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第五話――左下方向に変化してくる球(シンカー)七――

 白が受けた後にあなたの投げ方はまた変化した。

 これも右の下手投げという表現になるのだろうが、斜め下投げだった。

斜め下手投げワン・クオーターって事は」

 紫が言う。

 ちょうど、取ろうとした少年の左手から零れ落ちた所だった。

「シンカーボールか」

 なぜかこの左下方向に変化してくる球は、今までの球の中では最速だった。

 そして、曲り、落ちる。

 面白いように当たっていき、残るは白と紫だけになった。


****


 黒は紫に、

「前回と前々回最後の一人としてここで脱落した」

 と言った。そして君に、

「今回初挑戦でここまで残った」

 と言った。

 黒は君に名前を訊いた。

 君は名前だけを短く答えた。

 黒は、

「どちらが先に受けるか」

 と問うた。

 君は紫と相談し、君が先に受ける事になった。

 紫は先に受けると主張したが、君は譲らなかった。

 君が腰を落として構えたので、黒は投げた。

 変化は分かっても変化量は分からない。さらに回転を抑えつけなければ取り落す。

 君は左前方に、バレーボールで回転レシーブをする様に転がった。腹の中心で受け、丸まったまま転がる。そして、受け切った。前方に移動する事で変化量を抑え、可能な限り正面で受ける事を考えた捕球だった。今までの球に使われた技術を用いた捕球だった。

「よく受けたな」

 紫が君に言った。

 君は照れたように笑い、紫にも頑張るよう、言った。

 そして紫も見よう見まねの回転レシーブ的捕球で受け切った。

 シンカーに当たったのは五人。残り二人。


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