九 呪い
消沈する人々の中、王様は威容ただしくお姫さまの亡骸を抱えて進み、お妃様はつつましやかにその後に続きました。
王様がお姫さまのお姿をその御寝台に横たえたとき、六を数える仙女の影にさそわれ冬の化生ヴィ仙女そなた自身がお城に降り立ちました。
皆々が力なくヴィの姿を見つめるその顔は、さながら涙ぐむ幼子のようでありました。
ヴィはその杖を振り上げると十六年前を彷彿とさせる気高さでこう高らかに宣言しました。
「半身にて生を受けた、いと気高き麗しさがようやくにして禍霊を取り戻したことを祝福し、ここに冬の化生ヴィは、己が呪いを奉る。
我が真の名の下に人も森も空も風もことごとく冬を享受せよ」
雨が止み、一陣の風が通り抜けると、お城の中はすべて眠りで満たされていました。
露台を飾る花も、外壁を伝う蔓も、城壁に沿い並んだ木々も、裏庭の苔さえ、すべての草木はそのざわめきを止めました。
屋根裏の鳩も、中庭の犬も、馬小屋の馬も、草むらのこおろぎさえ、すべての動物がその鳴き声を失いました。
居並ぶ騎士達も、針子作業の侍女達も、忙しい振りをするのに忙しい侍従達も、厨房の料理人でさえ、すべての人々がその瞼を降ろしました。
そして、優しそうにほほえみながらお姫さまの手を取るお妃様も、いかめしいお顔のままお二人の家族を黙って見つめる王様も、お部屋に立ちこめるお香の香りも、暖かい暖炉の炎さえ、そしてあらゆるなにもかもがことごとく眠りについていました。
冬の化生ヴィ仙女はすべてのなりゆきを見守ると、自身もまたお城を守るべく冬の眠りにつきました。
お城の外ではイバラの茂みが、みるみる高く生い茂り、ついには外の森とお城とを互いに見えなくなるほどさえぎりました。
それでも、イバラの茂みがお城の中に入ってくることはありませんでした。