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④ ゲスト
無事パーティ会場につく。
沢山の大人達に混じり、私は軽く食事をとった。
いつもはコンビニ食なので、久しぶりのまともなごはん…いや、母は昔から料理をしなかったし、私も忙しくて作る暇がない。
あらためて、自分が普通より不幸な立場だと実感した。
むしろ、悲しみより笑いがこみあげてくる。
「おや…」
「あのお嬢さんとはお知り合いですか社長」
「いえ」
「あの」
「はい」
「爪弾先生ですか?」
「そうです」
「僕は狂魔四郎です」
「あ、知るひとぞ知るミステリー作家の?」
「あはは、僕なんてまだまだですよ照れます」
あんまり褒めてないんだけどな…。
「どうも~」
「あれは…」
「古里アンダーくんだね。彼は夏に田舎の村に観光行ってたらしいよ」
「へー」
「あ、狂魔さん」
「やあどうも~」
「そういえば、技士さんはこなかったんですね」
「彼は人と話すのが苦手なタイプだからね~」
「やあ狂魔くん、古里くんと君は…」
「あなたはもしかしなくても人気恋愛小説家の吉松先生!?
新人の爪弾です…。」
私がここにいるのは場違いな感じ。
颯爽と退散し、SPさんのところへかけた。