第22章 harmony
「咲希、一緒に帰ろ!」
「はい!」
私は白杖を持った中村さんと道を歩く。
「明日だけど、講師の先生の合奏があるんだ。咲希も出たい?」
少し、迷った。でも、すぐに決まった。
「……出てみたいです」
「そうだよね……分かった!じゃあ柴崎に譜面を用意してもらえるようにするね」
「ありがとうございます」
そんなことを話しているうちに、中村さんの家に辿り着いた。
「ただいま!」
「お邪魔します」
「おかえりなさい、あっこ。いらっしゃい、咲希ちゃん。もうご飯できてるわよ。咲希ちゃんの分のご飯もあるから食べてね」
「うん」
「ありがとうございます」
私は中村さんにについて歩き、昨日のダイニングキッチンで中村さんと同じ長椅子に座り、一緒にご飯を食べた。ありがたいことに、今日も私の分も全てご飯が揃っていた。中村さんのお母さんが私のことを考えてくださっていることに、私は感謝した。
どの料理も、とても美味しかった。
夕食を終えた私は、同じく夕食を終えた中村さんに、ついて来て、と目配せされたので、中村さんの自室へとついて行った。
「明日ね、ハーモニー練習をしようと思うの。だから、ちょっとハーモニーについて説明しとこうかなって思って」
「お願いします!」
その後、和音について、私にとっては少し難しい説明を受けた。
一通り説明が終わったところで、中村さんが言った。
「ねぇ、咲希は、どのハーモニーが好き?」
「えっ?」
「順番に弾いていくから、教えてほしいんだ」
中村さんはそう言って、1つ1つ和音を弾いて、「これがC、これがCis、それで……」と、どの和音がどの和音が教えてくださった。
「私は……Cの和音が好きです」
「なんで?」
「なんというか……どこまでも暖かく包み込む太陽の光みたいで、なのに月みたいにはっきりとして冷たそうな光みたいでもあって、神々しいっていうのはこんな感じかなって思って……」
「なるほど……素敵だね」
そう言って、中村さんは笑った。
C……ピアノでいうドの音です。
Cis……ピアノでいうド#の音です。
咲希がCの和音で色々言ってるところがありますが、それはわたしの持つイメージなので、他の方は別のイメージを持っているかと思います。




