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あの日の約束と最後の一人

二日連続でハイ欲を書いたのは初めてです。

とりあえず楽しんで読んでやってください!

 天ヶ瀬有希葉あまがせゆきはからの電話が来たことによって、あの時の『約束』を思い出した。天ヶ瀬と初めて会ったあの日、放課後、屋上で二人で交わした約束。


          ◆


 あの日に俺は天ヶ瀬から告白された。でも、俺は天ヶ瀬のことを噂くらいでしか知らなかった。天ヶ瀬も俺のことはよく知らなかっただろう。両思いでもないのにいきなり告白うされて付き合うだろうか?と思った俺は、こう言ったのだ。


 『天ヶ瀬が嫌いなわけじゃないんだ。でも、俺たちはまだお互いのことをちゃんと知らないだろ?もし、俺が天ヶ瀬と付き合うんだったら、その前に天ヶ瀬という女の子のことをよく知っておきたいんだ』


 俺のその主張に天ヶ瀬は納得してくれたらしく、これでひとまず一件落着、と思った時だった。

 天ヶ瀬はその後に俺のことをよく知りたいと言い、こんなことを言ってきたのだ。


 『もっとキミのことが知りたい、だから......』

 『だから......?』

 『私はキミが好きだ。朝のような些細な出来事ででもキミを好きになってしまうような大馬鹿者だ。だが、キミは私のことも知りたいと言ってくれた。嬉しくて......だから、私がキミに助けなどを求めた時はできるだけ私の想いにこたえてほしい』

 『天ヶ瀬......』

 『あっ、も、勿論キミが私に助けを求めても同じだぞ??でも、これはただの私のワガママだから、嫌なら断ってくれても......』

 『大丈夫、約束するよ。俺たちはそこから始めていこう、な?』

 

          ◆


 あの約束がどういうものなのか。それは俺にもよくわからない。だが、一つだけ、一つだけ確信をもって言えることがある。それは——、


 「あの約束で、俺たちは親友みたいな感じになったんだよな......」

 出会って間もない男女の約束でそこまでいくだろうか?普通は誰だってそう思うだろう。俺だってそう思った。

 だけど、俺たちはそうなった。簡単な口約束ごときで、と思われるだろうが、あの約束には深い思いが詰まっていたのだろう、と今はそう思うのだ。


 『鳴瀬?おーい、聞こえているのか?』

 「あ、悪い悪い。ちょっとボーっとしてた」

 『まったく。大事な話があるというから時間をわざわざずらしたというのに......キミというやつは』

 電話をしている最中だというのを忘れていた。電話の最中に過去を振り返って電話をしていることを忘れるなんて器用なこと、たぶん俺くらいしかできないんだろうなぁ。なんの自慢にもならんけど。

 「そーいや、学園からの帰り道電話した時、なにやら忙しそうだったけど、なにしてたんだ?」

 『あー、いや、私の家は和菓子屋をやっていてな......』

 電話越しから聞こえる天ケ瀬の少し恥ずかしそうな声。

 「へぇ、和菓子屋かぁ」

 なんかピッタリだよな、天ヶ瀬のイメージに。さすが大和撫子。その撫子オーラは家業のおかげで自然と身についたんだな。

 『そ、そんなことより、大事な話というのはなんなのだ!』

 おっと、本題本題っと。

 「なぁ、天ヶ瀬、ちょっと頼みがあるんだけど......いいか?」

 『ああ、引き受けよう』

 「ん?あ、そっか、そうだよなやっぱり忙し————って、え?」

 

 え?なんだ今なんて?


 『どうしたのだ?鳴瀬?』

 「え、いや、今なんて?」

 『だからキミの頼みを引き受けようと言ったのだ』

 これにはさすがの俺もおっかなびっくり。

 「ちょーーっと待て!俺の頼みの内容も聞いていないのにいいのか!?」

 『そんなの、愚問だな。あの時約束しただろう?そのキミが私に頼むことを拒否する理由はどこにもないだろう?』

 「あ......」

 天ヶ瀬がそう微笑みかけて言ってきていることは、天ヶ瀬の顔が見えないこの電話越しからでもわかった。

 声が優しかったから。

 そして再確認した。天ヶ瀬は本当に俺のこと——。

 「そ、そうか。でもその頼みっていうのは、生徒会に入ってほしいってことなんだぞ?」

 『そうなのか?だが、キミの頼みでもあるし、内申点も貰えるのだろう?それなら良いこと尽くしじゃないか』

 生徒会に入ってほしい、その俺の頼みに対して何一つ文句は言わず、入った時のメリットだけを見ている天ヶ瀬は本当にすごい奴なんだと改めて思った。

 「それじゃあ、悪いけど頼めるか?」

 『ああ。生徒会にはキミも入るということなのだろう?』

 「ああ。天ヶ瀬だけ入れさせるわけにもいかないだろ?」

 『なら楽しみだ。生徒会を通してまだ知らないキミのことを知ることができるかもしれないからな』

 その言葉に少し照れ臭くなる。

 「わ、わかったよ!とりあえずサンキューな!詳しいことはまた学校で!」

 『ああ、また』


 天ヶ瀬との電話の最中で俺は悪いこととはわかっていたが、安心してしまったのだ。

 天ヶ瀬は本当に俺がことが好きなのではないか、と。

 あの日、屋上で約束を交わしてから真っ直ぐではないが天ヶ瀬は俺に好意を示してくれるようになっていた。その思いを疑っていたわけじゃないけど、改めて天ヶ瀬の想いが本物だというのに気づかされてしまったというか。

 だけど、そう思うだけじゃあダメなんだ。

 天ヶ瀬の気持ちに安心して、天ヶ瀬の気持ちを利用し続けるなんてこと、絶対にしたくはない。だから俺も真剣に向き合っていかなければいけない。先送りにはせず、できるだけ早い方がいいだろう。どんな結果になろうとも、天ヶ瀬の気持ちと努力を無駄にしないために。



 「会長、この二人が生徒会に入ってくれる天使たちです!」

 次の日の放課後、俺は天ヶ瀬と美亜に生徒会室に来てもらっていた。まず美亜を学校に連れてくることが疲れたけどな!

 「あ、天ヶ瀬有希葉です。ゆずりは会長これからよろしくお願いします」

 「有希葉ちゃんね、こちらこそよろしくね!」

 さすが会長だ。おそらく初対面であろう天ヶ瀬と美亜に対してずっと屈託のないスマイルを送っている。プロ意識たけぇー。

 「で、こっちが俺の妹である鳴瀬美亜なるせみあです」

 「ん。よろしくね比奈乃」

 んなっ!?この駄妹だもうと、いきなり会長を呼び捨てかよ!しかも俺に自然と自己紹介をさせやがったな!?

 「うん、よろしくー!」

 だが、会長はぶれない。ここまでくると心が寛大というか、何というか、何でも許しちゃう子供みたいな?感じだよな。失礼かもしれないけど。

 おっと、そうだ。あと一人のメンバーが誰か会長に説明してもらわねば。

 「さぁ、会長!あと一人ですよ!バッチリですか?!」

 会長は胸を張り、「エッヘン!」と言った。いや、ちょ、胸を張らないで会長、目のやり場が......。

 「ちょっと待ってて?すぐに呼んでくるからー!」

 ——胸を張った時の会長の胸はなんというか破壊力抜群だったなぁ。

 そんな煩悩に支配されていた俺だが、会長が連れてきたもう一人のメンバーがあまりに衝撃的過ぎて、その煩悩は初めから存在しなかったかのように消え去った。

 会長が連れてきた人物それは——、

 「初めまして、比奈乃会長の幼馴染の櫻川・F・シャーリィです」

 そこには少し恥ずかしそうに頬を染め、ツンとしたオーラを放つ金髪の女子が......。


 ——ってああぁ!?思い出した!というかなんでこんなインパクトのある子を忘れていたんだ!?

 


 彼女は櫻川・F・シャーリィ。俺と同じで学年は二年。

 そして、学園三大美少女の最後の一人である。

 

 

はい。「君を知らないと」では書かれてなかった有希葉と裕人の約束がわかりました。意外と平凡なものだったという(笑)

まぁ、作中では平凡なものだったとは思っていないのでそこは目をつぶってあげてください!

やっと最後の学園三大美少女を出すことが出来ました!

ちなみに櫻川・F・シャーリィのFは「フォルセリア」と呼びます(笑)

まぁ、どうでもいいことは置いといて。

次回もよろしくお願いします!!

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