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洗濯



結局、またこの姿のままだ。


さて…………どうしたものか……。


この洗濯物をどう物干しにかける?


後ろ足で立って、咥えてかける◀️

後ろ足で立って、前足でかける


そんな甘いもんじゃなかった。前足で物干しに手をかけて、洗濯物を咥えて、何とか物干しに乗っけた。よし!何とか1枚いけた!物干しが低くて良かった……。


「紅葉~!何して遊んでるの~?」

そこへ二人がやってきた。

「遊びじゃない!ベランダは危ないから、中に入ってろ。」

「危ない?危ない所に紅葉はいるの?」

ポロが心配そうな顔をした。

「そ、それは……俺は大人だから……」

二人が微妙な顔をした。


いやいや、わかってるよ。そんな顔しなくても……。この姿で俺は大人だから~とか言っても、全く説得力がないって事ぐらいわかってる。大人だからというより……獣だから?獣って言えよって顔してる……。見た目は獣、中身は大人、その名も…………


「手伝う~!」

そう言ってポロはタオルを引っ張った。


ギャー!ポロ、それ今さっき苦労して乗せたタオル!いとも簡単に落とさないでー!ルン、無理やりかご引きずらないでー!


物干しには、ぐちゃぐちゃの洗濯物がとりあえず乗った。あの靴下、絶対落ちるな……。


まぁいいや……。とりあえず休憩しよう……。と思ってソファーに乗っていると、ガッシャーン!と音が聞こえた。何事だ!?


急いでキッチンへ行くと…………床に割れた皿が落ちていた……。

「…………ごめんなさい。」

二人の顔が…………みるみるうちに泣き顔になっていった。

「危ないから離れてろ。」

ルンが欠片を拾おうとして、足で欠片を踏んでしまった。

「痛いっ!」

「あ、ほら、だから離れてろって…………」

「う……うわぁあああああん!!」


あ、やべ……。

「あ、いや、大丈夫!怒ってないから!いやマジで!!二人とも、こっちにいて。こっち、こっちで…………キャラメル!キャラメル食べよう!」

俺はルンを背中に乗せてリビングのソファーに座らせた。靴下を履いていて良かった……。他に欠片、ついてないよな?靴下を脱がせてみると、少し血が出ていた。絆創膏なんかあったか?それより掃除機…………


あれ…………?ポロがついてこない。…………ポロ?


ポロが廊下で倒れていた。


えぇええええええええ!!ど、どうした?どうした?どうした?


「ポロ、大丈夫か?!」

「うん……だい……じょうぶ。」

顔が赤い……。熱!?熱出たのか!?どどどどいうすれば……どうすればいい!?とりあえず、ベッドに……。ポロをベッドに乗せると、ルンに呼ばれた。

「く~れ~は~!まだ~?」

こっちはポロが毛を掴んだまま離してくれない。

「うーん……。」

ど、どうすればいい!?どうしたらいいんだ!?


とりあえず…………とりあえず…………人間の手が欲しい!!人間に戻りたい!!


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