第四十四話 犬山城攻略戦
出陣から一日が経ち、犬山城を包囲するように布陣した信長軍は明朝攻撃を仕掛けた。
「弓隊、放て!」
信長軍と信清軍双方が矢の撃ち合いを始め、足軽や雑兵が壁に張り付き、塀を越えようとするのを城方は槍、熱湯、糞尿、投石などで攻撃していた。
「攻城隊を出せ!城門を打ち破るのだ!」
信長軍から丸太を担いで城門に向かい、城門に対して何度も丸太を押し当て、破壊することになる部隊である。
そして、第一の門が破壊され、城内に足軽を突入させた。
「敵が来たぞ!槍兵前へ!」
信長軍の槍兵と信清軍の槍兵や刀兵が入り乱れる乱戦になり、豪華な装束な装備をつけた者が討ち取られたりした。
一の丸にて乱戦になっていると二の丸に続く城門が開き、増援がやってきた。
「殿!そろそろ、日暮れです!撤退しましょう!敵に増援が来ております。」
「吾郎!信長様からの援軍か後詰の部隊は!?」
「後詰部隊は、とうに来ております。この乱戦の中、お味方衆は奮戦しておりますが退き時ですぞ!」
夕暮れ時になり、本陣から退却の合図の銅鑼がなり攻撃中の信長軍は城から退き始めたが、信清側からの追撃を躱すのに掩護部隊が投入された。
「それ!城にいる味方を助けるぞ!かかれ!」
追撃に来た信清側の敵兵を側面から突くような形で騎馬隊を突撃させ、混乱した所を足軽、騎馬武者などで乱戦に入り部隊の壊滅を恐れた敵側が一の丸を放棄するように二の丸に移り、追撃部隊も城に撤退した。
掩護部隊は一の丸に火付けを再度すると、直ぐに城から距離を取った。
そして、明朝再度攻撃を開始した。
初手に火矢を、何度も撃ち火災を誘発させ、攻勢を強めた。
城内では、信清と側近たちがどうするか決めようとしたが信清の討って出る意志が強く、女たちを密かに逃がす為、信用のある側近をつけ本丸から二の丸に移り戦闘指揮を取った。
「それ!もっと矢を放て!熱湯をかけよ!」
二の丸城門を防衛したが、塀を登った多くの足軽が城門付近で戦闘をして、一部の足軽が閂を抜き門を開いた。
「城門が開いたぞ!かかれ!」
多くの兵士たちが、そのままの勢いで雪崩込み激しい戦闘となった。
多くの足軽が死んだりした。
そして、信清は流れ矢で喉仏を射抜かれ死亡した。
「と、殿!殿ぉぉぉ!」
信清が死亡して、城は落城した。
こうして、信長は尾張上郡を手中に収めた。
下郡を押さえていたが、隣国に今川がいるのでしっかりと国境沿いにいる土豪達を支配しきれていなかったが、尾張を統一したのであった。
打ち切り




