私の日常
まず、イマドキ女子の日常です。
私の朝は忙しい。
まだ開きたくないと抵抗するまぶたをこすって起床。顔を洗って、すぐにお弁当作りに取りかかる。
卵焼きを焦がしつつも出来たお弁当。
(うん、うまくできた!)
心の中でガッツポーズを決めてみたけど、お弁当に並んだおかずは焦げた卵焼き以外、全部レンジでチンの冷凍食品。でも、まあ、上出来。
制服に着替えてちょっと手抜きのお化粧をして。
食事が終わったら髪を巻くのをわすれない。
そして、鞄を持って鏡をチェック。
緩く巻いた、ふわふわロングの髪の毛、少しだけお化粧した顔、県内で一番かわいいと評判の制服、短く折ったチェックのスカート、ブランドのワンポイントの黒のソックス、高校生らしい革のスクールバックには友達とおそろいのうさぎのぬいぐるみのキーホルダー。
鏡に映された自分は今日も変わりない女子高生。
「よし、今日もオッケー」
玄関を出て少し歩いたところにある駅で、小学校からの友達の葉月と待ち合わせ。
電車に乗って5駅待てば、通い慣れた高校が見える。
5駅なんて友達とおしゃべりをして、意味もなくスマホを眺めていればあっという間に過ぎていく。
「結菜ちゃん、おはよう」
学校の玄関で友達とはいったんお別れして、別々の下駄箱で靴を脱ぐ。
上履きを出そうとしたところに、クラスメイトの男の子が後ろから声を掛けてきた。軽く、おはようと返事をして私は友達と合流。
「ねえ、今のサッカー部のエースの楓くんでしょ!?」
幼馴染みではなく、幼馴染みのクラスメイト真紀だ。
「日向くん、サッカー部のエースなんだ」
答えながらサッカー部エースと再認識した日向楓の後ろ姿を眺めているとと、後ろを振り返った彼と目があった。けれど彼は慌てて視線を戻して行ってしまった。
「あれは完全に結菜ちゃんに惚れてるねえ」
にやにやを隠せない真紀の横顔。その奥で、表情を浮かべる幼馴染み。
私はサッカー部のエースであんなにイケメンならモテるだろうな、なんて暢気に考えていた。恋愛はどうしてかいつも私の外側にあるんだ。
授業はちょっと退屈で、浅い眠りがいつも私を誘惑する。
だって、窓側の一番後ろの私の座席は、暖かい春の日差しで包まれてるから。
授業が終わった後の放課後の帰り道は、幼馴染みは部活で毎日忙しいからひとりぼっちだけど、それもなんだか心地良い。
家に帰ったら、ベッドでごろごろして。
夕飯を食べて、少し長めのお風呂に入っって、髪を乾かしたらまたごろごろ。
そして、電気も付けっぱなしで眠りに落ちる。
これが、私の日常。
読んでくださってありがとうございました!
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