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プロローグ 『暗がり』
--今日も私は牢屋の中だ。
周りからは魔女だと罵られた。仲間を失った。家族を失った。残されたのは自分のみ。
両腕の枷にはもう慣れた。初めは引きずるだけでも精一杯だったけど今では軽く持ち上げられるくらいに。
あれから四年も経ったのかと最近よく思う。でも、太陽の下に顔を出したのは四年前のあの日が最後。日にちの感覚が麻痺してる気もするけど、多分四年くらい経つ。
衰弱のせいで魔法も使えない。そもそも使う気なんてないけど。でも、この力のせいで私は今ここにいる。救いたかった。ただそれだけだったのに。
今日も彼女はベッドの上。地下深くの暗い牢獄の中。そして彼女は思うのである。
『いつになったら死ねるのか』
と。
今日も彼女は牢獄の中。それが彼女の運命だから。