表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
六角の花   作者: フミ
82/788

桃から産まれる?

「寒い寒い!うー寒い

本当にこの山の寒さだけは馴染めん」


ホウライ山は冬だった

リッカの部屋に飛び込んでくるなりアキヨリは火鉢に手を突っ込みがたがた震えてみせた

熱いのは火のついた炭だろうと青空天井だか寒いのは滅法弱い

静かに雪の降る中 皆の作務衣を洗っていたのだ



「アキヨリ様ごめんなさい

わたしがその…体調がすぐれないばっかりに」


「気に病むな

それに動いていないと凍って死んでしまう

そんな事よりお前の体が心配だ」


「大丈夫です 病気ではないのですもの」


「何!怪我をしていたのか⁈」


「怪我などしてません!」


「疲れておるのだろう

疲労とて過ぎたれば病気だ気に病むな」


「んぐっ!……ねえアキヨリ様

名前どうします?」


「俺の作品に名前をつけて良いのか⁈」


「うーん!御来屋様は大変好評だったと仰ってましたぁー!」


「そうか!やっと俺も金になる仕事が出来るようになったか!」


「やっとじゃありません!

何で修行を始めて半年たらずの人の作品にあんな値段がつくのよ!」


「鼻を高くしてはおらん

まだまだリッカには及ばん

いや比較する事自体おこがましい

だがずっとずっと先の事になるだろうが

いつかはリッカの作品に並ぶような物を作りたいと思っている」


「桃の花の頃でしょうかねぇ…

桜の頃でしょうかねぇ…」


「そんな早い訳はないだろう

かいかぶるな

俺の事を思ってくれるなら仕事に関しては厳しく接してくれ」


「はっきり言わないとわかりませんか!!!」


「はっ!はい!」


「この子の名前です!生まれてくる時期です!」


「うわぁぁぁー!俺の俺とリッカの‼

うああああ!」


「何ですか!その反応!違う違う全然理想と違う!」


「でかしたリッカ

ありがとう 愛している」


アキヨリは火鉢から手を引き抜き布団で体を起こし座るリッカの隣に座った


「うふふ

やれば出来るじゃないですか

ねえ名前なんだけど

多分ね桃の花の頃だから

モノカとかトウリとかユスラなんてどうかしら」


「みな女の子の名前ではないか!男であった場合どうするのだ?」


「うふふ

それは無いのそうじゃないと困るの」


リッカは桃色のかわいい産着を取り出した


「気の早い…しかし俺は元気で生まれてくれたらどちらでも構わん」


「うふふ

本当にお侍らしくないお侍ですこと

それに私には分かるの

この子は女の子…」


「そうかリッカには分かるのか」


二人は手を合わせ新たな命の在り処にあてると確かに命の感触があった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ