいで、私も安心だよ。これからも幸せな夢を見て欲しいなあ。


「じゃあ、そろそろ行こうか」

「うん! どんなご飯かなあ」


 私達は手を繋いで、駅まで歩いていく。京平が探してくれたご飯屋さんに、見晴らしの丘の夜景に、まだまだ楽しいことがいっぱい待ってるね。

 ちょうど私達と同じタイミングで帰る人が多かったから電車は混み合っていたんだけど、しっかり眠った京平が、私を守ってくれたよ。うひゃあ、朝より混み合ってたから助かったよ。


「ありがとね、京平」

「ん、当たり前のことだから気にすんなよ」


 いつだって優しい。何度も何度も惚れ直してしまうよ。いつもいつも、嬉しいな。


「東京駅で、乗り換えだからな」

「そういえば見晴らしの丘って、最寄りの駅どこなの?」

「朝山丘駅だよ。見晴らしの丘って通称だからさ」

「へえ、そうだったんだね」


 そっか、あの山本来は、朝山丘って言うんだね。でも、秘密のルートを通らないと、綺麗な景色は見られない丘なのに、駅名にもなっているんだなあ。


「俺も詳しくは知らないけど、昔からある丘みたいだしな」

「地元の人にとっては、きっと大切な丘なんだろうね。勿論、私にとっても」

「俺にとっても、だな。両親との思い出の場所だし、何よりあの丘から亜美と付き合っている訳だし」

「そうだね。京平キスで伝えてくれたもんね」


 すると京平はかなり真っ赤な顔になって俯く。もー、今だに照れくさいんかい!

 そうだよね、好きとか愛してるとか言えない人が、精一杯の気持ちを込めた告白だっただろうしね。それに、私も嬉しかった。

 これからもずっと一緒に過ごそうね、京平。


 ◇


 そして私達は東京駅で乗り換えて、朝山丘駅に向かう。幸い、朝山丘駅まで向かう電車は空いていて、私達はのんびり座ることが出来た。


 あれ、なんだか眠たくなってきたなあ。1日外に居たもんね。疲れが溜まっていたんだね。  

 私は京平に寄りかかりながらも、なんとか眠気に耐えようとしたんだけど。


「亜美、着いたら起こすから寝てな?」

「だ、大丈夫だよ! 京平だって眠いでしょ?」

「顔が大丈夫じゃないから。大丈夫、俺は寝かせて貰ったしな」

「そう? それならちょっと寝ようかな、おやすみ」


 私が京平の肩で寝息を立てると、京平は私をポンポンして寝かしつけてくれた。とても安心するよ。ありがとね、京平。

 気付いたら私は、ぐっすり眠っていた。

 こんなに穏やかな気持ちで眠れるなんて、幸せだな。

京平「亜美の寝顔は、癒されるよ」

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