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③
母の前の恋人がヤバイ人で、私は彼に雇われた殺し屋に命を狙われたことがある。
今もたぶんそう。
だから、たまたま安全な家でできる仕事がこれだった。
でも、その人をどうにかしないと安心できない。
この状況から脱却するにはどうしたらいいの。
「あの、食事はしないんですか?」
SPさんはずっと傍にいてくれて、ありがたい。
けれど食事している場面を三日見ていないのだ。
「はい、貴女の就寝の際に携帯食を食べていますから」
すごい、さすがプロ。
「あの、今日は小説関係でパーティーがあるので外に出たいんですけど」
外に出たら護衛の意味がなくなるかな…。
「もちろん貴女をお守りします」
だよね仕事だもん。