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01.兄より優れた弟はもちろん居る

初投稿です。拙い文章ですが、よろしくお願いします。

 覚えているのは一つ下の弟、光太郎とリビングで下らない世間話をしているところだった。

 唐突に光に包まれ、気がつくと俺と光太郎は見知らぬ世界に召喚されていた。目の前で大臣とか言う人がやれ勇者だの選ばれたのだとかそんな話をしている。


 一体何がどうなってるんだ。混乱で頭がぐるぐるする。ええと、弟は勇者で光太郎で俺の弟で、俺は・・・?

 落ち着け、俺。クールに自分の事を思い出せ。

 名前は中島陽介、高校2年生。趣味は特になく、彼女はいない、いたこともない。うーん悲しい!


 大臣の話も終わったのでまとめると

・どうやら弟は勇者に選ばれたらしい

・もとの世界に帰るには魔王を倒さなければいけない

・俺は近くにいて巻き込まれた


 こんなところだ。

 さすがは我が弟。勇者の才能があるなんてお兄ちゃんビックリだよ。

 あれよあれよとこの国の王様から直々にありがたいお言葉をいただけるとのことで、なんだかすごい豪華な部屋につれていかれた。


 しばらくすると王様と呼ばれている人がきて偉そうに話をはじめる。


「勇者よ。よく召喚に応じてくれた。今この世界には四つの国があり、その国が交わる中心に魔王の納める魔物の国、魔王軍がある。この魔王軍は隙あらば我々人間の住まう領土を乗っ取ろうと進行してきおる。ワシら人間も抵抗は続けておるが、魔王軍の力は凄まじく~~~~~~~」


 なにやら長話になっているが要するによくある魔王たおしてくれやってお願いだろう。

 光太郎はなんだかすごく目を輝かせている。

 一通り王様の説明が終わると光太郎が口をひらいた。


「王様、まかせてくれ。俺がその魔王を退治してやるよ!!」


 この勇者、ノリノリである。

 だけどまぁ?俺も召喚された者として?協力してあげてもいいかなーーーとか思うわけですよ。


「元の世界に戻りたいからな。俺も協力させてもらうぜ!」


 弟の熱にあてられ少しテンション高く俺も声をあげる。


「ハッハッハ。やる気があって良いではないか。しかしまぁ待たれよ。お前達の能力をまずみせてくれ」


 そういうと王様は虫眼鏡のようなレンズで弟をを見始めた。そして驚く。


「ふむふむ・・・お、おおお、お主、職業は勇者なのは当然として、レベルが70!?限界レベルは100!?スキルも申し分ない!もう今の時点でこの国の誰よりもつよいではないか!!」


 それを聞き光太郎も照れている。

 国最強といわれて照れるだけとは我が弟ながら流石である。

 俺と違って昔からなにやっても天才的だったからなぁ

 けどまぁその兄である俺にもスゲー能力があるに違いない。

 弟よ、今までどうしようもなかった兄を見直すが良い。


「王様!!俺もみてくれ!!」


 王様は虫眼鏡で俺を覗く。


「あ、ああ。職業はネクロマンサー・・・!ネ、ネクロマンサーじゃと!?なんとレアな職なんじゃ!!流石は勇者の兄じゃ!!」


 ほら!ほら!!レア職だってよ!!聞いたか光太郎!?俺多分めちゃくちゃ強キャラな奴だろこれ!!

 興奮して鼻息の荒くなった俺は、「それで、レベルは!?レベルはどうなんだよ!?」と王様に詰め寄った。


「おお!きっとレベルも凄いに違いない。早速見てやろう!お主のレベルは・・・レベルは・・・2?・・・2!?限界レベルは3!?な、なんということじゃ・・・」


 え、何?王様のテンションが明らかにガタ落ちした。それになんか光太郎と桁が違ったように聞こえたんだけど、どういうこと?


「一般人ですらレベル10はあるというのに・・・」


 え、えー・・・


 部屋にいる者からの哀れみの視線を一身に浴びながら、俺はたたずむ他なかった。




 そして半年後──


「ちょっとヨースケさん飲み過ぎなんじゃないですか~?」

「なーにいってんだよ!俺を誰だと思ってやがる!あの勇者の兄上様だぜ~?」

「はいはいすごいすごい!だけど勇者様の身内でもお代金はちゃーんと払ってもらいますからねー」

「あったりまえだろー今日はいくらだ?50ゴールド?いつもより少ないくらいじゃねーか。あっはっは」

 金で女を買い、昼から呑んだくれているダメ人間の出来上がりである!!!


 俺だってね?召喚されたときはやる気に満ち溢れていたんだ。だが俺には才能がなかった。絶望的に。

 まぁ才能がないなら仕方ない。勇者様についていっても足手まといになるだけだ。


 光太郎も、

「魔王は俺が倒してくる。だから兄貴は俺の帰りを待っててくれ。兄貴がいる限り、俺は必ず帰ってくるから」

とか勇者がヒロインに言うような台詞残して旅立っちゃったしね。


 しかし残された俺の境遇は思ったほど悪くはなかった。勇者の身内ということもあり、王族と同様に扱われ、お城のお部屋に住み、毎日お小遣いもたくさんもらった。この世界では酒に年齢制限はなく、元の世界では味わえない娯楽が溢れている。

 新たな娯楽にはまってしまった俺はお小遣いで毎日遊び放題。うーんさいこー!

 ちなみに1ゴールド1万円くらいと思ってくれれば良いぞ!


 散々遊び、城に帰った俺は明日の遊ぶ金をもらいに大臣の部屋に行く。

 ん?なにやらさわがしい。なになにどうした。

 え?勇者が死んだ?

 ・・・え?


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