表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/87

第7話 自作プログラムに挑戦・名前を付けよう

「そう言わずに頼むよ、アイディ。例のクルクルのためにお金を全部使っちゃったんだ。これじゃ今日の夕飯すら食べられないよ」


(ま、マスターが私たちのために自分の食事を……アンタ、今の言葉をちゃんと聞いたですか!?)


(……ちっ。わーったよ。ま、お前がやりたいってんなら、どうせ俺様には止めらんねえし)


「ありがとう、アイディ」


 よし。

 これで本人の承諾は取れた。


 じゃあ早速、戦闘以外のプログラムの作り方を聞いていこう。


(それではまず、左上の方にある『バトル』と書かれたボタンをタップするですよ)


「ボタン……あ、これのことかな」


 赤地に白文字の『バトル』。

 それを叩くと、青地の『ノーマル』に変わった。


 同時に、画面の内容もまっさらになる。

 何だか、机の上を片づけたみたいだ。


(これで戦闘以外のプログラムが作れる状態になったです。次に『新規作成』をタップするです)


 言われた通りに叩く。

 すると中央に小さな四角形が出てきた。


 中には説明文と、箇条書き。

 目で追うと、こんな内容だった。


『登録可能数 0/5』

『プログラム名:』

『動作条件  :』

『引数    :』

『戻り値   :』


 ……何となく分かる気がするものもある。

 でも、まるで意味が分からないのもある。


 独特な単語ばかりだ。

 覚えられるか、不安になる。


 だけど、触らなきゃ始まらない、と考え直した僕は小さくうなずき、ヘルプへ次を促す。


(では、最初にこのプログラムに名前を付けるです)


「えっ? 名前? アミリーとか、ロイドとか、そういうの?」


(ぷぷぷ。何だそりゃ。そういう意味じゃねーっての。誰だよ、そのアミリーってのは)


「あ、うん。アミリーは綺麗な銀髪をした僕の――え、違うの?」


 自分で言ってて、ちょっと恥ずかしくなる。

 そんな僕を見ていたヘルプが「こほん」と咳払いをして、引き取ってくれた。


(説明が足りず申し訳ございませんです。ここで言う名前は『一目で用途が分かる名前』のことです。今回なら『タイル塗り』がよいです)


 なるほど。

 やりたい動作の名前を付けるわけか。

 確かに、『プログラム1』『プログラム2』『プログラム3』みたいに適当に決めると後で絶対に迷子になりそうだし。


「そうなんだ。それで、どうやって名前を付けるの?」


(<プログラム名>をタップするです)


 叩くと、また小さな四角形。

 僕は反射で眉をひそめる。


「また四角形が出てきた。真ん中に変な絵が書いてあるけど……えっ?」


 勝手に文章が入った。

 僕は目を疑う。


『また四角形が出てきた。真ん中に変な絵が書いてあるけど』でよろしいですか?


 ……いやいやいや。

 それ、僕の口から出たやつだ。


(ちょっとアンタ、何サボってるですか! このくらいサポートするですよ!)


(えー。めんどくせーなー。……ったく。ほれ、これでいいだろ)


 アイディが寝転がったまま、雑に指を振る。

 すると文章が一瞬で置き換わった。


「『タイル塗り』でよろしいですか? ……だって」


(『はい』をタップするです)


「これかな」


 押すと四角形が消えた。

 そして表示がこうなる。


『プログラム名:タイル塗り』


「なるほど。文字はこうやって入力するんだね。さっきのは、僕の声がそのまま入ったってことか」


(仰る通りです、マスター。本来ならIDEが直前の会話を拾って候補を出すはずなのです。……まったく、アイツと来たら)


「まあまあ。まずはやってみないと分からないし、失敗も大事だよ」


 当たり障りのない言葉。

 そう思った僕の言葉に、アイディの反応は違った。

 彼は寝転がるのをやめ、胡坐をかいて腕を組むと、うんうんとうなずき始めた。


(ほほー。お前、いいこと言うじゃねえか。思ったより向いてそうだな、プログラミングがよ)


(何でコイツはこんなに態度がでかいですか……)


 アイディに何が刺さったのかは分からない。

 でも今がチャンスだ。

 脱線される前に進めよう。

 日が暮れたら、パンが遠のく。


「次は……動作条件、か」


 僕は先に<動作条件>を叩いた。

 すると小さな四角形が出る。


 並んでいたのは短い言葉たち。


<自動実行>

<実行ボタン>

<音声実行>

<動作実行>

<登録済み条件>

<呼び出しでのみ使用>


 他にもあった。

 でも、今は見なかったことにする。


 いきなり全部は無理だ。

 僕の脳みそにも容量がある。


「色々出てきたけど、ここから選べばいいんだよね?」


(その通りです、マスター。このプログラムが実行される条件を指定できるですよ)


「なるほど……自動実行と実行ボタンは、防御と攻撃みたいなものだよね。じゃあ他のは何だろう」


(<音声実行>は特定の言葉に反応させられるです。例えば『こんにちは』を登録すると、マスターの『こんにちは』で起動するです)


「へえ。何でもいいの?」


(はい。文字数制限はありますが、普通に付ければ大丈夫ですよ)


「じゃあ、僕のオリジナル技の名前とかでも?」


(問題なしです。ただ、噛んだり間違えたりすれば当然発動しません。複雑すぎるのはお勧めしませんです)


「そうなんだ……ふうん……」


 脳裏に浮かぶ。

 技名を叫び、派手に決める自分。


 物語の英雄は、そうしていた。

 叫ぶから強いんじゃない。強いから叫べる。


 でも、タブレットなら逆ができるのかもしれない。

 叫んだら、強くなる。


(お、分かってるじゃねーか。お前はまだスキルレベルが足りねーから無理だけど、成長すりゃ攻撃プログラムにも条件追加ができるようになるぜ)


「本当!?」


(ああ。ま、俺様のおすすめは、ムチャクチャそれっぽい名前にしておいて出すのは足払いとか、そういう使い方だけどな)


「うわ。ずるいなあ」


(戦いなんて勝ちゃいいんだよ。カッコつけるのは、その後でも間に合う)


 さすがにその使い方はどうかと思う。

 でも、応用が効くのは分かった。


 スキルレベルの仕組みはまだ曖昧だ。

 要するに、経験を積めってことだろう。


 頑張らないと。

 パンのためにも、夢のためにも。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

☆やブクマして頂けますと作者のやる気が100倍になります!(断言)

少しずつこちらの作品にも挿絵を入れていきたいと思います。(過去話にも入れ始めました!)

どうかよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ