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十六夜家の野望(仮)  作者: 十六夜 桜花
第一章 〜尾張國編〜
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第二十三話 サル?禿げネズミ?動物登場?

婚姻関係が結ばれて数日後の厳冬、廊下を歩き外に出ようとした三郎が草履を履くとほんわかと温かった。


「貴様!草履の上に尻を置いていただろう!」


近くに控えていた小者は反論をした。

そして、胸元を見せるとその小者の胸には草履の跡が着いており、三郎は気が利くのと頭の回転が早いところを見抜き、小者から出世して財務管理の一部が任せられた。


それからまた数日が経ち、経費削減の為、全ての部屋にて経費削減になりうる物を探し始めた。


「よし、次はこの部屋だ。」


襖を開けるとそこには、柴田権六勝家、丹羽米五郎長秀、池田恒興の三人が居て、火鉢は三個部屋に合った。


「部屋に三人、この部屋の広さには火鉢は一個で充分。薪も少なくて充分ですので火鉢の二個は撤去いたします。」


撤去しようとすると柴田権六勝家が声を荒げた。


「小者の分際でこのような勝手が許されると思っているのか!」


「お言葉ですが、殿の直々の命令にて削減出来るところ削減し軍備に当てるようにとの命令で御座いますれば、殿のご命令に逆らうとの認識で良いですな?権六殿?」


近くを通っていた財務管理兼軍備管理をおこなっている霧斎が権六の声を近くで聴き、足軽に出世予定の猿というか禿げネズミが居たので一応そっち側に着いた反応をした。


「こ、これは霧斎殿。大殿の命令に逆らうなどと少し小者めに言っただけで御座いますれば…。」


「では、権六殿。市井の薪の値段はお分かりか?」


「い、いえ。」


「では、丹羽殿は?池田殿は?」


「拙者らにも分かりませぬ。」


「三者ともわからぬとは市井の値段は一本二十文~三十文前後で高いときには四十文前後です。これを火鉢を一つの部屋に三つと火を付けるために六本の薪に三十文を賭けると百二十文~百八十文と薪だけでこの値段です。一部屋に火鉢三つとすると二貫百六十文~三貫二百四十文になります。一月を三十日とすると一月三十二貫三千文~四十八貫六千文になりまする。これらが浮けば武具の整備から補充まで行えますなぁ。」


「ええぇい!分かったわ!とっとと持っていきやがれ!」


猿に撤去するように命令すると猿とお供の二人が火鉢を二個撤去していった。

部屋を出てから少しすると、猿か禿げネズミかわからないが声をかけてきた。


「十六夜様先ほどはありがとうございまする。なんとお礼を申し上げれば。」


「よいよい、気にするではない。そうだ、今から殿に先月の収支を説明しに会いに行くが一緒に来ないか?いや着いて参れ。その方の先ほどの部下たちは帰らせておけ。」


「は、は!早速申し上げて参ります。」


こうして十六夜霧斎と猿こと藤吉郎は殿に収支の説明をしに殿の居室へと向かった。


「殿、霧斎にございます。先月の収支の表が出来ましたゆえ献上に参りました。」


返事と共に部屋に入れと命令があったので、霧斎と藤吉郎が部屋に入り下座に座った。


「先月の収支を聞こうか。」


「は、先月の収支にございますがいささか赤字になっております。薪の高騰による赤字でございますので、部屋に使う火鉢の削減と薪の備蓄を行うことで今月は赤字にはならぬ計算にございます。詳細はこちらをお読みください。後ろの者は今回の火鉢の使いすぎの案を思い付いたものです。」


「猿のような見た目だな。まぁ、誉めてつかわす。」


「それでは、失礼いたします。」


部屋を退室して後日談藤吉郎だけ呼ばれて、足軽頭に出世したことを報告してきたので褒めて、誰か近習をつけないとなと話になったので藤吉郎が弟がいるというので、弟を小姓にするとのことで話が決まり、直ぐに迎えにいくように言い渡した。


それから数日後、藤吉郎は小一郎という者を連れてきたので軽く挨拶してから解散となった。

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