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*完結* COYOTE   作者: terra.
Waning Crescent
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9




 急な兄の友人の集まりに、ソニアは食い入る。彼等に会うのは初めてではないが、ブルース以外の2人とは殆ど話した事がなく、つい、細かく目を這わせてしまう。

 その視線を捕まえたレイデンは、匂いの出所を嗅ぎつけた様にソニアの前に座ると、コーンフレークの箱を取った。




 一方、3人の間では、また同じ話になっている。誰よりも冷静に聞くジェイソンは、イベントには出られると言い放つブルースに待ったをかけ、直前に判断すると跳ね除けた。



「彼がリーダーなんだ」



 咀嚼音が混じるソニアの呟きに、レイデンは箱を置く。シンプルに砂糖がまぶされたコーンフレークと、プレーンのものとが2箱並んでいるのを眺めてから、彼女の器に半分浸るオレオを摘んだ。どうやら今は2杯目の様で、ソニアは、カットしたイチゴと、好物のクッキーを混ぜて食べていた。




 ソニアはレイデンを前に黙り込む。今も、不意に器に飛び込んできた彼の左手に目を見開き、彼の口の中に消えたオレオを見届けたまま固まっていた。

 レイデンは彼女を平然と見つめながら、微風で目にかかった前髪を耳にかける。家を飛び出したため、髪のハーフアップは少し粗い。



「朝飯にこだわりがあんだとなぁ、シスター」



「……そうよ。週末はシリアルかコーンフレーク。最初はハニーミルクでシンプルに食べるの。だから砂糖がついてないやつ。締めは、好物ばかり」



 兄に似て甘党かと、レイデンは鼻で笑う。その間も、ソニアを隈なく見つめていた。ソニアは、彼の手元から視線を逸らすと、少量のコーンフレークを掬い、静かに食べる。



「凄いお客の量……あんたいつの間に連絡したの?」



 戻ったキャシーは皆に、心配をかけたと言いながら、爽やかに挨拶を交わした。中でもブルースとは知り合って長く、話が弾んだ。だがジェイソンとレイデンは初対面であり、アクセルは姉に2人を紹介する。

 集まりの発端がレイラだと知ったキャシーは、礼を言っておくよう弟に言い残すと、洗濯物を干しに庭の奥へ向かった。それを手伝おうと、母が再び姿を見せる。そんないつもの何気ない時間を見れば見る程、昨夜の出来事が嘘に思えた。



「レイラと病院で会えたんでしょ、お兄ちゃん」



 ソニアの一言に、ジェイソンは目を見開き、ブルースは興奮の叫びを上げると、アクセルは先を揺さぶられる。

 片や、いつもならば食いつくレイデンは、こだわりの食事を続けるソニアを静かに面白がっていた。









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サスペンスダークファンタジー


COYOTE


2025年8月下旬完結予定


Instagram・本サイト活動報告にて

投稿通知・作品画像宣伝中

インスタではプライベート投稿もしています

インスタサブアカウントでは

短編限定の「インスタ小説」も実施中


その他作品も含め

気が向きましたら是非




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― 新着の感想 ―
こんにちは&お疲れさまです( ・∀・)っ旦 ソニアとキャシーはレイデンとジェイソンとは殆ど初対面だったんですね! 兄と同じくあまとう名所にレイデンも思わず笑ってしまったところは、とても微笑ましい場面の…
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