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会長の正体が意外なんだよ?

 はい。二話です。学園ギャグラブコメだなんて自分で言っといて果たして本当にそうなるのかはまだまだ分かりません。そのうちギャグが消えるかもしれません。現在消すつもりはありません(笑)

 まぁ、二話でも嘲笑していって下さい。

 俺、鳴瀬裕人なるせひろとは今とてつもなく困っている。

 その理由は、まぁ簡単に言ってしまえば俺の大切な『モノ』を校内の図書室に落としてきてしまったのだ。

 俺は『週刊少年チョップ』という週刊少年漫画雑誌で、『ぷちトマト』というペンネームで漫画を連載している漫画家である。と言っても、俺は絵は描けないから原作担当だが。

 その原作担当である、俺の漫画のアイデアが詰まっているネタ帳(メモ帳)を図書室に落としてしまったらしい。

 先程放送で言われていた落とし物は多分、いや絶対俺のだ。

 ——やばいやばいやばい。どうしたらいいんだろう。中身見られてないよな?

 俺のネタ帳には少し『アレ』なことが書かれているため、誰かに中身を見られてはいけないのだ。

 しかも拾い主はおそらく会長。女子である。つまり今は危機的状況だ。

 いや、違うよ?俺は変態じゃないよ?あくまで漫画のためだから。漫画の。

 ——なんて、自分に言い訳しても無駄か。

 いざという時は会長の奴隷になる覚悟くらいしておかなくては。アッチ系の奴隷には......いや、やっぱなりたくない。一瞬悩んじまったぜ。そういうのはサイの役割だからな、俺じゃない。

 そうこう考えているうちに生徒会室の前まで来てしまった。生きて家まで帰れるかがここで決まる。メモ帳の中身が見られていたら一発アウトである。

 だが、ここまで来て逃げるわけにはいかない。あれがないと俺は漫画の締め切りをまた守れずに、担当者の人に殺されるかもしれないんだからな。

 ——ふぅー。よし!いざ参らん!!

 「し、失礼します」

 ドアを二回ノックし、「どうぞ~」という声がしたのでビクビクしながら入室。

 「あっ」

 「ど、どうも......」

 ——気まずい!!!何なんだこの空気は。まるで白鳥の群れに一羽だけ、アヒルが混じっているみたいな感じだ。アヒル混じってんのなんか見たことないけど。

 この空気じゃ埒があかない。俺から切り出さないといけないみたいだ。

 「あの、さっきの放送の落とし物なんですけど」

 「あ、うん。それのことなんだけどね?」

 それのこと?ネタ帳についてだよな?普通こういう時は——。

          

 「すいません、落とし物なんですけど」

 「あっ、これのことですね?」

 「あぁ、それです。落とし物を拾ってくれるなんて、お優しい方だ」

 「そ、そんな......」

 「僕と、付き合ってほしい!!お優しい姫よ!」

 「きゃっ!喜んで!」


 ——みたいな感じだろ!?こうじゃないとすれば、まだ話はあるってことだよな。

 「あのね......わたし、あのメモ帳の中、見ちゃったんだよね」

 いきなりストレートに言われ、少し思考回路が停止した。

 「......Realy?」

 「うん。ご、ごめんね!」

 見ちゃった?ネタ帳を?それってつまり......。

 「鳴瀬裕人先生の次回作にご期待ください」

 俺の人生という名の連載漫画はここで打ち切りだ......。

 「え?ど、どうしたの!?」

 俺の言葉に会長が驚いて、顔を覗き込んでくる。

 「い、いえなんでもないです」

 会長の顔が近かったので、ギリギリ一命をとりとめた俺氏。

 「そ、そう?あの聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

 ——聞きたいこと?あぁ、なるほどな。この後の展開がわかる、わかるぞ。

 聞きたいこと→メモの中身→それに俺が答える→「エッチ、変態!もうわたしの前に現れないで!というか地球上から消えて!」って言われる→人生打ち切り。

 ——だが、そうなるのは素直に会長に聞かれたらだ!だったらそうなる前に行動あるのみ!

 「すいませんでしたぁぁぁぁ!!!」

 「えっ?ちょ、ちょっとなんで謝るの!?」

 いきなり俺に謝られた会長は困惑している。だがそれでも、俺はやめるわけにはいかないんだ!

 「違うんです違うんです!『アレ』な内容が書かれていたのには事情があって、決してそういう妄想が好きだとか、妄想メモ帳を持ち歩く趣味とかではないんです!だから奴隷は勘弁して下さいぃぃぃ!」

 「ど、奴隷??なんでそんな考えに!?それに仕方ないじゃない」

 「え?し、仕方ない?」

 ——どういう意味だ?もしかして男ってそういう生き物だと思ってらっしゃる?

 「あ、ごめん!そういえば、自己紹介してなかったね。わたしは楪比奈乃ゆずりはひなの。君は?」

 「な、鳴瀬裕人です」

 確かに自己紹介をしていなかった。多分いきなり俺が意味の分からないことを言ったり、懺悔し始めたからだろう。

 「裕人君ね。それで話を戻すけど、メモ帳にああいうこと書くのは仕方ないよ!」

 ——おぉ、熱弁ふるっていらっしゃる。なんで仕方ないのかは知らないが。

 会長の熱弁に驚いていた俺だが、会長が言った仕方がない理由の方が、俺にとっては驚きだった。

 「だって、裕人君、『漫画家』なんでしょ?」

 「え?なんで、それを......?」

 俺は本当に驚いていた。あのメモ帳を見て、俺を漫画家と当てるのは俺の漫画を毎回見てくれている読者さんくらいしかわからないはずだ。しかも俺が原作を担当している漫画は『アレ』な内容だ。とても女性読者が多い作品とは自分でも思えない。

 「た、確かに俺は漫画の原作をしていますけど......」

 そう言うと会長は目をキラキラさせて、俺を見る。

 「ってことは、裕人君が『ぷちトマト』先生なの!?こんなところで会えるなんて......!」

 か、感動しすぎな気が......。というか、ペンネームまで知っているとは。

 「か、会長、あなたは一体?」

 俺がそう聞くと、会長は笑顔で俺に向かってこう言った。

 「わたしは、ぷちトマト先生の漫画の作画担当、『ゆずちゃん』です!」

 ——ゆ、ゆずちゃん?ってことは楪比奈乃会長が、俺の漫画の作画担当あの『ゆずちゃん』さんだって!?

 「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!??」

          ◇

 「タダイマァ......」

 「おかえり、お兄ちゃん」

 家に入ると妹の美亜みあがおかえりと言ってくれる。お兄ちゃんウレシイ。

 「ん、どしたの?なんか生気吸い取られたみたいな顔してるけど」

 「わかるか?妹よ......」

 そう、会長の衝撃告白を聞いた後に、話がかなりヒートアップしてしまったのだ。会長はそれほど『ぷちトマト』先生に会えたのが嬉しかったのか、俺は質問攻めにあったのだ。あそこの場面は面白かった、とか、ぷちトマト先生のおかげでいつも絵を楽しく描けてます、など。

 こっちは、楪会長が俺の漫画の作画担当の『ゆずちゃん』さんだっていうことに驚いて何を言えばいいのか分からなかったのに、会長は俺がぷちトマトだと分かったらすぐに質問攻めという連続コンボを畳みかけてきたのだ。

 ——今思えば、いつも締め切り遅らせてごめんなさいくらい言えばよかったなぁ。

 だが、会長には「出来れば明日も生徒会室に来てほしい」と言われたので、明日にでも今まで迷惑をかけた分、ちゃんと謝ろう。 

 ——しかし、あの会長がねぇ。

 俺の漫画が連載し始めてからもう一年くらいになる。つまりは、あの会長と一年ほど一緒にやってきたということだ。あの綺麗な会長と。

 そんなことを考えていると、少し変な感じがした。

 ——だって、一年前はお互い顔も知らずに漫画を作っていたんだよな。同じ学校に通っていて、廊下ですれ違ったこともあるのに、だ。

 「ほんと、驚いたな」

 サイの場合は「運命だ!」とでも言いそうだけどな。

 まぁ、運命だなんてそんな簡単にやってくるものじゃないしな。

 「お兄ちゃん、ご飯まだなの~?」

 そんな風に考えにふけっていると、美亜がエサを寄こせと言ってきた。

 今はとりあえず飯を作って、ネーム完成させることに集中しよう!

 「今、作るよー!」

 飯を作って美亜と二人で夕食を食べた後、俺は返してもらったネタ帳を見ながら、半ベソをかきながらネームを手書きで書いた。夜中の三時まで。

          ◇

 運命なんてそんな簡単にやってくるものじゃないと否定したが、徹夜明けの次の日にあんなことが起こるとは思わなかった。

 なぜなら、会長を含む『学園三大美少女』のうちの一人である、天ヶ瀬有希葉あまがせゆきはに告白されることになるとは思ってもいなかったからだ。


 読んだ感想はいかがだったでしょうか?二話目にしてギャグが少なくなってきている気がします......。

 昨日一話を書いて、今日二話を書いたということで少し疲れています(笑)二話は小説のネタ帳にネームを書かずに書いたので、書いているときに悩みながら書いたところも多々ありました。なので、少し文章がおかしかったりする場合は申し訳ありません(笑)

 春休み中は出来るだけ毎日13:00には上げたいと思っております。

 一話、二話と読んでくれた方々は三話もよろしくお願いします。

 では、明日かどうかはまだ分かりませんが次の三話でお会いしましょう。


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