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ギルドの受付嬢

(お約束は続くよ)

(お約束なら飛ばしていいんじゃない?)

(んー、だけどお約束をお約束として存在したら、人は安心するものなんだ)

(そうなの?)


 ナーシュは受付に行く。

「登録したいんだけど?」

「ボクが登録するの? ちょっと待ってね」

 受付嬢が引き出しからカードを取り出して、四角い黒い箱に突き刺す。

「この箱に手を置いてくれる?」

 ナーシュが箱に手を置くと、箱が一度仄かに光った。

「はい、もういいわよ。さっきの活躍も見てたわ。えーと、ナーシュ君ね。こ、これは! ステータスが全部1000超え! レアスキルが、1、2……たくさん!」

 ギルド内がざわついた。

 ペラペラとステータスを喋った受付嬢にナーシュも呆れた声を出す。

「お姉さん……」

「ご、ごめんなさい! ステータスは秘密にしなくちゃいけなかったのに。あたしのばかばかばか」

 受付嬢は自分の頭を拳でポカポカと叩いた。

 一方、ナーシュは「やれやれ、目立ちたくなかったんだけどな」と内心で独りごちる。

「いいですよ、もう」

「何て寛大なのかしら。素敵だわ! 困ったことが有ったらお姉さんに何でも言ってね。いつでも力になるわよ」

 受付嬢はカードを渡す時にナーシュの手をギュッと握り締め、顔を赤らめつつ言った。


(黒い箱の正体は一体?)

(不思議だねー)

(不思議だねーじゃないわよ)

(だって、あれの中身なんて空っぽだもん)

(ええっ!?)

(端末はあのカードそのもので、あのカードには彼の識別コードが予め書かれているんだ)

(それで引き出しから出したのね!)

(……ねぇ、茶番劇をまだ続けるの?)

(てへっ)


 業務を終え、居酒屋で受付嬢役が管を巻く。

(何が哀しゅうて、あたしがショタコンの真似しなきゃならないのよ!)

(受付嬢役も大変なようね)

(ほんとよもう。普通にですます調で機械的に対応するならともかく、フレンドリーにってのが嫌)

(ショタ好きのあたしでもあいつは嫌だわ)

(え? あんたショタ好きだったの?)

(可愛い子限定ならよ?)

(見た目だけならあいつも可愛いわよ?)

(中身が可愛くないわ。あんただってそれが嫌なんでしょ?)

(うん)


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