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冒険者ギルドへ

(このままにはできないから努力したことにして6年間飛ばしてしまおう。8歳だね)

(この世界は産まれた時のステータスがオール2で、毎年2ずつ19歳まで上がるんだったわね)

(そう。全部で40まで何もせずに上がって、それ以上は努力次第だ)

(毎日農業に勤しむ農夫の筋力が100位で、特別に鍛える兵士なんかだと200位で、300にもなると超人クラスってことで良かったかしら?)

(その通り。それで彼の場合は8歳だから18。6年間の努力で掛ける2が6回の64倍。1152になっちゃうよ)

(それ、計算が違わなくない?)

(気付かれたか。本当は2歳の6に2を足して2を掛けて16、同じように次の年は36って感じに増えるんだけど、簡略化したんだ。数字が大きく出る分には大丈夫だろう)

(そうね。2倍にはならないし)


 父親はナーシュに言う。

「ナーシュ、我が家では代々8歳になったら冒険者ギルドに登録する義務が有るんだ」

 ナーシュはナビゲータースキルに尋ねる。

『冒険者ギルドって小説なんかに出てくるあれか?』

『その通りです』

「判った。行ってみるよ」

 義務なら仕方がないと、ナーシュは町へ行って冒険者ギルドの扉を開く。すると太った大男が立ち塞がった。

「小僧、俺は今、ガキをとっても殴りたい気分なんだ。不運と思って殴られろ」

 大男が拳を振り下ろすと、バキッと音がして大男が吹き飛んだ。ナーシュのカウンターが決まったのだ。

 どんがらがっしゃんと酒場のテーブルを巻き込みながら大男は倒れた。割れた酒瓶から酒の匂いが立ち籠める。

「ぐわっ! やーらーれーたー! 何てつーよーさーだー! ガクッ」

 居合わせた冒険者達は戦慄する。

「やべぇ」「つええ!」「何て小僧だ!」

 ナーシュは「やれやれ、目立ちたくなかったんだけどな」と独りごちながら不敵な笑みを浮かべた。


(んん? 酒場のテーブル?)

(普通に考えたら銀行や役所の待合室のようなもので、長椅子しか置かれてないものなんだけど、それじゃ迫力不足だろ?)

(それにしても待合室がそのまま酒場は無いんじゃない?)

(そこら辺の蘊蓄を聞きたい?)

(……遠慮しておくわ。某書のあとがきだけでお腹一杯)

(それは残念)


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