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天然で鈍感な男と私の話  作者: 九條リ音
生理的に無理な人
227/242

遊びに行く計画

「真、お弁当交換しよ?」

「じゃあ、肉巻きぽてと貰うだよ。美紀さんは何がいいだ?」

「じゃあ、煮物ちょーだい!」


 仲良しだなあ、美紀さんと真くん。今週から、シフトもバラバラになったんだけど、たまたま今日、4/23は一緒だったみたい。

 私と京平も一緒に食べてるけどね。

 後、今日は京平の指導日でもあるから、池林くんと小森さんもいるよ。

 皆でお弁当を食べていると。


「そうだ、今度皆で遊びに行きませんか?」

「うす?」

「おお、休みが合うならいいけど、どこに?」

「隣町の公園でBBQが出来るんですよ!」

「へえ、面白そうだね」

「それなら、車はおらが出すだよ」

「あとは司と、のばら先輩も呼びたいよね」


 こうして、皆でBBQに行くことが決まった。メンバーは、このメンバーに加えて、信次とのばらと東条くんと友も誘うことにした。

 真くんがレンタカーを借りて、皆をそれぞれ迎えに来てくれるとこまでは決まる。

 後は日付どうしようか、って話になったんだけど、ちょうど26日なら皆休み、もしくは休みが取れそうってことになって、急ではあるけど、26日にBBQが決まった。


「材料はおらと兄ちゃんと美紀さんで買ってから、皆を迎えにいくだよ」

「あれ、東条くんは一緒じゃなくて?」

「なんだか知らねえけども、美紀さんがそうしたいって言っただよ」

「だって司んち遠いからさ。私なら真の家に直で行けるしね」


 ほええ、美紀さん、日比野兄弟の家知ってるんだなあ。美紀さんの家は知らないけど、病院の近くなのかな?


「だったら私達は野菜を切らなきゃね。たまねぎは輪切りにして、ピーマンは半分でいいわよね? あ、あとゴミ袋も買ってきて欲しいな。とうもろこしも食べたいなあ。あ、焼きそばもいいかも!」

「うす」


 そして小森さんはよく喋るなあ。確かに買い出し行かなかった組で、野菜くらいは切らなきゃね。


「てか、4/26に決まったけど、公園の予約は大丈夫なのか? GW初日だぞ?」

「実は皆でBBQしたくて、何日か私が公園予約してたんです。26日もたまたま予約してました」

「お、美紀さん流石!」


 予定組む前から公園予約してたんかい! と、突っ込みたかったけど、それで助かったのはあるので、私は何も言えなかった。

 そう言えばもうすぐGWかあ。旅行に行く人も多そうだよね。

 私達は、26と27に連休があるくらいかな? 京平と一緒に過ごしたくて、休みを合わせたんだよね。27日には、久々にデート出来るかな?


「良いけどかなり混み合うぞ? 亜美」

「あ、それもそっかあ」

「GWは何処も混み合いますからね」

「でも、京平と遊びたいなあ」

「じゃ、どっか行こうか。良いところ探しとくよ」

「ありがとね、京平」


 はっ! 病院内なのに、普通にデートしたいって考えちゃったし、見抜かれたし、オッケーしてくれたし。でも、少し大人気(おとなげ)無かったかなあ。

 ま、いっか。26と27は楽しみで仕方ないよ!


「ふわあ、少し仮眠室で寝てくるよ」

「あ、私も行く!」

「皆と話してても良いんだぞ?」

「私が京平の傍に居たいの!」

「じゃ、お願いしようかな」


 京平、かなり眠たそうだったもんね。京平がゆっくり眠れますように。

 私達が仮眠室に入ると、麻生先生がかなり疲れ切った顔をして、ベッドに横たわっていた。

 盛大な寝息が、麻生先生の疲労度を表しているようだね。


「爆睡していらっしゃるね」

「夜通しで、さっきまで手術だったからな、麻生」


 因みに外科医は、個人毎に専用のベッドが用意されており、布団も疲れが取りやすいように、少し豪華な仕様みたい。

 加えて、寝やすいようにカーテンの仕切りも外科医のベッドにはあるんだけど、麻生先生は疲れすぎて、カーテンを閉める余裕も無かったみたいだね。

 改めて、外科医って大変なんだなあ。


「麻生先生は、次の勤務いつからなの?」

「夜勤に変更になった、って言ってたけど、多分このまま寝続けるんじゃないかな? 愛さんも診察終了後、付き添うみたいだし」

「ゆっくり眠れるといいね」


 私達はそんな麻生先生を横切って、空いているベッドに向かう。

 京平はベッドに潜り込むと、すぐに目をトロンとさせる。お疲れ様、京平。

 私はベッド横の椅子に座って、京平をポンポンする。


「やっぱ亜美と居ると落ち着くよ。おやすみ、亜美」

「おやすみ、京平」


 京平の穏やかな寝顔を見てると、安心するよ。私。


 ◇


 それからは京平の寝顔を見ながらポンポンし続けていたんだけど、京平のスマホのアラームが、けたたましく鳴き始める。


「うーん、よく寝た。ありがとな、亜美」

「よく眠れたなら良かった」

「午後からも指導頑張るよ」

「私も仕事頑張るぞ!」


 私達はグータッチを交わし、それぞれの仕事に戻っていく。こんな何気ない時間も大好きだよ。


 ふう、京平と離れるとやっぱり寂しいな。でも、仕事頑張らなきゃだね。

 今日の仕事は巡回業務。皆元気に退院出来るよう、サポートしていかなきゃね。


「片桐さん、ご飯食べられましたか?」

「ああ、時任さん。完食しましたよ」

「それなら良かったです。血糖値測りますね」

「あ、自分でやらせてください。覚えたいんです」


 片桐さんは20代前半の成人男性の方で、最近1型糖尿病が発覚し、数値が落ち着くまで入院ということになっている。

 治療にしっかり取り組んでくれているから、入院された当初よりも、数値も大分落ち着いてきたよ。

 うん、血糖値も170。もうすぐ退院出来そうだね。


「注射も慣れてきたんですよ」

「覚えが早いですねえ」

「だって生きるためですから」


 そうだね、生きる為に注射も血糖測定も、覚えて行かなきゃだもんね。


「解らないことがあったら、気軽に聞いてくださいね。私も、1型糖尿病なんです」

「へえ、時任さんもかあ」

「今はインスリンポンプなんですけど、2年前までは私も注射でしたしね」

「私も負けてられませんね」

「一緒に生きましょうね!」


 何気なく、そして違和感なく、私達は握手を交わすのであった。


 ◇


「んー、今日も頑張ったぞ。久々に残業だったけども」


 春先ということもあり、入院患者様の数も増え、巡回業務も時間掛かっちゃったよ。

 でも、皆少しずつ良くなってるから良かった。

 とは言え、もう21時かあ。遅くなる旨は家族には伝えてあるから、もう皆ご飯食べてるかな。ちょっと寂しいけど、ね。

 私が着替えていると、同じく残業だった美紀さんが、話しかけてくる。


「時任先輩、お疲れ様です。疲れましたねえ」

「昨日沢山の患者様が入院されたしね」

「深川先生も、時任先輩のことが心配だったのか、ちらちら見に来てましたよ。気付いてました?」

「え、嘘! 声掛けてくれればいいのに!」


 京平の意地悪! 私、京平に会えたら、元気貰えるのにさ! ぶー!


「仕方ないですよ。研修医を引き連れての、病棟見学でしたからね」

「ああ、そうだったんだね」

「挨拶があったんですけど、時任先輩はその時、患者様とお話中でしたしね」


 そっか。(せわ)しなく動いていたし、きっと心配させちゃったね。帰ったら大丈夫だよって、京平を抱きしめたいな。


「じゃあ、お疲れ様」

「お疲れ様です! 時任先輩」


 私が更衣室から出ると。


「亜美、迎えに来たよ」

「京平! もう21時なのに?」

「だからこそ。夜道だしさ」


 そう言うと京平は、私をお姫様抱っこする。ちょ。また何故急に。


「疲れた顔してるからさ。素直に抱かれときな」

「ありがとね、京平」


 京平の暖かい腕に抱かれた私は、気付いたらウトウトし出す。あ、これ寝ちゃうや。家まで5分なのにさ。

 まあいいや。今日は甘えちゃお。

 おやすみ、京平。


「寝てもいいけど、オムライスは食べて欲しいな」

「え、オムライス?! よっしゃあ! すやすや」

「なんだ、寝言かよ。可愛すぎるだろ」

京平「迎えに来てよかった」

亜美「すやすや、オムライスう」

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