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10 私と友人

さて皆様、もうお分かりのように、私とレニーの顔はとても整っています。私の顔はおおバカが妖精に例えた様に、とても可憐な顔立ちをしているの。


……いえ、しているらしいのよ。私は普通だと思っていたんだけど、学院に来た日に……違った、学院に向かうために村を出たら……もうね、いろいろあったのよ。


えーと、親切に声を掛けてきて馬車に乗せてくれた人が人攫い……らしかったとか。

宿屋がない普通の村の村長さんの家に泊まらせてもらったら……えーと、夜這いだったかしら? それを仕掛けられそうになったとか。

宿屋に泊まったら……寝込み強盗? なんかそんなものに遭いそうになったらしいのよね。


これはすべて私達についてきてくれたミポルとスラミーが、撃退してくれたんだって。


……だってね、はじめて村から出たのよ。いくらレニーと二人とはいえ、慣れない旅なわけじゃない。体力には自信があったけど、今まで村の人としか接したことがないから、すれ違う人がいるだけで緊張しちゃったのよ。だから……その、疲れからかぐっすりと寝ちゃっても仕方がないわよね。ね!


まあでも、ミポルとスラミーのおかげで何事もなく、無事に学院まで辿り着けたからよかったわ。


それから……えーと、何だったかしら? ……あっ! そうそう! 私には他の人と違った特徴があるのよ。瞳は普通に(みどり)色をしているけど、髪の色がね、ちょっと違うのよ。……いや、普通かな。淡い金髪なの。……ただ、その、差し色……みたいなものが入っているのよ。それも三色も。……ただ、それだけなんだけどね。


えーと、それでレニーは……レイニー・フェンダルと言って、私と同じ村出身で友人……(照れっ)

えーと、えーと、本当はただの友人ではない……のよ(照れっ、てれ)

あの、こ……いびと(小声)というか、う……んめいの人(小声)というか……ね(照れっ、てれ、テレッ)


あっ! えーとね、レニーの色……髪の色は青みがかった銀髪で、瞳の色は薄い青をしているの。鼻筋はスッと通っていて、形のいい柳眉と切れ長の目をしているわ。唇も薄目だけど艶やかでピンク色をしているのよ。あと、どちらかと言うと柔和な顔立ちで、学院に入った十三歳の時には女の子と間違われそうだったわ。


うちの村は辺鄙なところと言ったでしょう。村はとても小さくてあまり人はいなかったの。だから、村の子供は私達が五歳になるまではお互いだけだったわ。その後は新しい人が来てその人たちに子供が産まれたり、私とレニーにも弟妹が産まれたりしたの。

それから、カイナンのことで注目を集めたりしたからか、少しずつ人が増えているらしいわ。村に定住する人もこの五年の間に何人かいたらしいし……。


え~と、これは村に帰ったわけではなくて、手紙に書いてあったのよ。その~、村は辺鄙なところに在りすぎて、簡単に帰ることが出来ないの。……あう~、お、お金もかかるしね。


で、人が増えている理由は、わかる人にはわかることらしいのですって。

なんのことか、分からないわよね。

ある方々との約束で詳しいことは、話すことが出来ないの。


なので、察してください!


◇-◇


いけない。見惚れたり、照れたりしている間に、レニーとミポルの間が険悪になりかかっているわ。


「うん。ごめんね~。接続をうまくいかないようにしたのは~、ボクだよ~。でもね~、本当に~、二人とも~、眼鏡もコンタクトレンズも~、必要なくなるからね~」


素直に謝るミポルに、レニーは気が削がれたようだった。少し難しい顔をした後に言った。


「えーと、ミポルがそう言うのなら」

「えっ、待ってよ。私もレニーも眼鏡とコンタクトがないのは困るのよ。いままでトラブルがなかったのは、認識阻害の術式を眼鏡やコンタクトに組み込んでいたからじゃない。私はコンタクトが合わないから眼鏡にしているのであって、レニーも眼鏡だと術式が安定しないからコンタクトにしていたんじゃない」


そうなの。実は先ほど絡んできた人たちが、今まで私の本当の姿を見ることが出来なかったのは、眼鏡に仕込んでおいた術式のおかげなのよ。眼鏡をかけた私を見る時に、素直に見ることが出来ない人には、ひどく歪んで見えるらしいのね。


レニーも同じ術式をコンタクトレンズに仕込んであるのよ。前はレニーも眼鏡を使っていたけど、水の魔法に親和性が高いレニーには、目に直接()れるコンタクトのほうが使い勝手がよかったの。


でも、こんな特別なことをしているのは、私とレニーが使うものだけだったわ。この術式自体はかなり昔からあるもので、それの転用をしてみただけなのね。


……本当はこの事を国……とまではいかなくても、魔法省か、学院の魔道具関係の教師にでも話してもよかったのだけど、これの使われ方に一抹の不安を覚えたから、報告をしないでいるの。


まあ、もう一つ問題もあるのだけどね。この術式を安定させるには、細心の注意を払わないとならないのよ。他の術式との相性が悪すぎて、これを仕込めても通信が使えなかったり、録画再生ができなくなったりと、成功例が少なすぎるのよ。……というか、私用の眼鏡とレニー用のコンタクトレンズにしか、成功してないのね。それも自分じゃ作れなくて、私の眼鏡はレニーが、レニーのコンタクトレンズは私が作っているのよ。


これじゃあ、報告するだけ無駄というものでしょう。


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