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ぼくとバケツ頭とガラクタの街  作者: 天然素材
5/10

恐怖の新人研修

「さて、どこから話そうかな………そうだな、この世界についての説明から始めるのが最適かな?」


ルーペさんはそう言うと、背の高い椅子に座って手を組む。部屋に一つだけある窓にはカーテンが引かれているから、この部屋の光源はカーテンの隙間からこぼれる光と、机の上に意味深に置かれたろうそくの炎だけだ。木枠に囲まれたガラスが、ルーペさんが首をかしげると同時に鈍い光を反射する。


「(うーん、まるで魔王みたいだなあ)」


マントと角を身につけたルーペさんを想像しながら、ルーペさんが手のひらで指し示す椅子を見る。黒くて背が高く、装飾のない、普通の椅子である。少し苦労しながら座る頃には、うなだれていたフセンさんも、何度か背後の扉を見た後、頭をがしがしと掻いてどかりと椅子に座り込む。それを見届けたルーペさんは、この世界について語り始めた。


「この世界はね、端的に言えば物の終着点なんだ。使われなかった物、捨てられた物、壊れた物…とにかく、全ての物は最終的にここにたどり着くと言われている。初めは何もなかった、もしくは自我のない物があふれてゴミ山のような場所だったらしいのだけどね、歴史のどこかでターニングポイントがあったのかな?自我を持つ物が発生して、このような文明を築き上げたんだ。」


ルーペさんは、まるで物語を読み聞かせるように語る。横に座るフセンさんをちらりと見ると、腕を組んでうんうんとうなずいている。


「現在は、たどり着いて自我を持つ物やたどり着く前から自我を持つ物、はたまたこちらに来ても人の世界と同じように自我を持たないままの物からこちらに渡る際に自我を失う物まで、とかくバリエーションが豊かでね。少し前まではそういった…いわゆる新入りを拾って教育する団体もたくさんいたのだけど、現在は私が所属する図書館に丸投げされている状態だね。さて、バケツくんは、自我を持ったまま、あちらの世界から来た、ということで間違いないかな?」

「ええと、たぶん?」


少し首をかしげながらも、一応うなずく。


「ふむ…君は割と珍しい部類の新入りくんなんだろうねえ。自我持ちかつ記憶あり、さらには人としての生活も完璧だ。この前担当した新入りくんなんて、発声方法どころか体を動かす感覚すらわからない子だったからね?」

「その子、栞と俺に全部押し付けていませんでしたか?………はい、黙って聞いてるっす」


フセンさんがおそるおそる口を開いたが、ルーペさんはちらりとガラスを向けて黙らせる。


「ふふふ、賢い子は嫌いじゃないよ。…続きを話していくね。こちらに来る物がどのような状態であれ、保護したのなら彼らの希望はできる限り叶えてあげたいだろう?物として役割を果たしたいなら求められる場所へ持っていく。人として生活してみたいならば家を与えるし、仕事も与える。まあ、人の体の動かし方を学ぶのが最優先、という例が多いのだけどね。君は、まあ…人としての生活も完璧だし、バケツ兄弟に保護されているなら当面の住居も問題ないだろう。現在必要なのは、こちらの世界の知識と、君が今後どうしたいか、だけだろう?」

「今後、どうしたいか………」


両手を握り、うつむく。どうしたいか、なんてマルさんに拾われる前から決まっている。


「ぼく、家に帰りたい………ママに、会いたい!」

「…それは、疲れたからポスト兄弟の家に帰りたいとか、あいつらのどちらかに母性を感じているのではなく?」

「ううん、元の世界に、人間の世界に帰りたいんです!どうやったら帰れますか?」


顔を上げて、ルーペさんの方を見つめる。木枠に囲まれたガラスは、黙ったままじっとこちらを見つめていて、うっすらと、正面を向くバケツ頭が反射している。何秒、何分経っただろうか。先に口を開いたのは、ルーペさんだった。


「………それは、できないんだ」


え、と声に出せただろうか。


「ここは、物の終着点。あちらから来ることは出来ても、こちらから戻ることは出来ない。たとえ帰りたいという強い願いを抱えていても、それが実現することは、ゼロに等しい。たまに、ふとした瞬間に隣人が消えた、とか一つの区画丸ごと住人が消えたという事件は発生するけれど………それは、人間の世界に行ったということの証明にはならないだろう?」


ルーペさんが、何かを言っていることは分かるのに、話の内容は頭に入ってこない。


「君のように、人間の元に返りたいと願う物は一定数存在している。しかし、無理なものは無理なんだ。バケツくんも、早めに諦めて、別のやりたいことを探すといいよ。…そうだね、もしも、そう簡単には諦めきれないと言うのなら、君と同じ願いを口にした物を訪ねてみるといいよ?きっと、参考になるはずさ、いろいろと、ね。それに、っ!?」


ルーペさんが何事かを話している途中で、突然、大きな音が響く。まるで、なにか固い物がたたきつけられたような音だった。びっくりして音の発生源ー自分の背後の扉に目を向ける。


「あ、俺、何が起きたか、見てくるっす。栞の様子も気になるんで…それじゃあ、行ってくるっす!!」


先ほどから居心地悪そうにしていたフセンさんは勢いよく立ち上がると、その流れのまま、誰かに声をかけられる前に扉を開けて出て行ってしまった。


「やれやれ、騒々しい………そうだ、バケツくん。君の願いを叶えられなかった代わりと言っては何だが、これを受け取ってくれるかな。」

「これは………?」

「君と同じ願いを口にした物の現住所さ。君と同じ場所から来たかは知らないし、今何をしているかも知らない。会う、会わないは君の自由だよ。」


テーブルの上を滑らせるように渡された紙束を、じっと見る。


「…これも、人間の世界から来た物なの?」

「いいや?これはこちらで作られた物だよ。人の生活を真似るのに、いちいち道具がたどり着くのを待っていては話にならないからね。ある程度の物はこちらでも生産しているんだ。まあ、たまに私のように自我を持つ物も生産されるのだけどね。」


「へえ、そうなんだ………ん、あれ?私のような…?」


視線をルーペさんに戻す。ルーペさんは軽く首をかしげてから、合点がいったようで、ああ、と軽く話し始める。


「こちらの世界の住人は、基本的には人間の世界から来る物が多いけれどね?低確率だけれど、こちらで作られる物にも自我が宿ることがあるんだよね。ふふ、道具を作っていたら突然手足が生えて言葉を話す物になっていた、なんて面白い話だよね」


それはおもろい話と言うより怖い話では?と思いながらも、テーブルに置かれたままだった紙の束を手に取る。帰りたいと願ったひと、今も帰れていないひと。彼らは、何を思って暮らしているのだろうか?もしかしたら、帰るための手がかりを持っていないだろうか?………なにも、なかったら、どうしたらいいんだろう。


「そういえば、ここに来るまでに、町並みを見たかな?私はここで生まれたから分からないのだけれど、外から来た物は皆、口をそろえて建築様式がばらばらだと言うんだよ。そこら辺を注目するのも外から来た記憶持ちの物の醍醐味らしいから、彼らを訪ねるならば覚えておくといいよ?………それにしても、遅いな。フセンくん………逃げたかな?」

「なにか、あったのかもしれないです」

「ううん、国立図書館に手を出す輩も、中立派にちょっかいをかけたがる勢力も今はいないはずなんだけどなあ?栞ちゃんになにかあったなら、それこそすぐに戻ってくるはずだしなあ…」


ルーペさんは首をひねりながらも、椅子から立ち上がる。それを見たぼくも、紙束を持ったまま椅子から降りて床に足を付ける。上るのに苦労した椅子も、降りるのは一瞬だ。そうこうしているあいだに、ルーペさんは扉に手をかける。


「………おや、君は王立騎士団の…」

「っ!?」


ルーペさんは外に通じる扉を半分開けたまま、片手でぼくを背に隠す。誰がいるのか背中から覗こうとしたが、思ったより強い力で固定されて、動けない。


「ええ、ごきげんよう。我らが王の真なる右腕、ヒメですわ。今日は、用事があってこちらに出向きましたの。」

「マッツォくんは一緒じゃないのかい?彼も側近だろう。」

「あんな下衆と一緒くたに扱わないでくださる?知りませんわよ、どうせそこら辺をふらついていますわ。それよりも、私は貴方に聞きたいことがあるのです!」

「ふふ、焦らないでよ。私のかわいい部下たちはどうしたのかな。来客なんて今し方知ったところでね?外にいたはずの彼らに、お話を聞く必要があるんだよね」


扉の外にいるであろう甲高い声の持ち主と話すルーペさんの雰囲気が、少しずつ冷えていく。思わずぶるりと震えると、ぼくの肩を押さえつける手が緩んで、ぽふぽふと軽くたたかれる。そして、ルーペさんはこちらを見ないまま、部屋の隅、扉の影となるところを指し示した。わかった、とは口に出さず、軽くルーペさんの手を握ってから移動する。その間にも、話し合いは続く。


「ふん、同じ王に仕える物同士の会合ですのに、アポイントメントが必要なんておかしい話ではありませんこと?心を尽くしてお話ししても無駄だったようなので、少し眠っていただきましたわ。」

「…傅く先は同じでも、姿勢が違う。君らのやり方はこちらでもよく噂になっているからね、彼らも無駄に警戒したのだろう。とはいえ、すぐに取り次がなかったことはこちらの落ち度だ。謝罪は必要かな?」

「いいえ、そんなものに価値はありません。私が欲しいのは、ただ一つ。こちらにいらっしゃる“新人”さんの身柄だけですわ!」

「ぐっ…!?」


どかん、と大きな音がしたかと思うと、扉は大きく開かれ、ルーペさんは衝撃で床に倒れ込んでしまった。


「え、あ…大丈夫ですか!?」

「いたた…乱暴だなあ!」


ぼくが思わず出した声と動きにかぶせるように、ルーペさんも大声を出して手のひらで制止させる。しかし、扉の外にいたひとはそのまま部屋の中にずかずかと入り込んでくる。


「無駄なことはおやめくださいまし。情報はもうつかんでいますのよ!…ああ、やっぱり匿っていらしたのね。いけませんわよ?中立派のルーペともあろうお方が、こんな規律違反を侵すなんて。」

「ふふ、暴力御法度の図書館でこんなことをする君も相当だと思うけどなあ…」

「先に規律を破ったのは貴方ですわ。それに、この状況を見たらきっと王も分かってくださいます。ワタクシは、何一つ悪いことはしておりませんもの。」

「私の部下にも見習わせたいよ、その強気な態度。…この子をどうするつもりかな?」

「なぜ、そんなことをお聞きになるの?当然、王の下に連れて行きます。」

「王様の命令で、かい?それとも、君の独断かい」


ルーペさんは体を起こし、ぼくと侵入者のあいだに立ちふさがる。守ってくれている、とは思うけれど、頭が上手く働かない。甲高い声の持ち主は、首をかしげて話の続きを待っている。


「王様の命令は、新人は必ずお目通りさせること、だよね?でも、こちらに来てすぐとは明言していないよね。この子はついさっき来たばかりで、新人研修の真っ最中なんだ。急に連れて行かれても困るよ」

「…話はこれで終わりですの?」

「うん、ご清聴ありがとう。マッツォくんと違って最後まで話を聞いてくれるね」

「当然ですわ、あの木偶とは違いますの。ところで、それ、今、ここで必要なお話でした?王の命令は即時遂行するべきですし、あいつより先に対象を連れて行ける機会があるなら逃さない。そこの子どもの事情も貴方の事情も、私には関係ありませんわ」

「うんうん、比較的話が通じるように見せて、君も案外通じないね?」

「さあ、楽しいお話はこれまでにしましょう。大人しくその子どもを差し出せば私はここから出て行きますし、そこの子どもも抵抗さえしなければ安全に王の御前までお送り致します。」


何も恐れることはありませんのよ、と言いながら、侵入者は一歩一歩近づいてくる。ぼくは思わずそれに合わせて足を下げたけれど、すぐに背中が壁にくっついてしまう。ルーペさんは、一歩も動かない。


「どいてくださいますわね?」

「ふふ、嫌だと言ったらどうなるか聞いてもいいかな」

「私は、城に戻る前にスクラップ置き場へ行くことになりますわ」

「それは大変な手間をかけてしまうね。それは良くないことだよね?ううん、それじゃあ、仕方ないかなあ?君はどう思うかな」

「………先ほどから時間稼ぎが過ぎますわ。いい加減に、その無駄に回る口を閉じてくださらないと貴方も眠っていただきますわよ」


甲高い声には徐々に不機嫌が混じり、侵入者は拳を握る。室内の緊張感が張り詰める。そして、誰も注目していなかった扉からはたくさんの顔のない人形が入ってくる。


「え」

「ふふ」

「なんですのーっ!?」


顔のない人形はヒメ、と名乗った侵入者に組み付くと、そのまま床に倒れ込む。組付きから倒れ込むまでのあいだも人形は次々と部屋に入ってきて、どんどんと倒れ込んでいく。侵入者を核にした人形の塊はどんどん大きさを増し、しまいには時折ぴくりと動くだけになってしまった。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい許してください本当にごめんなさい!!!」

「いやー、栞の義体が暴走してしまって!申し訳ないっすね!!フカコーリョクっすね!!!」


床の塊がたいした動きを見せなくなると、人形の流れが止まって、代わりに栞さんとフセンさんが入ってくる。栞さんはひたすら謝り続けているし、フセンさんは大声でこれは仕方ないことっす!と叫んでいる。


「うんうん、これは紛れもない事故だね?いやはや、ダメじゃないか栞ちゃん。こんな暴走を起こしてしまったら、新人研修なんてやっていられないよね」

「ごめんなさいごめんなさい本当にわざとじゃないんですスクラップ行きは勘弁してくださいごめんなさいごめんなさい」

「まあ、元はといえばいきなり殴りかかってきたコイツが悪いから栞の気にすることでは…うーんダメっすね、聞こえてないっす」

「ふふ、栞ちゃんの義体はどれも素敵だけど、その分重いし繊細だからねえ…これは仕方ないことだよね」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」

「あの、完全に潰れちゃってるけれど、大丈夫なんでしょうか?」

「ああ、君も見ただろう?ヒメちゃんは丈夫だから大丈夫だよ」


栞さんの謝罪無限ループを聞き流しながら、動かなくなった床の塊を見つめる。室内に充満していた緊迫した空気はすでに霧散して、今は和やかな会話が流れている。ルーペさんと会話しながら、突然の侵入者の姿を思い出す。ヒメ、と呼ばれたひとは、その名に恥じぬかわいい顔をした人形の頭に全く似つかわしくない褐色のムキムキマッチョボディがくっついていた。ガラス玉みたいな目に、少しウェーブのかかったビニールの髪、両端をつり上げたまま動かない唇に板チョコみたいに割れた筋肉。初めて姿を見たときからびっくりしすぎて動かなかった頭が、急速に動き始めるのを感じる。


「ルーペさん、守ってくれてありがとう、ございます」


一貫してぼくを守ってくれていた優しいひとに、頭を下げる。二人の話しぶりからして、ルーペさんも難しい立場かもしれないのに、ヒメさんとぼくとの間に立って守っていてくれたのだ。ママとも、挨拶やお礼はしっかりする、と約束している。


「なに、ポスト兄弟から君の面倒を見るように頼まれていたからね。それに、新人研修の途中で連れて行かれると話のつなぎとか仕事の調整とかいろいろ面倒なのも本当のことさ。バケツくんは気にしなくていいよ。まあ、結局この新人研修は一度で終わりそうにないのだけど…」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

「栞はこうなると面倒っすからね。それに、騎士さんが起きたときの誤魔化し…もとい説明も必要だし、蔵書もこの騒ぎで少しだけ崩れてしまったので片付けだってしなきゃいけないっす」

「ふむ…バケツくん、さっきの紙束は持っているかな」

「はい、しっかり持ってます」

「フセンくん、この中で知り合いとかいるかな」


呼ばれたフセンさんは、栞さんや人形の塊から離れてこちらに近づき、ぼくの手元をのぞき込む。紙束を渡すと、あざっす、と軽く礼を言ってぱらぱらめくる。


「んー………ああ、こいつは知ってるっす」

「うん、一人でも住所が分かるならちょうど良い。バケツくんを連れて、適当に時間を潰してきなさい。案内ついでに新人研修の補完もしてくれると助かるかな」

「えっ」

「栞ちゃんは使い物にならないし、私はここから動けない。それなら自由に動けるフセンくんに頼むのが筋というものだろう?」

「いや、まあ………そうっすね。それは正しいんすけど、このまま連れてってもいいんすか?」

「事情説明も栞ちゃんを正気に戻すのも図書館を片付けるのも、私と栞ちゃんと…足りなければ他の司書も呼ぶから充分まかなえるよ」

「それだけじゃなくて………えっと」


フセンさんはちらりとこちらを見ると、ばつが悪そうに視線をそらしてルーペさんに向き直る。よくわからないから、ぼくも首をかしげてルーペさんを見る。


「王立騎士団が図書館に来た原因をそのまま連れ出しても構わないか、かな?それなら問題ないよ。ヒメちゃんの暴走(いつものこと)で片がつくからね。そもそも、バケツくんを連れてきたのはポスト兄弟で、私は彼らに頼まれて新人研修をしていただけだ。アポなしで突入してきた方に非はあれど、こちらに非はないよ。」

「えー、そんなん通るんすか…?」

「通る通らないじゃない、通すんだよ。さあさあ、ぐずぐずしているとヒメちゃんが復活しちゃうよ?二人とも、早く行きなさい」


ルーペさんはそう言いながら、ぼくとフセンさんの背中をぐいぐい押す。人形の山横を通り、開け放たれたままの扉も超える。


「まあ、新人研修と先輩訪問の順序が逆になったようなものさ。ポスト兄弟には私から話をしておくから、気楽に楽しむといいんじゃないかな?」


後は頼んだよ、なんて軽く話すと、僕らを部屋から追い出したルーペさんは扉を閉じてしまう。エンドレス謝罪音声も途絶え、ぼくとフセンさんのあいだには困惑した空気が流れている。


「えーっと、まあ、そんなわけで、目標地点は知り合いの所!外に行くっす!」

「ええ?あー、はーい!」


本当にいいのかな?…まあいいんじゃないっすかね?なんて話ながら、歩き始める。部屋の近くにあった本棚のいくつかは倒れていて、そこに収められていたであろう本も床に散らばっている。踏まないように気をつけながら出口を目指していると、なんとなしにフセンさんが口を開く。


「王立騎士団の一人に会うなんてツいてないっすね…もう一人の方に会わなきゃいいんすけど」


ぼく知ってる!フラグだ、これ!

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