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天然で鈍感な男と私の話  作者: 九條リ音
お誕生日会
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誕生日会はまだまだ続く

「亜美、そろそろ起きな」

「ふわあ、おはよ。京平……って、膝枕してくれたの?」

「亜美を1人にしたくなくて」


 素敵な誕生日プレゼントをありがとう。普段こんなこと出来ないから嬉しいよ。


「ケーキ切り分けてあるから、一緒に食べよ」

「わーい! 嬉しいな」


 私はむくりと起き上がって、食卓に座る。

 あちゃあ、インスリン多めに打ったのに、血糖値高いなあ。

 結局全種類食べちゃったしなあ。明らかに食べ過ぎたよ。

 今からケーキ食べるし、追加で打っとかなきゃ。


「はい、亜美」

「ありがとね、京平」


 私は京平からケーキを受け取った。生クリームケーキも、フルーツタルトも美味しそう!


「「いただきます」」

「ケーキめちゃくちゃ美味しいよ! 生クリームにフレッシュな苺に、ふわふわなスポンジに」

「おら亜美、口にケーキ付いてるぞ」

「え、どこ?」

「ここ」


 京平は私の口に付いてたケーキを手で掬って、そのままペロリと食べた。


「ん、美味しい」

「もう、照れるなあ」

「可愛いからいいじゃん」


 もー、京平ってば!

 さっきからドキドキしっぱなしだよ。

 膝枕から今までというね。こんな時間も、すきですきでたまらないよ。


「甘酸っぱいな」

「ん、タルトが?」

「そういうことにしとくね」


 ◇


 私達がケーキを食べ終わった頃、信次達もお風呂から出てきたので、お待ちかねのプレゼント開封の儀を行うよん。


「亜美、おめでとうございますわ」

「のばらもおめでとね」


 まずはのばらとプレゼント交換を行う。


「どれどれ。あ、カーディガンだ。可愛い」

「まだまだ寒いから普段使い出来るのですわ」

「編んでくれてたんだね。ありがとね」


 のばらは、カーディガンを手編みしてくれた。

 小さい花模様まで入ってて、凄く可愛いよ。


「亜美のは何かしら? あら、バレッタですわ。種類も沢山ありますわ。いつも髪は結んでいますから、変化を楽しめますわ」

「のばらなら似合うと思ってさ」

「ありがとうございますわ」


 と、2人でのプレゼント交換が終わった後に目の前を見ると、ドサドサとプレゼントが積まれていた。

 皆準備してくれたんだなあ、嬉しいなあ。


「えっと、これは?」

「あ、僕のだね。開けてみて」

「どれどれ。あ、うさぎのタオルだ。可愛い」

「亜美、最近走ってるしね」


 信次はよくうさぎ柄の物をくれるんだよね。

 信次曰く、うさぎを見ると私を思い出すんだって。どういうこっちゃ!


「のばらも開けますわ。あら、これは?」

「ああ、私からだよ。のばらさんの髪は綺麗だから、シャンプーとコンディショナーにしたよ」

「これ、美容院で使う高級品ですわ。有難うございますわ。亜美、一緒に使うのですわ」

「わーい、ありがとね」


 確かにのばらの金髪は凄く綺麗だもんね。

 天然パーマらしいけど、ふわふわ具合も素敵だし。


「私もお父さんの開けよっと。これだよね?」

「うむ、それだぞ」

「うわあ、メイクセットだ。これ、結構良いお値段するブランドじゃん」

「亜美は瞳が綺麗だからな」


 これは普段使い出来ないけど、京平とデートする時に使おうっと。

 少しは可愛くなれるかな?


「これは誰のかしら?」

「あ、俺だね。なんだろうな?」

「あ、シャワーヘッドですわ。ウルトラファインバブルの。ちょうど欲しかったんですの」

「うちの普通のだったし、のばらさんそういうの気にするかなあって」

「有難うございますわ。皆で使いましょうね」


 ほええ、身体に良いのかな?

 私は全く気にした事なかったや。


「私のラストは京平のだね」

「開けてごらん」

「あ、ネックレスだ。ネックレス貰ったことなかったから嬉しいな」

「彼女へのプレゼントだし、身につけるものがいいかなって」

「ありがとね、京平。愛してる」


 私は思わず京平を抱きしめた。愛しさがもう振り切ってるよ。愛してる。


「亜美ったら、仲の良いこと。のばらのは信次ので最後ですわね」

「なんだろうね?」

「可愛い、ブレスレットですわ。前もらったネックレスと同じブランドですわね」

「僕の受験が終わったら、身に付けてデートして欲しいな」

「勿論ですわ。信次、愛してますわ」


 のばらも信次を抱きしめた。うんうん、愛しさが募るとそうなるよなあ。


「あ、亜美達は今からお風呂ですわね。シャワーヘッド付けて来ますわ」

「え、それはのばらへのプレゼントだし、のばらが1番に使った方がいいんじゃ?」

「いいんですの。これから沢山使えますわ。感想聞かせてくださいまし。シャンプーも置いて来ますわ」


 のばら優しいなあ。普通なら自分が1番に使いたがるだろうに。

 ありがたく使わせてもらうね。


「付け終わりましたわよ」

「じゃ、風呂入ろっか」

「うん!」


 私は意気揚々とお風呂に向かった。

 シャワーヘッドが変わると、何が変わるのかなあ?

 シャンプーとコンディショナーも良いやつだし、楽しみだなあ。


「のばらさんへのプレゼントだけど、亜美もテンション高いな」

「のばらが欲しがるくらいだし、凄く良いやつなのかなって」

「肌への負担が減らせるらしいぞ」

「負担が減るとどうなるんだろうなあ」

「ツッパリ感が無くなるとは書いてあったなあ」


 のばらはそんなことまで気にしてたのか。

 私は全く気にしたことなかったよ。

 信次と婚約したことで、より気にするようになったのかな?

 のばらの肌、そうでなくても綺麗なのになあ。


「さ、はいろ」

「楽しみ!」


 それからは京平に背中を流して貰って、シャワーヘッドも早速使ってみたんだけど、肌がなんかもちもちになったよ。

 ついでに京平も、もちもちさせてみたよ。

 シャンプーも無茶苦茶良くて、指通りが滑らかな髪になったよ。

 とは言っても、短い髪の毛なんだけどさ。中々伸びないなあ。


「シャンプー、良い香りだなあ」

「ね、アプリコットの匂いがいい感じだよ」

「と、次はコンディショナーと」


 コンディショナーも髪に潤いを与えてくれて、より髪の毛が綺麗になったよ。

 

「亜美の髪の毛、癖っ毛なのに纏まったぞ」

「流石。むちゃ良いシャンプーとコンディショナー」


 それからは2人でお風呂に入って、まったり話し合ったよ。


「亜美が生まれて22年かあ。一緒に過ごしてる期間のが、もう長いよな」

「これからもずっと一緒にいてね。京平」

「当たり前だろ」


 京平はギュッと私を抱きしめてくれた。

 京平の胸の中、すごくすきだよ。癒されるから。


「ダメだな、抑えようとしてんのに抑えられないや」


 京平は私を抱きしめたまま、キスをする。深く、深く。

 私はそのままの姿で、京平のキスに溶かされていく。

 京平、愛してるよ。世界中の誰よりも。


「本当弱いな、俺」

「弱くたっていいよ。いつでも傍にいるから」

「亜美……ありがとな」

「私の前では強がらないでね」


 ずっとずっと、京平を支えるからね。

 だから、無理しないでね。

 辛い時は、いつだって泣いていいんだからね。


「亜美がいてくれて良かった」


 って、思った側から泣いてるし。

 もう、泣き虫さん。愛してるよ。


 ◇


「ういー、のぼせた」

「かなり長い間、抱きしめあってたしね」

「離したくなかったんだもん」

「もう、照れるじゃん」

「先、部屋行ってるな。横になってる」

「私もいくよ、肩貸したげる」


 私は慌てて着替えて、京平を肩で抱えた。

 リビングにはもう誰もいなくて、皆部屋に戻ったみたい。

 寝るの早いなあ、皆。

 京平は部屋に戻ると、タオルを布団に敷いて真っ裸で布団に転がった。

 のぼせてるからか、呼吸も荒く、顔も熱っていた。

 私はそんな京平を、うさぎの団扇で扇ぎながら見つめていた。

 

「はあはあ。亜美、ありがとな」

「ううん、私も乗っちゃってごめんね」


 お風呂でまったりは良く無いよって、言えば良かったな。

 まあ、私も私を止められなかったんだけどね。


「ふー、少し落ち着いて来たよ」

「それなら良かった」


 すると京平は、私を抱きしめて来た。


「やっぱ亜美を抱きしめてる時が、1番安心する」


 本来なら着替えなさい! って、注意しなきゃなんだろうけど、少し濡れて汗ばんだ京平が凄く愛おしくて、私は京平の腕の中で溶けてしまった。


「ずるいよ、京平」

「ん、何が?」

「こんなん、拒めるわけないじゃん」


 すると京平は、悪戯っ子のように笑った。

 本当、敵わないなあ。


「愛しすぎるよ」

「ずっと傍にいろよ」

「当たり前でしょ」


 私達は抱きしめあって、キスをして、お互い思うままに愛をぶつけた。

 愛しくて仕方がない。常に私は、京平に見惚れているから。

 どんな時も、その端正な顔立ちで癒してくれる。

 それがクシャってなる時も、勿論愛しい。

 崩した顔を見せるのは、私だけにしてよね?


 私達はそのまま抱きしめあって眠りに着いた。

 世界で1番愛してる京平と、これからも一緒にいられますように。

作者「良い夢見るんだぞ。2人とも」

信次「んー、パーティの準備疲れたあ」

のばら「お疲れ様ですわ、信次」

信次「抱きしめて欲しいな?」

のばら「勿論ですわ」

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