解析、証明
幻とはいえ、ここは私の住んでいた街「ニューヨーク」
戦いの上では私にアドバンテージがあるとは思いますが、気は抜けません。
まずは、近くにある大理石のオブジェを背後からぶつけます。
「はぁっ」
「甘いっ」
! ハイスピードで当てにいったにもかかわらず避けられました。
どうして避けられたのか……。私が考えようとするのを魔神は妨害してきました。
「考える暇なんて与えないよ」
魔神が放った風が槍のようになり私の体を突き刺します。
「ぐ、ぐぁああ!!!」
「そのまま楽になるがよい」
「お断りですよ」
先程外したオブジェをもう一度当てようとします。しかし、
「ざーんねん、外れ~」
「本当に残念です」
「本当にね~」
……あなたが。
「がっ、なっ何っ!?」
魔神は二つに分かれた大理石に挟まれて動けません。私がしたんですがね。
「私はあなたの弱点の解析を終了しました。もはや、あなたは私には勝つことができない」
「何を、どうしてこんなことが」
「簡単なことです。あなたは風の使い手。あなたは敵の攻撃を見切る際に風を読むのだろうと思いました」
そう。二度戦い観察した今だからこそこれが分かる。
つまり、一つの物質を一瞬間で形を変えることにより反応する速度を超えるのです。
「くっぐぬぬぬぬぬっ! 絶対に許さんからなぁ!」
「……何のことですか?」
「しらばっくれるな、お前たち人間の罪は一生消えない」
「何だか分かりませんが、そろそろ終わりましょうか」
QED証明終了