表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/100

ラップの芯




 小山田(おやまだ)(かおる)はいとこの家に居た。

「腕、大丈夫なのか」

「だいぶよくなったよ」

 郁はにこっとして、左手で匙を持ち、ゼリーをすくって食べる。

 いとこの家はそう離れていないし、郁の家族は全員でかけている。右腕を自由にできない郁を見てくれないかと、両親がいとこに頼んだのだ。


 苦労してシャワーを浴び、洗面所で寝間着を着ていると、ラップの芯が足許に転がっている。「にいちゃん、これなに?」

「うん? あー、虫退治用。新聞紙よりもうまくいくんだよ。かたいし長さもあるからさ」

「へえー」

 いとこは洗面所だけではなく、台所にもラップの芯を立てておいていた。トイレの網棚にものせているという。

「いっぱい出るの?」

「まあまあ。友達に殺虫剤だめなやつが居てさ。アレルギーで。それで焚かなくなった。でも、夏場に二・三回見かけるくらいかな」


 翌朝、郁が目を覚ますと、自分といとこのまわりにラップの芯が何十本と立った状態で並べられていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ