表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/100

動物の匂い




 三好(みよし)景清(かげきよ)は検温がきらいになっていた。

 検温自体がきらいなのではない。いやなひとが来る時があって、きらいなのだ。

 いやなひと、は、師長である。景清はそのひとが来ると、動物のような匂いで気持ちが悪くなるのだった。

 どうやら、沢山の動物を飼っているらしいのだが、きちんと世話をしていないのだろう。あろうことか、ナース服に猫のものらしい毛がついていることもある。動物がきらいという訳ではないが、あまりいい扱いをされていないらしい動物が居るかもしれないと想像すると、気分が悪い。


 数日、師長が検温に来なかった。来ないと来ないで、もしやペットになにかあったのでは、と不安になってくる。それで、看護師に訊いた。

「師長さん、最近見ないですね。ペットになにかあったんですか」

「え? 王子師長のことですか? ペットなんて飼ってないですよ。ご家族で旅行だそうです」

 看護師は苦笑する。「というか、師長は動物ぎらいで有名です。ペットを飼うなんて不潔だって、飼いたかったら看護師辞めなさいとまでいうひとだから。ま、わたしはちゃんと気を遣って猫を飼ってますけど」


 それからも師長が来ると、やっぱり動物の匂いがするのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ