表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

第二話――左方向に曲がってくる球(シュート)三十三――

 白がフォールボールを受けた後、ブレザーを脱いで地面に置き、カッターシャツの姿になったあなたのフォームは大きく変化した。

 最初は左の上手投げオーバースロー。今は少し下気味の右の横手投げサイドスロー

 最初に狙われた少年は為す術なく当たった。左手の辺りだった。

 次の少女はどこかポカンとしたまま体の右側に当たった。

 さらに、白のすぐ横に居た少年が当たった瞬間。白は気付いた。こちらから見て左向きに変化しているのだ。左方向に曲がってくる球。野球のシュートボールの様に。

 しかも、あなたはどうやら変化量を一定にしていない。

 よく見れば何とかなるし、白も何とか受け切ったが、白が予想した以上に脱落者が出た。

 フォールで篩い分けられたとはいえ、精鋭というほどでもない。そこまで上手では無い人は、ここでことごとくが脱落したのだ。

 白は、

「これが、彼の本気?」

 と、紫に問うた。

「いや、シュートボールは序の口だ。ここからがぼくらの試練だよ」

 と、紫は答えた。


****


 紫が言った「いや、シュートボールは序の口だ。ここからがぼくらの試練だよ」という言葉は、その通りだと黒は思った。まだドッジボールは始まったばかりだ。

 黒は今日初めてシュートボールを見た筈なのに受けた君を見て、期待に胸を膨らませていた。これから投げていく球をもしかしたら受け続けてくれるかもしれない、と。

 その後、黒はしばらくシュートボールを投げ続け、そして、君達の人数を数えた。

 シュートに当たったのは十二人。残り二十一人。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ