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六角の花   作者: フミ
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引出物

ピィリャララ ピッピピャララーララーピッピィーリャー


ああ~春風三鴨の山越えて固い蕾が膨らめばぁ~ああぁ

あの人桜の吹雪にまぎれ そっとわたしの肩を抱く肩を~抱くぅ~


ささやかながら祝宴が催されていた

歌など歌った事の無いリッカや言葉の話せない職人達の代わりに

アキヨリが笛を吹き歌を歌い踊りそして転んだ


「あっ!アキヨリ様大丈夫⁈」


「あーはっはっ!まだ右足は良く動かない

みんな手拍子足拍子ありがとう」


「うふふ

ねえみんな明日お休みしちゃいましょう

そうだ!お父様の葡萄のお酒があったはずよ飲んじゃいましょう!」


「おっおれ あるとこしってる」


「なにぃゴクラクサイ様の秘密の隠し場所か?

面白い物があるに違いない

ゲン俺も行く」


ゲンに案内され屋敷の外れまで行くと廊下は突き当たりとなった


「突き当たりじゃないか

あっ!そうだこうだな とりゃ!」


アキヨリが突き当たりの壁に体当たりすると壁は横回転して

奥の空間へとアキヨリは消えて行った」


「アギ よくわかった」


部屋の中は無論真っ暗である

ロウソクの灯りを操り部屋の中をくまなく見て回ろうと

持って来た燭台の炎に意識を集中したアキヨリであったが拍子抜けした

棚が一つだけあり そこには酒の瓶だろうか それが数本あるだけだった


「なぁんだ何にもないや

あれ⁈なんだ⁈」


部屋の中の匂いがカビ臭い中にも

何か錆びた鉄の匂いが混じっている事に気付いてアキヨリが鼻から少し強めに息を吸い込むと

急に目の前にここでは無いどこかの景色が目に映った


「何だ!これは⁈飴⁈溶けた飴か⁈

いや違う!

鉄だ!溶けた鉄だ!

おお!鉄の扉だこれは鉄の扉が溶けて穴が空いているんだ!」


「アギ!ど どうしだ!アギ!アギ!」


鉄の扉の穴からゲンね顔が飛び出して来た


「うわっ!ゲン!ああ元に戻ったみたいだ

不思議な物を見たんだ大きな鉄の扉だよ

この屋敷の三倍はあったかな

しかしあんなものどうやって作るのか?

なあゲンどこかにあるのだろうか

心当たりは無いか?」


アキヨリは幼少の頃こういった経験が何回かあった

大体それは現実のもので何年か後でその場所その景色を目にする事があった


「しっしらない お おれしらない」


「何年か後にあの景色を見るのかも知れないな」


アキヨリはさっき見たものが自分の目の高さではなく

腰の曲った老人からのものであった事には気付いていなかった



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