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血の契約  作者: 吉村巡
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27:ティラマウス学園

「ティラマウス学園は帝国では勿論、大陸の中でもトップクラスの学校だ。編入試験はそれに伴いかなり難しい。対策を練った方が当日安心出来るだろう。過去の例題を入手しておく」

 アルがあっさりとそんなことを言うが、試験の問題が簡単に手に入るのだろうか?

 レイはそんな事を思ったが、

(一応皆その学園の卒業生みたいだし、権力もあるから訳も無いか・・・)

 そう結論づけた。

 レイには今だ学校に通う。という実感が無い。

 取り敢えず、ティラマウス学園の資料をもう一度見る事にした。



______________________________________________________

                    《ティラマウス学園》


・大きく大別して普通科・魔術科に分けられている。

 普通科は技術科・武術科・普通科の三つに分けられているが、他科でも授業の選択は可能。

 魔術科は治癒科・魔法科があり、自分の才能に合った授業を受ける。


・クラブや同好会、委員会が存在し生徒の中から選ばれ学校運営の一端を担う。

 クラブ・同好会・委員会はどの科の者も隔たり無く集められ他科の者と交流を深められる。


・校舎はそれぞれ分けられていて、部室棟・委員会本部・第一講堂は共同。森には資格を持つ者だけ。基本的に許可を取 れば各校舎への出入り可能。


・学校の所在地は第二城壁内の小隊密集地区北通り出口から直線1キロ程。


・学園には寮・食堂・購買・浴場等、学園内で生活出来る設備がある。


               :

               :

               :

_______________________________________________________


 


 レイが見る限り、【蓮華館】からは十分通える距離だろう。

 アルが前にここが小隊密集地区だと言っていた。そして北通り付近だとも・・・・。

 決まった今となってはもう意見を言う気もない。皆が決めればいい。

 レイは心底、学校がどうでも良かった。

「でもさ、今の時期に編入生ってなんか変だよねぇ。入学式がひと月前でしょう?なんか中途半端だね」

 ロリエの言葉にアルは、

「それでは長期休暇明けを待て、と?何ヶ月あると思ってる」

「そんな事思ってないよ!ただ、中途半端な時期に編入して皆から浮かないかな、って思ったりはしてるけど・・・」

 そん言葉に、アルも複雑な表情を浮かべたが、当人のレイはくすくすと笑っていた。

「ロリエ、心配し過ぎ。むしろ私の方が皆と距離とると思よ?きっと他人と感覚が違うから」

 笑いながらそんなことを言うレイに、

「感覚が違う?」

 とロリエがオウム返しに聞いて来た。

「うん、旅人が学校に通うなんて無いでしょう?皆は私の感覚を分らないし、私は皆の感覚を分らないから」

 レイの言っている事は、一人で行動する。と言う意味だ。

「違いなんて関係ないだろう?レイは皆と付き合って感覚を知っていけばいいし、皆にも自分の感覚を伝えればいい。距離を摂る必要は無いだろう?そうして友人は出来ていくものだ」

 ベクターの言葉に、レイは首を傾げて、

「そんなものなの?」

 というと、皆が、

「「「「そういうもの」」」」

 と肯定した。

 レイは一瞬ポカンとして、

「そっか、そう言うものなんだ」

 と呟いていた。

 その言葉で、レイが友達を作った事が無いと言う事が分った。

(本当に、レイの感覚はズレているんだな)

 アルは内心そう思っていた。




「1年に数回他校との交流があって、あっ、他校って他の候補校の事なんだけど、対抗戦とか、研究発表とか色んな所で競い合ってるし、逆に共同研究で協力し合ったりもあるんだよ」

 レイはロリエやヘルスのティラマウス学園での思い出話を聞いていた。

 アルとベクターとファラルは手続きや、用事があるらしく、学校が決定すると慌ただしく部屋を出て行った。

「でも、ティラマウス学園って一応実力主義なんだけど、良家の子息・子女も多いんだ。プライドが高い人とか、自分より身分が下の人に抜かれたりすると因縁つけられたりね」

「そうそう、私も何度かあった」

 ヘルスとロリエの会話は人の醜さに溢れていて、レイは興味を持った。

「実力が本当に違えばそんな事を起こす気にもなれないんだろうけど、幼等機関もあって、そこからの持ち上がり組の殆どが貴族の出だから。レイは嫉妬の対象になりそう・・・」

 ロリエの不安そうな言葉にレイは内心嬉しかった。

(人の、醜い所が見れる。傷つけられれば傷つけられる。無垢な子供の憎しみや絶望恐怖に歪む顔は、さぞ見物)

「ロリエ、心配しないで。そんな事起こらないよ?私なんて嫉妬するような才能も容姿も頭も持ってないんだから」

 レイの本心とも思える言葉にロリエとヘルスが固まった。

((平凡な容姿?才能?頭?あり得ない!!))

 二人が思っているのは同じ事だった。

 だがレイの言葉に何も言えなくなってしまう。

「だって、村の中で一番出来が悪かったから見捨てられたんだもん。家族がいなくても、惜しいと思われるような才能が無いから、頭が悪いから、何も出来ないから、生け贄にされたんだもん」

 レイは俯き、淡々と語る。

 その言葉には何の感情も無かった。事実をそのまま語るように、それが当然であるかのように語るレイの言葉は悲しかった。

 ロリエとヘルスはこれ以上の過去を語らせないように、話題を変えた。

 そして、それがレイの狙いでもあった。

 自分の中で蠢いている衝動がボロを出さないように、話題を変えるように仕向けた。

 ロリエとヘルスは人の闇を覗く事は無い、と予想して。

(思っている通りに動かれると、ツマラナイ)

 レイはこんな時、何時もそう思おもう。

 そうじゃないと、楽しく無い。

 壊しがいが、無い。

 誰かの歪む顔を見る楽しみが無い。

 レイはもう、その衝動を止める術を忘れてしまっていた。



 書いた資料の内容がバラバラ且つアバウトでした。

 これから学園の行事や生活について書いていくと思いますので、楽しみにして下さい。

 

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