プロローグ、又は転換点
勢いと思い付きで始めた作品ですが、なんとか更新は毎日しますので見捨てないで読んでください。
「気をつけ、礼『『『ありがとうございました』』』それじゃあ、早く帰れよ〜。
俺はテストの採点し終わって帰りたいんだよ。」
「先生良くそんなので教師になれましたね。不真面目過ぎるでしょ」
クラス内に笑い声が響く中、一人急いで教室から出て行く男子生徒がいた。
その男子は髪は少し目にかかるくらいに長く、眼鏡を掛けていて顔も初対面では覚えられないような、所謂地味顔と呼ばれるような顔だった。
その男子とは別に教室から出て行く女子生徒は、先程の男子生徒とは違い、
如何にも明るく、クラスカーストでは最上位に位置するようなショートカットの可愛いと言う言葉より、綺麗と言う言葉が似合うような生徒だった。
「澪〜、もう帰るの?駅前に出来たアイスの専門店行って見ようよ」
「今日は用事があるんだ〜。ごめんね」
「そっかー、じゃあまた今度いこうね。バイバーイ」
「バイバイ、美紅」
出ていこうとした鈴と呼ばれた生徒は、友達に話しかけられても余り考える素ぶりも見せず断っていた。
友達とも仲が悪い訳ではないらしく、大事な用事があるだけに見える。
男子生徒もそのやり取りに気付いたが無視して帰ろうとすると、普段余り喋らない美紅と呼ばれた生徒が話し掛けてきた。
「えっと、令君だっけ?何時も早く帰ってるよね?何かあるの?」
「い、いや、べ、別に何かする訳では無いんですけど、どうしたんですか?」
「いや特にはないけど、この間クラスでカラオケ行った時も来なかったじゃん。
忙しいのかなと思って」
「そういう訳では無いんですけど、趣味に時間をかけているので…」
「趣味かぁ、何が趣味なの?」
「そうですね、音楽等が好きですね」
「なるほどねー、所で令君アイス食べに行かない?」
「すいません、今日は用事があるので行けそうに無いです」
「そっかー、それならしょうがないか。それじゃバイバーイ」
令と呼ばれた少年は教室から出て行くと足早に自分の家を目指して歩く。
外は雨が降っているのだが、令は少しも気にせずに軽い足取りで歩いて行く。
今日は、RIDEというメーカーが新しい収音マイクを発売する日で令は予約済みのそれを受け取りに行く予定があったのだ。
令は音楽が趣味とは言ったが、聞くだけではなく歌う側、俗に言う〝歌い手〟と呼ばれる事もしていた。
その為にはある程度お金がかかっても新しいマイクを買うのに躊躇いは無かった。
その日、令はマイクを受け取る為にも早く家に帰って店に受け取りに行かないといけないので急いで帰っていた。
自宅に送ってもらう事もできたが、子供の身で贅沢は出来ないので少し面倒だが直接店に取りに行かないと行けなかった。
もしもの話になるが、もしもこの時自宅に輸送を頼んでいたら今後の生活は大きく変わったかもしれない。
しかしそれはそれ、もしもの話になるので仕方がないとは思うがここで令の人生は大きく変わる事になった。
この作品は、三人称と令視点、澪視点を適当に入れ替えながらしていきます。
誤字・脱字や感想、御意見などお待ちしております。
後キャラクターの名前も募集しております。
ブックマークや評価は作者のやりがいです。
頂けると泣いて喚いて喜びますのでよろしくお願いいたします。