第十五話 一人目の一族現る
第20話までストックが出来たのでそれまで更新します。
月水金の三曜日に更新します。
侵入者を知らせる音がなると、法師は急いで寝室にある刀を抜き音のなる方へとすすんだ。
音のなったのは庭先で法師が到着すると罠に嵌まっている人がいた。
「何者だ!」
声を張り上げて何者かを問うと書状を見てその返答を持ってきたと言った。
母上とお菊が後ろから薙刀を持ってくると、罠にかかっている人物に母上は驚いていた。
「あんたも落ちたねぇ。」
「うるせぇわざとだよ。」
母上の知り合いらしいので法師は刀を地面に差した。
すると、罠にかかっている何者かが一瞬にして罠を解除して身軽になっていた。
そして、書状の返事を持ってきたと者とお菊、母上、法師は居間へと入っていった。
「此方が、当主からの返書でございます。」
手紙には返書を持たせたから使ってくれと書かれていた。
手紙の内容を見せると返書を持ってきた者は眼を見開き呆れていた。
そして、姿勢を直すと改めて自己紹介した。
「拙者、伊賀十六夜家二男の尚と言います。これからよろしくお願いいたします。(ちくしょー。くそ親父押し付けたな!)」
尚はそう言って頭を下げ、忠誠を誓った。
忠誠を誓うも、頭を下げた時の顔は悔しさが残っていた。
「これからもよろしく頼む。」
法師はそう言って解散するように促し、尚には尾張全体の情報を探ってくるように命令して解散した。
次の日は、法師は城に住むことになったので荷物を馬に括りつけて、城をめざした。
「それでは、母上、お菊言って参ります。」
馬を引っ張って十六夜屋を出ていき街道に出た頃、尚が戻ってきた。
「法師様、城に不穏な空気が流れております。何かある可能性があります。では。 」
尚は言うことを言ってからまた消え何処かへ行った。
「襲われたら撃退するだけだ。」
法師は一言そう言って城に着き、門番に挨拶すると居間に通され、吉法師と共に勉学に励む様と命令が下され、そのまま自分の部屋となる所に案内されて、荷物を片付けていると外からドタドタと走ってくる音が聴こえた。
「法師は居るか!」
法師のいる部屋の襖が柱に当たりバンと音がなるぐらいの速さで開けられたので法師はびっくりして声が裏返って声を出してしまった。
「き、吉法師様。」
「付いて参れ!」
そう一言だけ言って部屋を出ていった。
法師は大体解ってはいたので、急いで狩りの準備をすると城門付近で待機していた。
「流石よの。法師ゆくぞ!」
「は、はい!」
吉法師の乗った馬を走って追いかける法師だが、目的地に着く頃にはへとへとになっていたが、今度は野生の兎や鹿?鳥を追い込みをして、なるべく吉法師付近で移動させていた。
弓を構えていた吉法師が、野兎に矢を放ち見事命中した。
「三匹も取れた。よし帰るぞ。」
吉法師はそう言って馬の胴を少し叩きゆっくりと速度を上げて城へと目指した。
法師も物を回収して、直ぐに追いかけた。




