無限の可能性
何が起こったのだろう。分からないが、もしかするとこの石が関係しているのかもしれない。そう思った私は光る石を握りしめ、化物の方へと体を向け、
「いけええええ!!!」
と思い切り叫びました。これで何か攻撃できるかもしれない。自分なら出来る!
「ウルヴォオオオオ」
しかし何も起こらない。むしろ大声を出したせいで化物どもが全て自分の方に向かってきた。まずい、まずい、まずい!
「ギュアアアア」
先程のレーザー攻撃が再び来る!今度こそ駄目だぁ!!!次の瞬間、私はこの石が攻撃を反射しているところを見た。そして、化物が倒れていく様子も。
私はそこで意識を失ってしまいました。
それからしばらくして、意識を取り戻した時には私は見知らぬ家の布団で眠っており、その横にはコメとスープのようなものが置いてありました。そう言えば何も食べていませんでしたね。
食べていいものだと判断し、食事を始めました。それから10分ぐらい経った時に
「おぉ、起きられたか」
サムライの声です。サムライが私の元へとやってきました。良かった。無事だったようです。
「あの、ここは」
「拙者の家だ」
どうやら私を運んできてくれたようです。
「その、運んできて下さってありがとうございます」
「いや、拙者こそ主に礼を言わねばならん。 あの時、そなたが石を使い奴等を倒さねば死んでいたかもしれんからな」
「見ていたんですね」
サムライは首を縦に振る。意識を失っていたと思ったがどうやら意識が残っていたようだ。
「拙者も今まで石の力を使うものは数多く見てきたが、お主のように修行もせず、力を引き出せたというものは見たことがない」
「修行が本来必要なものなのですね」
実際、私も光りだしたときに驚いた。それに加えてあれほどの力があるのだから何かしら習得するべきことがあるのだろうとも思った。
もし、この世界から抜け出せないとなると、いつまたあの化物たちに襲われるかもわからない。石を使いこなせるようになっておいた方がいいかもしれない……。
「あの」
「何だ?」
「石の力を使えるようになりたいのですが」
サムライは顎を擦りながら暫く考え込み、それからゆっくりと、
「では、私について来い。お主なら救えるかもしれん、この町を、いや国を」
私は体が回復してからサムライと共に屋敷を出て彼が言う修行をする場所へと歩み始めた。