崩壊と覚醒
町へ近づいた時に悲鳴が聞こえてきました。先程の話から化物である可能性が高いですね。それを思ってかサムライも走り出しました。
「急ぐぞ」
「はい!」
町へ到着すると、そこには既に大量の化物たちがいました。家は多くが全壊、人は重傷のものが多数いました。私は早くもこの場から逃げ出したかったのですが、サムライが、
「拙者の後ろに隠れておれ」
と件の石を取り出し敵の前に立ちはだかったのですが……、
「し、しまった……」
「ど、どうしたのですか」
「拙者の能力は言語を理解する能力だけだった」
そう言った後、彼は化物に吹き飛ばされました。
「おサムライさーーーん!!!」
私の前まで飛んできた彼は意識を失っていました。彼を起こそうとしていると、前方からズシンと重い音が。
あぁ、これはマズイかもしれないな、と思いながら恐る顔を上げるとそこには星の数ほどいる化物たちの中でも特に大きいと思われるものが立ちはだかっていた。
まずいと思いましたが、自分にはどうしようもない。殺されてしまう、ここで終わってしまう。
まぁしかし、私は元々死のうと思っていた人間のはずです。そんな人間が死を恐れるとは私はまだ生への執着が強いということでしょうか。
どうせなら痛みなく殺して欲しいな、と思っていたのですが、どういうことかサムライの持っていた石が光りだし私の元へと飛んできました。それと同時に化物は口からレーザー光線のようなものを射出してきました。
「ヴォアアアアアア」
その攻撃で倒れたのは私ではなく、化物でした。