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プロローグ

不定期更新です。

別の投稿「幕末香霊伝 吉田松陰の日本維新」の気分転換に書いております。

ですので更新は期待しないで下さい。

 西暦2011年3月11日。

 この日、日本国から世界へ向けて発せられた宣言は、世界を激震させ、大混乱の渦へと陥れることとなる。

 戦後、日本が頑なに守ってきた日本国憲法を破棄し、新たな憲法を発布すると発表したのだ。

 その憲法の特筆すべき内容は、自衛隊も含め全ての軍備を破棄する事。

 日米安全保障条約等、諸外国との全ての条約を一方的に破棄し、国連からも脱退する事。

 外国籍の者の即時国内退去を求める事。

 そして最後に、鎖国を開始する事であった。


 日本の突然の発表に各国は大いに混乱した。

 混乱のあまり、これは日本国によるエイプリルフールの壮大な冗談ではなかろうか?まだ早すぎるだろ!との憶測も流れたが、徐々に日本国の本気度がわかってくると、ある国は狼狽し、ある国は慌てて日本に連絡を取り、ある国はそれによって生じる混乱を絶好の機会と捉え、密かにほくそ笑んだ。


 日本国の最大の同盟国であるアメリカ合衆国は、すぐさまホットラインで日本国政府に連絡を取った。

 それと平行し、在日米軍の司令長官と協議を始め、日本の狙いを確かめようとした。


 「エイプリルフールデスカ?マダ早イデスヨ?」

 「違います、冗談などではなく本気です。」

 「憲法ノ破棄ハトモカク、鎖国トハ何ノ冗談デスカ?」

 「ですから冗談ではなく、本気の本気です。」

 「クレイジーデス。貴国ノエネルギー及ビ食料事情ヲ理解シテノ事デスカ?」

 「ご心配ありがとうございます。でも大丈夫です。」

 「意味ガワカリマセン。日本ニ駐留シテイル我ガ軍ハドウスルノデスカ?」

 「すみませんが、撤退していただきます。」

 「アジアノ安定ハドウスルノデスカ?自国ダケガ良ケレバイイノデスカ?」

 「それも大丈夫です。超時空太閤HIDEYOSHI様が全ての懸念を解決して下さいます。」

 「何ヲ言ッテイルノデスカ?全ク理解デキマセン。」

 「太閤HIDEYOSHI様のお力をご覧になれば、すぐにご理解頂けるかと思います。」

 「話ニナリマセン。」


 日本政府の意向が理解できないまま、電話会談は終わる。

 駐日アメリカ軍司令長官との協議でも、日本にいながらその兆候を全く掴めていなかった事が確認できただけであった。

 そして、アメリカ大統領と日本国首相との話し合いから暫くして、日本の排他的経済水域を含む領域が、やや白く濁った半透明の光の壁で覆われ始めたのだ。


 そして世界はHIDEYOSHIの力を知る。


 日本に駐留しているはずのアメリカ軍部隊が、装備ごとアメリカ本土の基地に忽然と姿を現し始めた。

 武器、弾薬、車両関係、航空機、船舶や潜水艦に到るまで、アメリカ本土、ハワイ、グァムの米軍基地に人員ごと、兵士の家族までもが、まるで瞬間移動でもしたかのように出現した。

 何が起こったのか聞いても誰も要領を得ない。

 ただ、HIDEYOSHIが、と答えるのみであった。


 そしてそれは在日米軍だけではなかった。

 日本に滞在していた外国人は、いつの間にやら自国に戻っていたのだ。

 さっきまで日本に滞在していたはずなのに、ビザの許す限り日本に滞在する予定であったのに、パスポートにはきちんと日本を出国した印が押してあり、母国に戻っていたのだ。

 出国印どころか、きちんと自国に入国した事にもなっていた。

 その記憶がないのに、何故か正規のルートで帰国した事になっていたのだ。

 それは不法滞在者においてもそうであった。

 また、日本で療養中の入院患者も、なぜか病が完治しており、気づいた時には故郷に立っていたのだ。


 そしてそれは所謂在日と呼ばれる人々でも等しくそうであった。

 知らないはずの母国語の読み書きの能力すら身につけて、旧日本軍に強制連行されたとされる元の国にいたのだ。

 日本で成した財産も、ご丁寧に自国通貨に換算され、本人名義の銀行口座に入金されている。

 しかも、当座の生活費までもが割り増しされて、である。

 住居費用までは与り知らぬby太閤HIDEYOSHIと書かれたメモを携えて。


 その後、南の混乱した状況と、在日米軍消失の報を受けた事によって北の将軍様が南下を決断。

 紆余曲折を経て両国が一人の元在日4世の青年によって統一されるのだが、それはまた別の話である。


 また、在日アメリカ軍の消失によって生じた混乱と、戦力の空白をついて、尖閣諸島を占領しようとした国が存在した。

 しかし、日本の主張する排他的経済水域境界線には、突如として出現した半透明の光の壁がある。

 日本国の最新兵器では?と警戒しながらも、排他的経済水域の航行は問題ないはずだと隊長は侵攻を決断する。

 恐る恐る光の壁を通過し、何事も無く通過できた船団は、はやり日本の虚仮おどしに過ぎないと、意気揚々と尖閣に向かった。

 

 しかし、尖閣から12海里までは順調に航行できたのだが、それを越える事はついに叶わなかった。

 尖閣から12海里、つまり日本が主張する日本の領海にはどうやっても侵入できない。

 その境に達すると船の機関が突然停止し、あまつさえ押し流されるのだ。

 上空から監視していた航空機の場合も同じであった。

 エンジンが停止するわけではないが、操縦桿のコントロールが不能になり、進行方向が変わってしまうのだ。

 機体が勝手に日本の領空を避けてしまうのだった。


 尖閣を占領しようという意思は挫かれたのだ。

 以後、幾度と無く尖閣侵入を試みるも悉く失敗し、ついには責任者の処分へとつながってゆく。

 そして、国家の威信にかけて光の壁の分析を進めるが、何一つわからないまま、研究チームも解散してしまう事となる。


 各国は軍事衛星から日本を撮影しようとしたが、無駄であった。

 ジャミングがかかっているのかカメラが全く作動しないのだ。

 インターネットも日本のサイトにはアクセスできないし、電話も通じない。

 航空機による接近を試みるも、尖閣に侵入しようとした某国と同じく、日本の領空に達するなり操縦桿が勝手に動き、パイロットの意思とは無関係に離脱させられた。

 無人偵察機でも、海上船舶でも、潜水艦でも同様であった。

 操縦者の意思に反して船が勝手に機関を停止し、押し戻されてしまうのだった。

 暴走した独裁国家が日本に向けてミサイルを発射するも、領空に達するなり忽然と消え去り、固唾を呑んで事態を見守っていた各国

を驚愕させた。


 どんな原理によってか、どんな力が働いているのかまるで想像もつかなかったが、宣言通り日本は世界から鎖国したのである。

 出島があり、オランダとは交易していた江戸時代を遥かに超える鎖国ぶりである。

 

 超時空太閤HIDEYOSHI。

 

 その力は計り知れない。

 

 世界はその力の片鱗すらまだ知らない。

鎖国開始日時が2011年3月11日なのは、これの投稿が2016年3月7日であり、もうすぐ東日本大震災から5年という節目に当たって、犠牲者の方々への鎮魂の意を込めてです。

もし、ご遺族の方がご不快に感じられましたらば、申しわけありません。作者の不徳のいたすところでございます。


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