追放された勇者のフクシュウ譚
(ところでタイザイの結界? を、あいつはどうして破れないの?)
(単純な話さ。彼の攻撃力より防御力が高いんだよ)
(そんな強度、可能なの?)
(無論さ。数字だけの問題だからね)
ナーシュは追放された経緯を回想する。
「ナーシュは弱過ぎなのじゃ」
「ほんと期待はずれです」
「ご主人様よわよわでしゅ」
「何で、いきなりそんな話を!?」
「タイザイの為すがままだったのじゃ」
「条件をクリアしたら出してくれたからいいようなものの、無条件で閉じ込められたら出られませんよね」
「ご主人様だめだめでしゅ」
「俺が居なかったらみんな出られなかったよね!?」
「我らを槍玉に挙げるとは情けないのじゃ」
「勇者のすることじゃありませんわね」
「ご主人様かっこ悪いでしゅ」
「え!? 俺が悪いことになるの!?」
「自覚がないとはお粗末なのじゃ」
「こんな調子じゃパーティにおいておけませんわ」
「真のご主人さまじゃないでしゅ」
「追放じゃな」
「追放ですね」
「追放でしゅ」
「魔王はどうするんだ!?」
「そんなのは我らで倒すのじゃ」
「その通りです」
「ええ!? だったら俺、端から魔王退治の旅に出る必要無かったよね!」
「いつまでもぐちぐちと鬱陶しいのじゃ」
「そうですわ。直ぐに立ち去って欲しいですわ」
「嫌いでしゅ」
「うわーん! こんなことなら田舎でスローライフしてやるー!」
こうして復習は為されたのだった。
(こら!)
(どうしたの? いきなり声を荒らげて)
(手抜きもいいとこでしょ!)
(えー? 誰だって回想くらいするでしょ。嫌なことばかり何度も何度も)
(それはそうだけど……。って、ちょっと待って。この回想を何度もやるつもり!?)
(かも?)
(こら!)




