表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/100

空き家




 姉小路(あねがこうじ)(りつ)はその空き家の前を通るのがいつだっていやだった。

 二年前に四人家族が出て行ってから、そこはいやな雰囲気をまとうようになっていた。誰かが住んでいた頃は気にもならなかったのに、今は成る丈そちらを見ないようにして近くを通ることにしている。()()()からだ。

 近所のひと達もいい印象を抱いていないらしかった。子どもがはいりこんで遊んでいて、危ない、という話も聴いた。

 秋が深まってきた頃、その家が壊されるのだと聴いた。来年の初めに、有料の駐車場として運営をはじめるのだそうだ。律はちょっとほっとした。


 律が学校へ向かっていると、不意に気配を感じた。

 あの空き家だ。ビニールシートで周囲を囲まれているが、作業員が出入りしていて、その部分は開いている。

 半分壊れた家と、その二階の窓の向こうにそっぽを向いて立っている子どもが見えた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ