表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
*完結* COYOTE   作者: terra.
Harvest Moon
17/184

15




 午前の授業が終わり、ブルースの車で行きつけの外食先に向かう。




 車内は、新曲作りの進捗の話題で持ちきりだ。主に作詞をしているアクセルが、恋愛ものになりそうだと話す。と、レイデンに後部席から背中を蹴られ、咄嗟に睨み返した。だが、向けられる悪魔の様な笑みに、言葉が詰まる。



「真面目な話、レイラは単位大丈夫なのか? 新学期入って会ったのは2回だ」



「タイムテーブルが進化したんだから、被ってねぇだけだろうよ」



 ブルースの席に、レイデンが寄り掛かって答える。彼が、シートベルトを強引に長く伸ばし、前のめりになるのは毎度の事だった。



「“お前ほんっま!” 止めろ! 親父の車だって言ってんだろ!」



 咄嗟に出るブルースの日本語も構わず、レイデンは涼し気だ。



「西欧でドンチャン中なら、まだ大丈夫だろ。最終、俺が手入れしてやる」



 ブルースは途端に口を閉じる。大雑把な自分は、掃除が疎かだ。それに比べ、レイデンは訳あって、圧倒的な清掃センスがある。




 騒がしい2人を笑うアクセルだが、内心は、ふと話題に出た彼女の事でいっぱいだった。それに気付かれるまいと、サイドミラーに(かえ)す細い陽光に視線を向ける。




 必修である一般的な5科目のほか、自分の興味や関心に応じて選択ができる科目がある。音楽の授業は豊富でも、より大きな枠組みで捉えると、フォトグラフやコンピューターグラフィック、ダンスや演劇といった、芸術も幅広く学ぶ事ができる。近頃は環境学も増えた。




 彼女に会えるコマが1つくらいあっても、おかしくはなかった。更に言えば、アクセルの場合、学校で会えなくとも家の外で会える筈だった。



「まぁ……また何か事情があんだよ」



 アクセルは窓から腕を出し、ボディを叩きながら呟く。2人は、置いてけぼりの話題に(ようや)く反応するアクセルを、そっとしておくに留めた。






 車を5分ほど走らせ、クラブハウスサンドの店舗に着いた。ブルースが駐車する間、2人はテラス席を確保しに向かう。周りは既に、同じ学校の生徒や、昼休みの社会人で賑わい始めていた。




 サンドイッチの専門店だが、それとは別のメニューも少し用意されている。肥満問題が抜きん出ているからこそ、ヴィーガンメニューが推奨され、意識する人も増えつつあった。植物由来の食材で作った代替肉(だいたいにく)は、実際の肉であると錯覚するほどの味質を持っている。




 社会は、人々が新しい食事に馴染みやすくするよう努めている。隣街の日系レストランでは、ほうれん草など、植物性食材を練り込んだヌードルが出始めた。椎茸や昆布、豆乳、胡麻を使ったスープと絡み、まろやかで絶品だと評判である。トッピングは、厚揚げなどでボリュームも出され、満足感を得るには十分な品だ。








※時間割を自分で作るのが一般的です。基本的には少人数制で、同じ科目を取っていても時間帯が違うといった事もあります。先生の時間枠によっては、インターバルといった長めの空き時間があったりもするようですが、概ね8時~14時か15時までぶっ通しみたいです。

朝からさっさと授業をして終わらせ、宿題の為に図書館を解放し、みっちり取り組んでもらうといった環境のようです。クラブもあったりしますが。


※昼食は外食したり、テイクアウトしてくる事が許されている学校があります。


-----------------------------------------


サスペンスダークファンタジー


COYOTE


2025年8月下旬完結予定


Instagram・本サイト活動報告にて

投稿通知・作品画像宣伝中

インスタではプライベート投稿もしています

インスタサブアカウントでは

短編限定の「インスタ小説」も実施中


その他作品も含め

気が向きましたら是非




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
お疲れさまです♪ 車内でレイデンか足蹴りし、アクセルが睨んだ所はヒヤヒヤしました(^-^; 喧嘩にならなくて良かったです! レイデンって掃除が得意なんですね! 驚きました!!( ; ロ)゜ ゜ ブルー…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ