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おつかい



俺は…………バカか!?バカなのか!?

食品や日用品が欲しいなら、ネットスーパーがある!!なのに、何故、何故その事に気がつかなかった!?


気がつかず何故…………外に出て来た!?


それは2時間ほど前……


「お前ら、本当の名前は?」

「本当の名前…………?」

二人は顔を見合わせた。すると、女の子のお腹が鳴った。

「…………何の音?」

「腹……減ったのか?」

「うん。」


困った…………。


ここ数日引きこもっていて、ろくな食べ物が無い。出前でも取るか……。と、思っていたら、二人に見つめられた。何……?雛鳥の餌待ち?


「お買い物行く?ルンも行く!」

え…………そっち?

「僕も!僕も行く!」

買い物って……俺がこの姿じゃ……。

二人はソワソワし始めた。これ、買い物……行きたい感じ?


「おつかい…………行くか?」

「行く~!ルン!お買い物行く~!」

「ぼ、僕も!僕も!」


困った…………。


俺、財布と携帯と鍵、持てない。携帯は多分あっても使えない。諦めよう。あとは……。ふと、二人がリュックを背負っている事に気がついた。

「これ……そのリュックに入れてくれないか?」

「いいよ!じゃあ、ルンはお財布。お財布係。ポロは鍵係ね。」

「うん。わかった!」

二人はそれぞれリュックにしまって、靴を履き始めた。


何だろう…………。財布と鍵を持って出かける。そんな当たり前の事が、当たり前にできないなんて…………なんて情けないんだろう……。


こうして俺達三人は近くのスーパーへ向かった。


「道の真ん中を歩くなよ!車が来たら危ない!」

「はーい!」

二人は道路の白線の上を一列に歩いた。

「ポロ、この白い道から落ちたらワニに食われるからね?」

何だ?その設定……。

「なぁ、お前達、本当の名前は?」

「本当は名前?」

また……さっきと同じ反応だった。

「うーん、わかんない!」

「うん、わかんない!」

はぁ?わからない?じゃあ……

「母親の名前は?」

「ママ?ママは、葵。」

葵…………?知らない名前だ。やっぱり人違いか……。


少しホッとしたような……ガッカリしたような……複雑な気持ちになった。


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