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十六夜家の野望(仮)  作者: 十六夜 桜花
第一章 〜尾張統一戦編〜
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第四十話 尾張統一戦 〜清洲攻防戦 後編 〜

信長が那古屋に帰還してから数十日後、信長の叔父が信長を訪ねていた。


「これは、信光叔父上いかがなされました?」


「信長、ソチに相談があって参った。実はな、清洲方から寝返りの誘いがあっての。信長を成敗し尾張下四郡を分けようとな。」


「はぁ、叔父上。何故、相談なさるのですか?叔父上はどちらの味方か!」


「まぁ、落ち着け。そこで、ワシが今ここに居る理由じゃがな。あちら方に寝返ったフリをする。そこで中と外から攻めればイチコロよ。」


「なるほど、叔父上。わかりました。」


信長の叔父は清洲城に入り、信長と対峙した。

それから、約一年がたった。


「皆これより再度清洲を攻める。散々の挑発に対してと斯波様の仇討ちもまだじゃ!明朝、霧斎と合流したのち清洲を攻める。誰か、霧斎に伝えよ。」


「は!」


霧斎に伝令が走るとの同時に、城は合戦準備に入った。


領界線上ギリギリに十六夜隊が建てている砦に那古屋からの伝令がやってきた。


「十六夜殿は何処か!殿からの伝令でござる。」


この時、霧斎は砦の再度の改修と強固にするために櫓と柵を作らせていた。


「十六夜様。那古屋からの伝令でござる。広間に待たせております。」


「わかった。すぐ行こう。」


広間に向かった霧斎は、伝令からの言上を承った。


「申し上げます。明朝、那古屋をご出立相成ります。十六夜様には合流するようにとのこと。」


「わかった。すぐに準備する。誰か使者殿に湯漬けと飲み物を。ゆっくりと食べてから帰れ。」


「は、はぁぁ。有難き。」


霧斎は広間を出て自室に戻った。

自室に戻ると、参謀がやってきた。


「殿、いささかお早いですな。」


「仕方ないであろう。東は今川、松平がちょっかいをかけてくる。しかも斯波様が討たれたのだ。ご子息を保護して大義を手に入れた。下剋上出来るのだ。良いではないのか?」


「これで、城が落ちればよいのですが…」


「いささか、心配しすぎた。また、腹を下すぞ。」


霧斎は笑いながら、参謀をイジった。


「いやはや、これはいかがなさいましょうか。」


この参謀、どうでもいい情報だが心配しすぎで良く腹を下していた。

その分、能力は大したものであるので霧斎は気にかけてはいない。

実は、霧斎も余り人の事は言えない方である。


「殿、よろしいでしょうか?」


参謀と話していると外から使いの者が、声をかけてきた。


「入って参れ。」


近習の者が襖を明け、使いの者を中に入れた。


「ご使者の方、お帰りになられました。」


「わかった。主だった者達に戦支度をするように命を出せ。出発は明朝、信長様と合流するとな。」


「は。」


使いの者が外とに行くと参謀も失礼しますと言って外に出ていった。


「はぁ…清洲って一回で落としてなかったかなぁ…。あぁ〜わかんねぇなぁ…」


畳の上で横になり天井を見ながら歴史を思い出していた。

しかし、古い情報やゲームの情報しか出てこず、本当に一度で落としたのかも分からなかった。


明朝、戦支度を済ませた十六夜隊は砦を出発。

信長の軍と合流を目指した。

信長は那古屋から出発すると清洲を目指し進軍、十六夜隊と途中合流して再度清洲城を包囲した。


「清洲城を包囲する。前回を踏まえて夜間の警戒を厳重とせよ。以上だ。」


「ははぁ」


信長から指示を受け各隊配置に付き、包囲陣を敷いた。

包囲陣を敷いてから日が沈み月が出てきた。


〜少し時は戻り、清洲城内大広間にて〜


「大膳!信長めを撃つため打って出るのじゃ!」


「なりませぬ。」


「何故じゃ!出陣じゃ!出陣じゃ!」


誰も大将の指示に従うものはいなかった。

そのことに腹を立てた信友は、荒ぶっていたが周りの家臣に止められ、床几に座った。

坂井大膳が声を出そうとした所、兵士が報告に来た。


「申し上げます。織田信光様お越しになられました。」


すると大膳が床から立ち上がり出向かた。


「信光殿、良くお越しになられた。殿!これで信長めに勝てますぞぉ!」


それから信光を含めた軍議が夜まで続いたが、結論は出ず一旦籠城することとなった。


そして、時間は元に戻る。

甲冑姿の信光と刀を抜いた郎党が城内で信友側の雑兵を斬り殺していた。


「信友様何処ぞ!」


信友は大広間にて居た。

甲冑姿の信光と刀を抜いた郎党と死んだ者達が周りに居り、信友に切腹を迫っていた。


「おのれ…」


信友はそう言うと、腹を切り死んだ。


「信友は、死んだ!城の中、外を綺麗にせよ。この城そっくりそのまま信長の物となる。信長に伝えよ」


「ははぁ!」


郎党共と雑兵らは城内にいる死亡した雑兵達の処理と廊下を拭いていた。

清洲城の櫓から松明が振られていた。


〜信長本陣では〜


「誰か!誰か居らぬか!」


信長がそう叫ぶと、一人の雑兵が入ってきた。


「各隊に伝令。これより城に入るとな。」


「ははぁ」


雑兵はすぐに陣幕から出て手分けして伝令として、各隊に報告しに行った。


「わかった。」


各隊は返事をすると城へゆっくり近づき城門をくぐった。

こうして清洲城は内側から切り崩され落城した。


坂井大膳は事前に危機を察してか、城から脱出に成功。

夜陰に紛れて、何処なりへと消えって行った。

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