表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/100

動物の死骸を見付けた場合は




 宇喜多(うきた)みどりは、自宅の敷地の外れで動物の死骸を見付けた。


 みどりは動物にくわしくなく、その死骸が「なんなのか」がわからなかった。しかし、私有地で動物が死んでいた場合、ペットでなくともその土地の持ち主が処分しなくてはならないと知っていた。宇喜多家は敷地がひろく、野生動物が死んでいることはたまにあるのだ。


 みどりはそれが「なんなのか」わからなかったのだが、手を合わせて冥福を祈り、風呂敷を持ってきて包み、段ボール箱へいれた。どこかで供養してもらったほうがいい、と考えたのだ。

 みどりは同級生の家へ行った。そこは幡多神社という、霧上市でも古い神社だ。


「あれ、宇喜多さんだ」

 段ボール箱を抱えて神社へ這入ると、同級生の佐伯(さいき)が箒を手に立っていた。怪我をしてからずっとつけている眼帯は、あたらしいものになっている。

「こんにちは。どうかしたの?」

「あの……これ」

 おずおずと、箱をさしだした。佐伯はちらっとその中身を見て、頷いた。


 佐伯とその姉が、お経のようなものを唱えて、供養してくれた。みどりは手を合わせてそれを聴いていた。「宇喜多さん、いいことしたね」

「ううん。はやく気付いてたら、助けられたかも」

 近所のペット霊園へ預けてくれるそうだ。みどりは安心して、家へ戻った。




 数日後、庭に出ていたみどりに、あの動物に似た動物が寄ってきた。子どもかきょうだいだろうか。どうやら柿を食べたいようなので、とって与えた。この子はなんなんだろう。顔は猿に似てるけど、四肢は猫っぽい。

 動物はひょうひょうと鳴いて、喜んだらしかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ