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第三十八回青葉学園生徒会結成!

 俺、鳴瀬裕人なるせひろとは妹である鳴瀬美亜なるせみあと同学年の天ヶ瀬有希葉あまがせゆきはに生徒会に入ってもらうことに成功した。

 残りのメンバーは一人。そして会長が連れてきてくれるのは会長の幼馴染だということに安心していた。だが、会長が連れてきたのは......!!

 ——おいおい、学園三大美少女が全員生徒会に集合だと!?プラスアルファもいるけど、それを言ったら妹に殺されそうなので言わないでおこう。

 だが、櫻川か。よりにもよって櫻川か......。

 正直に言うと俺は櫻川が少し苦手だ。嫌いとかそういうわけではないのだが、あっちが嫌っているような感じがするというか......うん。生徒会室に入ってきてから俺と目を合わせようとしてないからなぁ。なんでそこまで嫌われてるんだ俺。

 そんな風に考えていたところで、櫻川が再び口を開く。


 「会長」

 「ん?ど~したのシャーリィちゃん?」

 「なんでここに男子がいるんですか?しかもよりにもよって鳴瀬くんが!」

 「んなっ!!?」

 おいおいそりゃないだろ櫻川さんや。確かにここまでくれば「あれ?男の俺がここにいてもいいのかな?」って思っちゃうけども。そんな俺だけが男の中でも特別嫌みたいな言い方しなくてもいいじゃん。しまいには泣くぞ。


 「え、え~とね......」

 ——会長が困っている!?会長が困る必要はないはずだ!ここは俺が正々堂々真正面から勝負してやる!!


 「待て、櫻川。一つ聞きたいんだがなんでお前はそんなに俺が嫌なんだ?」

 俺はなにもしちゃいない。言わせてもらえば櫻川がここに来るまで三大美少女の一人として思い出せなかったくらいだ。そんな相手に何もするわけがないだろうさ。


 「嫌なものは嫌なのよ!いつもいつも得意げにいる感じとかが特にね!!」

 「ファッッ!!??」

 ——なになに、何のこと!!??知らぬ間に嫌がるようなことしていたのか?でも櫻川とは話すこと自体が今回が初めてだし、嫌がるようなことなんてとってもじゃないけど出来そうにない気がするんだが!?

 

 「いつもいつも私の邪魔ばかりして!全教科学年一位という私の目標を......!」

 「はへ?」 

 全教科学年一位?


 「いつもそうだわ!学年順位が貼りだされたと思って見にいってみれば全教科いつも二位!全部あなたが一位で、この私に勝っているのにちっとも嬉しそうじゃないんだもの!何よ、私は眼中もないってわけ!?」

 え、テストの順位で俺に負けてたから俺を嫌っていた?そゆこと?


 「会長、私、鳴瀬くんがいるなら生徒会に入りたくありません!」

 「えぇ~!それは困るよぉシャーリィちゃん!」

 「嫌なものは嫌なんです!」

 ——ま、マズイ!ここで櫻川に断られたらもう指名会に間に合わない!なんとしても引き止めて櫻川を生徒会に入れなければ!!だが、どうすれば??

 悩んでいた俺の頭に浮かんできたのは一つの答え。成績を重んじる櫻川には有効かもしれない。でも......。

 ——これやったら俺、相当クズじゃね?

 

 「私、もう帰らせてもらいます」

 あ、帰っちまう!?くそっ、もうなるようになれ!


 「待て!櫻川!」

 もう生徒会室の扉の前まで来ていた櫻川を呼び止める。そして——、

 「なによ、あなたと話すことなんてない——」

 ——ドンッッッ!

 「待てって、言ってるだろ?」

 そのまま壁ドンならぬ扉ドン。普通に外れないかビビったわ。

 

 「な、なっ、なんなのよこれわぁ......!」

 そして動揺している櫻川に向かってこう言う。

 

 「俺が得意げだって?櫻川が眼中にない? ふっ、全てイエスだ!俺は特に勉強なんてしていないからな!それでも一位をとれるなら誰だって得意げになるだろう!?櫻川だって眼中になかったね!だって入学してからずっと一位だったからな!」

 ——あーー、クズいな俺。こんなセリフ言うのは自分でも嫌なんだけど、今は櫻川に生徒会に入ってもらう為に我慢しよう。


 「なっ!あ、あなたは......!!」

 櫻川が今にも怒りだしそうだ。だが、俺はこの瞬間を待っていた!


 「ムカつくよな?でもな、俺だって全くしていないというわけじゃないんだぞ?」

 「......え?それってどういう?」

 「まぁ、どんな勉強とは言えないよなぁ?言ったら万が一の確率で負けちゃうかもしれないだろ?同じ生徒会でやっていく『仲間』ならまだしも、ただの生徒には教えられないなぁ」

 ——ふっ!完璧だ!これで入りたくなっただろう?俺に勝ちたくなっただろう?なら生徒会に入るんだなぁ!


 そんな俺と櫻川のやり取りを見ていた会長たちが「酷いね......」「鳴瀬、そのやり方は......」「お兄ちゃんクズだね」などと言っている。いや、俺だって嫌だったよこんなの。

 そんな風に心の中で会長たちのコメントに返信していると、櫻川が口を開いた。


 「わ、」

 「わ?」

 「わかったわよーーーー!入るわよ!入ればいいんでしょう?!そしたらその勉強法教えてくれるのよね!?」

 ——はい、一名様入りま~す。

 「もちろんだ」

 こうして俺は最後の生徒会メンバーを入れることに成功した。ほぼゴリ押しだったけど。

 

 「よし!メンバー全員そろったことだし、みんなでパーティーしよ!第三十八回生徒会結成記念パーティーだよ!」

 会長は全員そろったことがとても嬉しかったらしく、そのあとは生徒会メンバー全員で飯を食いに行った。俺抜きで。

 

 もう一度言おう。パーティーには俺抜きで行った。


 

ハイ欲九話です!生徒会メンバーもそろったことですし、次回からはChapter2に入ろうと思っています!これからもハイ欲をお願いします!

ちなみにパーティーはケーキを食べに行ったそうですよ!裕人抜きで。

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