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天然で鈍感な男と私の話  作者: 九條リ音
新しい季節
203/242

旅行の行き先は?

 それから数日の時が経ち、今日は3月16日の日曜日。久々に京平と休みが合ったし、嬉しいな。

 今日は旅行会社に行って、旅行の行き先を相談するんだ。どんなプランがあるんだろうな?

 ってことを、私は京平の腕の中で考えていた。先に目が覚めちゃったんだよね。

 京平はまだぐっすり眠ってる。疲れも溜まってるだろうし、まだ寝かせてあげたいな。


 そう言えば、以前から医師会合で話されていた昼の診察も4月から始まるみたい。

 ますます京平と休憩時間は合わなくなるけど、患者様の為だもんね。

 緊急外来の混み合いも、解消されますように。

 ん? 待てよ。京平はいつ休憩に行けるんだろう? 診察の時とか。

 今日無理しないように釘を刺しとかなきゃ!


 ううん。目覚めたんだけど、京平の腕の中はやっぱり安心するから、また眠たくなってきたや。

 私も京平を抱きしめて、もう一眠りしようかな?

 おやすみ、京平。

 私は京平にキスをして、眠りに着いた。


 ◇


 むにゃむにゃ、なんか身体が寂しい気がする。


「亜美、もう15時だぞ。そろそろ起きよ?」

「京平起きてたんだね。おはよ」

「おはよ、亜美」


 どうやら私も、京平が抱きしめてくれないと、ぐっすりとは眠れないみたいだね。

 遅番の時は、京平ふとんに包まって寝るしかないな? 本体は仕事行っちゃうもんね。

 

「早くご飯食べよ。信次とお父さんが作ってくれたからさ」

「お父さんに朝ご飯教えたのかな?」

「どうだろ? 俺もライムで見ただけだけど、教えてそうだよな」


 確かに携帯を見ると、家族ライムに信次から朝ご飯のことがライムで送られていた。


「そうか、今日信次とのばらもデートだもんね」

「遊園地に行くとか言ってたなあ。しばらくそういうとこ、行けなくなるだろうしな」


 4月から信次も医学生。遊ぶ暇はほとんどないだろうなあ。バイトも続けるしね。


「俺、ジェットコースター苦手だから、遊園地だとほぼ遊べないからなあ」

「あ、確かに。私達と乗ってくれた時も、重力の法則があああ! って、叫びまくってたもんね」

「流石にあの当時は亜美達も小さかったし、2人きりは危ないかなあ、と。怖かったぞ」


 小さいとは言っても、私は当時15歳だったから、信次の子守くらいは出来る年齢だったんだけどな? 信次だって10歳だったしね。

 京平から見たら、小さな私達だったのかもね。

 それとも怖いなりに、私達と一緒にジェットコースター乗りたかったのかな?


「ああ、それもあったな。亜美達と乗れば楽しいかな、って」

「これからは無茶しちゃダメだよ」

「なるべく気をつけるよ」

「なるべくじゃなくて、絶対ね!」


 そんなことを言いながら、私達は食卓に向かう。


「おはよう、亜美、京平」

「おはよ、お父さん」

「お父さんおはよー!」


 お父さんにおはようって挨拶した後、私は朝食を温めることにした。

えっと、冷蔵庫の中には、美味しそうなピザトーストとコールスローが2人分入っていた。

 お鍋の中にはコーンスープも入ってるや。

 私がピザトーストを温めてるうちに、京平もキッチンにやってきて、コーンスープを温めながらコーヒーを淹れてくれた。


「ありがとね、京平」

「亜美もピザトースト温めてくれてありがとな」

「あ、匂いで解った?」

「うん、この匂いも大好き」


 京平、ピザトースト大好きだもんね。信次とお父さんもいいメニュー作ってくれたなあ。


「お父さんも朝食作ってくれてありがとね」

「美味しく食べてくれたら嬉しいな」

「食べるの楽しみだぞ」


 私達は温まった朝食とコーヒーを並べて、2人で朝食を食べ始めた。あーん。


「ピザトーストのソースとチーズが、野菜と絡み合ってとても美味しいよ。ソースの味、いつもと違うけど、お父さんも手伝ったのかな?」

「おう、なんなら信次に教わりながら、父さんが全部作ったぞ」

「え、1人で? 凄いなあ」

「お父さんのピザトーストめちゃ美味えよ」

「京平もありがとな」


 日に日にお父さんの料理スキルが上がっていくなあ。

 カツ丼が出来たなら揚げ物は出来るだろうし、オムライスが出来たなら炒飯も出来るよね。

 そして今日はピザトースト。生地さえ覚えたら、ピザも出来るもんね。

 こうやってお父さんは、色々覚えていくんだろうなあ。

 

「信次も4月から大変だろうから、私もサポートしたくて教えて貰ってるんだ。京平もまた教えてくれよ?」

「おう、次は何にしようかな?」


 そうだよね。4月からは、私が早番の時なら手伝えるけど、そうじゃない時は京平しかやる人が居なくなっちゃうもんね。

 そんな京平だって、いつ元の勤務に戻るか解らないし、お父さんの助けがあるとしたらありがたいな。


「今日は旅行先を決めるんだって? 良いところが見つかるといいな」

「うん、プラン見るの凄く楽しみ!」

「亜美と楽しめる場所ならいいな」


 正直何処に行きたいかは全然決まってないけど、京平と一緒なら何処でも楽しいから大丈夫。

 色んなところを一緒に見たり、楽しんだり。美味しいものを一緒に食べたり。温泉にも一緒に入れたらいいなあ。


「楽しみだなあ。むしゃむしゃ」

「あ、こら亜美。食べながら喋るんじゃないの」


 ◇


「「いってきまーす」」

「いってらっしゃい」


 早速私達は手を繋いで、駅まで歩いていく。今日は区内の旅行代理店に行くからだ。

 近場じゃないデートも久しぶりだよね、そう言えば。

 京平と一緒ならどこでも楽しいから、今まで気にしてなかったなあ。

 なんならシフトの都合で、中々デートも出来てないしね。4月からはどうなるんだろう?


「来年度、内科に看護師は3人入るみたいだぞ。だいぶ楽になるな」

「そんなに入るのかあ。朱音も指導大変だろうなあ」

「看護師はすぐ現場だもんな。佐藤さんも大変だな」


 内科に3人も来るってことは、全体的に看護師が多かったのかな。仲良くなれるといいなあ。

 友のおかげで内科の同期とは皆仲良くなれたけど、後輩となればどうなんだろうなあ。


「ねえ、京平。後輩と仲良くするにはどうしたらいいんだろう?」

「亜美は普通通りでいいんだよ。それで亜美の良さが解らないやつがおかしいんだから」

「理解される努力は必要だと思うんだけどな」


 京平私に甘いよなあ。専門学校までそのスタンスでいたから、友達ほとんど出来なかったんだけどな?

 少なくとも、話しかける努力はしなきゃ!


「空回りしないようにな」


 京平は優しく私の頭をポンポンしてくれた。

 そっか、空回りしないかどうかも心配してくれていたんだね。ありがとね。


「うん、無理はしないようにするね」


 そんな話をしている内に駅に着いた。


「シイカのチャージ大丈夫?」

「前一万ぶち込んだから大丈夫。亜美は?」

「私も今日の分くらいはあるよ」

「それなら良かった。手を離さなくていいもんな」

「もう、どうせ私のチャージ中も、手を離さない癖に」

「あ、バレたか」


 んもう、その笑顔は反則だぞ。愛しすぎて胸が高鳴るよ。絶対私、顔真っ赤だよ。

 日に日に京平が愛しくなっていく。


 私達は改札を抜けて、電車に乗りこんだ。

 電車は日曜日ということもあり、かなり混み合ってる。皆区内で降りるんだろうなあ。

 そして、いつも通り、私は京平に守られている。


「亜美、キツくないか?」

「うん、私は大丈夫だよ。だから京平も、無理しないで」

「はは、俺は大丈夫だよ」


 そうやって京平はいつも無理をする。私を守ろうといつも必死になって。優しすぎるよ。

 京平の優しさに、今日も助けられているなあ。

 いつもありがとね、京平。これからも傍に居させてね。

 

「そうそう、亜美は笑ってくれるだけでいいんだよ。そしたら俺、頑張れるから」

「私、守られてばかりじゃん」

「当たり前だろ。俺が守りたいんだから」


 こんな京平だから、一緒にいると安心するんだろうな。落ち着くんだろうな。

 愛してるよ、京平。

 バカ、今凄く抱きしめたくなってきてる。満員電車の中で、そんなこと出来る訳ないのに。

 理性が吹き飛ばないように気をつけなきゃ。

 最近度々飛びそうになるから、危ないんだよ。


「この後、漫画喫茶に行くか?」

「大丈夫、我慢する。旅行決めなきゃだし」

「旅行選び終わったら、まったりしような」

「それは、嬉しいかも」


 京平め、また見抜いてきて。いや、今日はいつにも増して見抜かれているか。

 私の心の奥の気持ちを、いつだって受け止めてくれるもんね。

 愛してるが、どんどん昂っていくよ。


「いつもありがとね、京平」

「頑張りすぎるなよ、亜美」

「京平の優しさに、いつも助けられてるよ」


 ◇


「さーて、旅行代理店は徒歩6分くらいか」


 私達はまた手を繋いで、旅行代理店まで向かう。


「私、一緒に温泉入りたいな」

「だとしたら、ちょっとお金足して近場がいいかな。宿代が高くなるだろうからな」

「温泉付きって、高くなるんだね」

「麻生と旅行行った時も温泉付きの部屋にしたんだけど、まあまあしたからな」


 お、京平、麻生先生と旅行に行ったことがあるのかあ。

 男2人旅ってのも、なんかいいね。

 私達も大きくなったし、たまにはまた2人で旅行したり、ご飯いったり楽しんで欲しいな。


「俺の時間は、亜美に使いたいよ。亜美が居ないと眠れないし」

「私との時間を大切にしてくれてありがとね」

「亜美が居心地良いんだよ」


 嬉しいな。京平も私のこと、頼ってくれてるんだ。

 これからもいっぱい支えていきたいな。


「一緒に生きていこうね」

「うん、離さないからな」


 そんな話をしていたら、徒歩6分はあっという間に過ぎ去って、旅行代理店に辿り着いた。

 旅行代理店も日曜日ということで、待ち時間が発生していた。

 私達は順番待ちの番号表を発行して、順番になるまで待つことにした。


「皆GWの旅行の打ち合わせに来てるのかな?」

「俺達は平日だから、宿の空きは大丈夫だろうけどな」

「良いプランがあるといいね」


 信次が少ないお小遣いを、私達の為に使ってくれたんだもん。めいっぱい楽しみたいな。

 私は近くのパンフレットを眺めながら思う。

 えっと、客室温泉があるプランで、なるべく予算内で収まるところ、あるかなあ。


「静岡なら隣だし、富士山もあるから良いんじゃないか?」

「そうだね。旅費は安く済むもんね。その分、宿をこだわって」

「後は遊べるとこだよなあ」


 私は静岡のパンフレットを取って、まじまじと眺める。

 静岡といえば、観光地の熱海という手もあるし、富士山もあるよね。他にはどんな場所があるかな?

 私はパンフレットを(おもむ)ろにめくる。

 すると、私の目に、凄く可愛らしい生き物が映り込む。


「お、掛川花鳥園か。行ったことはないけど、沢山の鳥と花が見れるみたいだな」

「鳥さん可愛い」

「鳥とのふれあいコーナーもあるみたいだぞ」

「おお、楽しそうだよお」

「行く場所、ここにしようか?」

「うん、行きたい!」


 こうしてパンフレットを2人で見ながら、行き先は確定した。

 パンフレットの鳥さん、すごい可愛かったし、ふれあいコーナーもあるみたいだし、楽しみが増してきたよ。

 後はお宿が決まれば完璧だね。


「良いお宿が見つけられたらいいね」

「だな、楽しみ」


 そして遂に、私達の順番が回って来た。

亜美「鳥さん可愛い」

京平「お、ペンギンもいるのかあ」

作者「あと、エミューもいるぞい」

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