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サムライの石

アタフタしている私を見てサムライは懐から大きな石のようなものを取り出しました。そしてそれを口に当て、彼が喋ると先ほどまでの日本語(?)とは違い私のよく知る英語が聞こえてきたのです。


「お主は何者だ、答えよ」


 驚きながらも私は質問に対し、


「ニューヨークでエンジニアをしております、ジョディー・ワンドと申します」


 と答えるとサムライは怪訝な顔をし、


「にゅ、入浴……? 演者にあ? 全く何をいっておるのか分からん」


 ああ、伝わっていないのかもしれません。もしかするとここはニューヨークという地名ができる以前の世界という可能性もあります。


 「しかし、お主の名は分かったぞ。うむうむ、所出井か。やはり異国の者の名は変わっておるの」


 少し発音が違うのは気になりますが、しかし私は今2つの不安を解消しました。一つは意志の疎通が出来ること。二つに相手に私への敵意がなくなっていることです。(最初から敵意はないようにも今思えば見えたのですが)


 しかし、ここでサムライと話す暇があるのならば早く元の世界に戻って友人の後を追いたい。とそう思っているとまたサムライは石を口に当てて


「そう言えばお主と同じような異国の者がここにもう一人おるぞ」


 と言う。


「え!? そ、それはどこですか」


「拙者の家だ。七日程前に急に拙者の家に現れて意識がないようじゃから看病していたのだ」


「会うことは出来ますか?」


 もしこれで会えるのならば何かこの状況になった理由が分かるかもしれないと思った。私の問いに対するサムライの答えは、


「今は出来ん」


 それを聞き私はいっきに地の底へ落とされた気分になりました。いっきに地の底へ落とされた気分になりました。出来ないと言われても納得できないので、


「何故できないのですか」


 と聞いてみると、


「それも答えられん」


「お願いします! 教えてください!!」


「……仕方がない。いいだろう教えてやる」


 そう言ってサムライは話を始めました。まず先程の石のことについてですが、なんでもあれは宇宙から降り注いできた隕石の欠片で人が手にすることにより一人一つずつなんらかしらの能力を手にすることができるというもののようです。そんなオカルトチックな話はとても信じられませんが。そして、何故そうなるかという原理は解明されていないようです。


 それと、隕石が落ちてきた日からよく化物が月からやってくるようになり、その退治のために将軍と呼ばれるこの国のトップが化物討伐軍を編成しているという話も聞きました。


 また、この話と同時に今この国はほとんどの国との関係を断っており、私がいることでどうなるか分からないので世話してもらうことになりました。


 化物が出るとはこの異世界、とても恐ろしいものです。しかし、


「あの、理由がまだ分からないんですが……」


「理由は今が最も化物が活発になる時間だからだ。化物どもがいる間はしっかり門を閉じておかねばならんのだ」


 なるほど、だから家に入れないと。


「あと、拙者は化物がいるかどうかを確認するために見廻りに行こうとしているのだが、ここに一人でいては危険であろうからお主もつくいてくるが良い」


 そう言われて私は何もこの世界のことも分からないですし、生活も出来ないのでサムライについて行くことにしました。


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