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奴隷

(いよいよ奴隷の登場だ)

(今更?)

(他にねじ込む場所も無くてね……)


 フロインが買い物を独りでしたいと言うので、ナーシュも独りで町を散策だ。

「さあさあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい。生きの良い奴隷が入荷しているよ!」

 奴隷商の呼び込みであった。

「奴隷?」

「あ、お客様、興味がお有りで? まあまあ見ていってくださいな」

「はあ……」

 ナーシュは流されるままに奴隷商のテントに入った。

「ところで、奴隷の用途って?」

「貴族様なら下働き、起業家様なら単純作業の労働者、冒険者様ならパーティーメンバーと言ったところでしょうか」

「パーティーメンバーに? どうして?」

「主人以外を全て奴隷で固めれば収集したものの分配に揉めなくて済むからでしょう」

「なるほどねぇ」

 説明を聞いてから並べられた奴隷達を見ると、筋骨逞しいのをアピールしている様子なども窺えた。

「どうでしょう? お気に入りの奴隷はお見つけでしょうか?」

「んー」

 ナーシュは考えるが、これといって心惹かれる奴隷も居ない。だからもうここを出ようと思ったところ、どこからか呻き声が聞こえた。

 ナーシュは声の聞こえた方に進む。

「あ、お客様。そちらはお勧めできかねます!」

 奴隷商の声を無視して進むと、瀕死の奴隷少女が居た。

「このこは?」

「顔も胸も火傷で焼け爛れ、手足も不自由なものですから何の役にも立ちません。近々処分する予定ですが、お客様がお望みなら銅貨一枚でお譲りしましょう」

「買った」

「ありがとうございます」

 手続きをし、ナーシュが奴隷少女を泊まっている宿屋に連れ帰ると、フロインももう帰っていた。

「そのこはどうしたのじゃ?」

「奴隷商から買った」

「それでどうするのじゃ?」

「こうする」

 ナーシュは治癒魔法で奴隷少女を治す。すると。

「ご主人様、しゅき!」

 ナーシュは奴隷少女に懐かれた。

「名前は?」

「ミロイン」

「これからよろしくな。ミロイン」

「うん」


(何なの、これ……)

(何なんだろうねぇ)

(ちょ……)

(奴隷って現実にはそんなに都合のいい存在ではないんだ)

(どう言う風に?)

(冒険者がパーティーメンバーを奴隷で固めるなんてのが特にそうでね。余程信頼されてなければサボタージュされて全滅する)

(信頼されればいいんじゃないの?)

(それができるなら、普通にパーティーを組んでも分配で揉めたりしないだろうね)

(ちょ……)


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