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 中学生の大友(おおとも)(ゆずる)は、美容師に片思いしていた。

 その美容師は、禅が下校する時間帯にいつも、美容院の二階の窓辺に立っている。どこか遠くを見るような目をしていて、その下を歩く禅に気付いた様子はない。

 遠くから見るだけで、声も聴いたことはないが、口紅を塗ったぽってりした唇や、かすかに揺れる短めの髪、白くつくりもののような肌が、禅にはまぶしかった。彼女は端的に、美人だった。

 目が大きく、日本人離れした顔立ちをしている。髪も、栗色に焦げ茶がまざるような色で、おそらく白人の血が混ざっているのだろうと想像させる。窓からのりだすようにして、休憩でもしているらしい。いつも、はなびらを寄せ集めたようなふわふわした服を着ている。夢見るような彼女にぴったりだ。

 禅は、彼女が一階に居る時にその美容室へ行って、彼女に髪を切ってもらうのが夢だ。いつも、結婚式だとか卒業式だとかの女性しか出入りしていないような美容室だが、カットくらいはできるだろう。




 『ウエディングドレスのマネキン落下 中学生大けが 人間と思い助けようとしたか』




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