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=序奏:懐かしい香りは、何色なの?=

青空なのに、君

 は雨が降ってると言う

  ~6月の夕暮れ~

 <<BlueRain theMoon?>>




=序奏:懐かしい香りは、何色なの?=


君と私たちは、

同じ時間を過ごしていたはずなのに

君はいつの間にか、いなくなっていたね


それに気づかなかった私たちは

いつまでも同じ時間を過ごせてると思っていた。



=始まりの演奏・君はまだ近くにいたのに=




-1-

「俺、東京行くよ。」

君にとっては、当たり前のことだったのかもしれない。

皆が優しく応援してくれると思っていたのかもしれない。

集合場所に遅れてきた君は、空いている席に座ると何の前触れもなく話した。


「あ。すみません~生中1つお願いします。」

私たちは君に呼び出された。君がオススメいうお店に。

申し訳ないけど、

小汚くてふすまは薄汚れてて、隣との仕切りなんてないし

こんな処を選ばれたデートでもこないかな…私的には。


「はぁ?」

タバコに火をつけようとしている友人の手が止まる。

「お前、何言ってるんだ?仕事はどうするんだ?」

「今月末に辞める。そして、これ見てよ。」

君の声は上ずんでいる。おおよその期待していた反応だったんだろう。

机の上に一枚の書類を置いてみせた。

…契約…賃貸契約書…?…所沢…?

……東京…?

「あぁ~?」

顔険しいよ…確かにそうだよ。でも怖いよ。圧迫しちゃだめだよ…。

「これを見てくれよ。」

そんな友人の表情に気付かないわけないのに君は複数の書類を見せ始める。

……賃貸契約……雇用契約書……xxxx事項書類

…最後の書類見えないよ…


「で?どうしたんだ。」

「ユ~ちゃん。ボク。東京に行きたいんだ~。」

……だから。そこは埼玉だって……

「ああぁ?クズは静かに酒でも飲んでろよ。」

「東京で夢を叶えたいんですよ。ユ~ちゃん。」

「おい。クズは黙ってろよ。話が進まねぇだろよ?」

「ボクからもお願いするよ。悪いね明人」

「ちぇっ。みんな乗り悪いな。おいらは寂しくビールでも追加してるよ。」

…そうしてください。話が進まなくなるし…



……



「大丈夫。家族にはこの後いうよ。理解してくれるよ。」

…たぶん。いや…これは、報告の順番違うよね?…

きっと誰しもが「?」であっただろうけど、君は。

「もう、住む場所も決めたし。ほら。」

住所と地図をよこしてくれた。


そして、君はその二日後に東京に向けて出発した。

両手に荷物を持って独り電車に乗り込んでいった。

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