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03.おっさんは嫌だ

 目が覚めると俺は自室のベットで横になっていた。


「目が覚めましたか?」


 ベットの横に一人の女性が座っていた。


「外傷はありませんでしたが、とりあえず回復魔法をかけておきました。もしまだどこか痛いところがあれば言ってくださいね」

「君は・・・?」

「私は最近このお城の護衛プリーストとして雇われた、アンリと申します」


 肩まで伸びた、セミロングの栗色な髪。ちょいと童顔っぽい顔。

 うむ。かわいい。70点くらいだな。

 最近外で遊んでばかりで、城にこんな子がいるなんて気がつかなかった。


「あ!それよりも目が覚めたらすぐ大臣のところに連れてくるように言われてたんでした!さぁついて来て!」


 そう言うと女の子は俺の手を取り部屋から連れ出す。


「きっとご褒美がもらえるじゃないかな!あなた昨日魔物を退治したんだもの!」


 魔物を・・・。ああそうだ!なにかが駆けつけてきて俺は助かったんだ!しかしなぜ俺が倒したことになっているんだ?などと考えてるうちに大臣の部屋ついていた。


「では、私は仕事に戻りますので」


 とアンリは去っていった。


「ヨースケ様!!昨日はお手柄でしたぞ!!まさかあんな魔法を隠し持っているとは!」


 部屋に入るやいなや大臣が話しかけてきた。


「俺はただ食われそうになっていたところを誰かに助けてもらっただけじゃ・・・」

「何をいっているんですか!まさか勇者様のアンデットを召喚してレベル50はあるであろう魔物を倒すとは・・・!」


 あ、ああ、意識がなくなる前に見た人影、あれは光太郎だったのか。

 にしても流石レベル80のアンデット勇者、50レベルの魔物はワンパンか。


「っと、いかんいかん。つい興奮してしまいました。本題に入ります!昨日勇者様の体と魂を取り返すために兵を集めていると言いましたが、ヨースケ様の魔法により体はこちらが手にしました。あとは魂だけです!ヨースケ様のお力で魂も取り戻していただきたいのです!」

「元々俺もそのつもりだったし、まかせてくれ」

「おお、それは心強い。では今から王に謁見し、明日には出発していただきたい。それまでに旅の仲間を一人探しておきましょう」


 頼られるってこんな気持ちいいことだったんだ!光太郎、お兄ちゃんおまえの気持ちが少しわかったよ。なんとなく遠い目をしながら、故・光太郎のことを俺は偲んだ。


 ・・・ん?一人?


「へいへい大臣。今のは聞き間違いかな?旅の仲間を一人つけるって。兵を集めてるんだろ?大勢でいけば良いじゃない。」


「ヨースケ様。兵を引き連れている間この城は誰が守るのですか?あなたという切り札を得た以上、過剰に人員は割けないのです。」


 府に落ちねぇ!けど最強スキルがあるって思うとまぁいいかなってなっちゃう!


「あっ、そういえば光太郎は!?」

「ん?先程からヨースケ様の後ろにいるではございませんか。」


 振り向くと表情の死んだ(表情どころか体も死んでるが)土色の弟が間近でじっと俺を見ていた。


「近っ!!怖っ!!!」


 全然気づかなかった。怖いししまっておこう。


「魂亡き者よ、眠りにつくがよい!」


 詠唱を行うと魔方陣が現れ光太郎は魔方陣の中に沈んでいった。




 王の間にて、俺はいつかの光太郎のように王よりありがたーいお言葉を頂き旅に出ることとなった。

 王は旅の役に立つだろうと地図、マジックアイテムのペンダント、100ゴールドをくれた。女の子かいるお店で遊んだら二日で消える額だ。ケチ臭いじじいめ。


「ヨースケよ、おまえ一人での旅は心細いであろう。旅のお供を一人遣えさせよう。お供の希望の職はあるか?」


 希望の職かー、俺と相性が良い職ってなんなんだろうなー。やっぱり回復かな?勇者が強かろうが、俺の戦闘力はスライム以下だ。俺が狙われたら元も子もないしなあー。


「回復が得意な人でお願いします!」

「ほお、それはちょうどよい。ワシの付き人に上級プリーストがおる。そいつをつれていくがよい」


 すると王の後ろから厳ついおっさんが出てくる。

 やっと主人公になれた俺のお供がおっさん?い、嫌だ!

 こういうのは若い女の子がお供って決まってるだろ!!


「王よ!この度は少人数の旅です!町に溶け込み情報収集する機会も多くあるかと思います!それに適した者、つまり若い女性プリーストを希望いたします!!!」

「ふ、ふむ。なるほど。条件に当てはまる者はこの場にはいないのぉ。明日までに用意しておく故今日はゆっくり休むがよい。」

「ありがたき幸せ!!!」


 そうして俺は、王との謁見を終わらせ、しばらく行けなくなるであろう賭博屋に遊びに行くのであった。

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