まえがき
新シリーズ「COYOTE」にお越し頂き、ありがとうございます。
本作は、初挑戦ジャンル「コメディ」と「サスペンス」を含むダークファンタジーです。
大きなテーマは「動物の闇」
そこに、人間を含む「生き物の特徴と歴史」と「音楽」を合わせています。
FBI捜査官も参考とするボディーランゲージから、人の心理を読み取るシーン。
不安障害の疑いがある患者に対する、心理カウンセラーの解説シーン。
アニマルセラピストと認知症患者、発達障がい児の関わり合いのシーン。
ワイルドライフマネジメント(野生動物保護調査員)といった職業のほか、楽曲・アーティストの紹介もしています。
ページの後書きや前書きも是非、ご興味を持っていただけると幸いです。
また、既存曲に合わせてオリジナル歌詞(英詞付き)も挑戦しましたので、お楽しみ頂ければと思います。
【Warning ※注意事項】
襲撃描写に加え、教育と娯楽を目的とした、ジョークレベルの性表現が発生します。ご判断は委ねます。
代表作「大海の冒険者」シリーズから、「MECHANICAL CITY」シリーズの情報が、今作でも絡みます。
ここまで公開済みの作品をお読み頂いている方は、本作に登場する誰か、或いは情報を、どの様に感じて頂けるのか。密かに楽しみにしています。
動物福祉「アニマルウェルフェア」という言葉があります。
人間と同じ、命ある生き物。
人間はその命をいただきながら、命を繋いでいきます。
その、同じ命ある生物に対する人間の向き合い方は、一体どの様なスタイルが望ましいのか。
遥か昔に比べれば、現在は随分とマシになったんだな、と思います。
しかし「マシになった」というだけで、結局、闇は今でも存在しています。
ペットや家畜、狩猟にまつわる動物の歴史を、物語を通してお送りします。
出来事を知り、それを広げていく事は、苦しみを減らすための一手段だと思います。
本作を仕上げるにあたって、以下に参考書籍を綴ります。
・「それでも命を買いますか~ペットビジネスの闇を支えるのは誰だ~」
・「動物たちの悲鳴が聞こえる~続・それでも命を買いますか~」
著:杉本 彩
・「純血種という病~商品化される犬とペット産業の暗い歴史~」
著:マイケル・ブランドー
この3冊の出会いは、学びをくれたものでした。
内容は、犬や猫といったペットについてが中心ですが、家畜や狩猟の話も含まれる、幅広い情報が詰まったものです。
上記書籍の著者、マイケル・ブランドー氏への敬意を込めて、以下を抜粋します。
「犬には罪がないのだ。たとえ近親交配の繰り返しによって病弱になり、様々な奇形を抱え、知能が低くなっていても、勝手にステータス・シンボルにされていても、そのおかげで死んでしまっていい犬など、どこにもいない」
「犬」に触れている文章ではありますが、犬に限っての事ではないと、私自身は思っているところです。
ペット業界や里親制度、畜産動物などについて、本作を読む僅かな間でも、考えてみることができればいいなと思っています。
とはいえコメディでもあり、「音楽・恋愛」も含む青春ドラマでもあります。堅さと暗さ、笑いと音の表現で、バランスを取るのが難点でした。複数ジャンルや複数テーマを持たせると、情報がとっちらかってよくなかったりもしますが、書いてみると楽しく、発見もあるものです。引き続き精進いたします。
海外の文化も多く出していきますので、是非とも楽しんで頂けますと幸いです。
舞台は音楽の州。
そこに「あの者」が放った、シルバーコヨーテ。
「歌う犬」とも呼ばれる獣を引き金に起きた、失踪事件の真相とは――
いってらっしゃいませ。
※チャプター内の数字は、連載中に変動します。
※本作の部の区切りは、シーンに合わせる事を
中心にしています。そのため、部によっては
字数が多くなります。
※チャプター名は、月の満ち欠けの英訳です。
主人公の変化を表しています。